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召喚で自爆させられ、また転移!? ~頭文字の男~  作者: 第三ひよこ丸


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第12話 軍議の間~対峙

~~二時間後~~

「皇帝、各大臣を軍議の間にて集めております。また賢者殿も席につかせております」

「うむ、各大臣達、賢者よ、急な呼び出し感謝する。まずは賢者:リエスタよ『天罰の地』にて見たものをすべて話すがよい。あぁ、その前に彼女は先ほど馬を駆けてついたばかりである。これ以上の無理はさせたくないので座ったままでの報告をさせる。皆、よいな。では賢者、報告を」


おもむろにリエスタが口を開く。

「皆さま、着座したままでの報告にて失礼いたします。実は…………………………」


「「「「「なんですとぉー?誠か?賢者殿ぉーー」」」」」


椅子を蹴倒すもの、飲みかけの茶を吹き出すもの、呆然となっているもの、テーブルの茶をこぼしてしまうもの達。

日頃は泰然としている大臣達であっても賢者からの報告は青天の霹靂であったようだ。

帝国の重鎮と呼ばれる各大臣達の狼狽えようは酷く、収まるまで時間が掛かってしまった。



「皆の驚きは理解できる。余も聞いたときは心の臓が止まるかと思ったわ。して、お主らの意見を聞かせてもらえるか?まずは、宰相から聞かせてくれ」


「はい。私は伝承の御方と思われます。伝承では黒き獣と記述がございましたが、黒い獣人でも同様であろうと思われます。懸念事項として、伝承の御方であった場合ですが、各国への連絡を行うのは当然ですが、ただ『魔人国』がうるさくなるでしょう。その対応を先に考慮すべきかと思いますが」

「そうだな。あの国はうるさくなるであろう。伝承の御方とわかれば王単身でも急ぎやってくるだろう。それは間違いないだろうな。その辺りも考えておこう。魔人国の国内でも騒ぎは大きくなるだろうて。あの国の歴史を考えれば仕方がないか。今から頭が痛いな。先代、先々代の時から、今までも何度も『天罰の地』への立ち入りを懇願してくるのだが、毎回、断るのが大変であったわ。まぁ、わからんでもないがな」

「はい、私も対応を考えますと頭が痛いですね」


「うむ。わかった。その時は一緒に悩んでくれるか?では次に軍務大臣、意見を述べよ」


「ははっ。私も伝承は子供の頃より戯曲等で見聞きしておりましたが、作り話であると思っておりました。賢者殿を疑うつもりではございませんが、やはり実際にお会いして確認するべきかと思われます。もし悪しき存在であった場合も考えまして騎士団に先行して調査させるべきではないでしょうか」


「そうだな、余も賛成である。次に外務大臣」


「はっ。私も軍務大臣の意見と同意見ではございますが、一点相違がございます。それは悪戯に騎士団を連れて行けば刺激する事になるのではないでしょうか?確認だけであれば少数で行くべきかと。兵士達が大勢で向かうことは相手方に警戒させるだけでないでしょうか。あと魔人国の対応は私達も対応を考えておきます」


「うむ。外交は貴様の仕事であったな。次に賢者:リエスタよ。どう思う」


「僕、いえ、私は間違いなく伝承の御方であると自信を持って確信しております。伝承や吟遊詩人達の歌う内容や戯曲の通りのお方達であると。

ここは王家の方がご挨拶に行かれるべきでしょう」

「確かにな。しかし、軍務大臣の懸念も理解できるし外務大臣の懸念も理解できる。また、悪しきものであれば対応は難しいであろう。

アリアナ、お前は我が第二王女でありながら近衛騎士団長を兼任しておるな。王家、近衛騎士団の両面から何か意見はあるか?」


そう、アリアナ・ドゥ・ティラスティラ王女。

帝国の第二王女として生まれながらも帝国一の剣士でもある彼女は華奢な身体からは思えないような剛剣の持ち主である。

齢18となった彼女であるが男っ気は一切なく、帝国の王である皇帝としては嫁に出したいのであるが、彼女曰く「自分より弱い相手には嫁ぎませぬ!」として頑として首を縦に振ることはなかった。帝国としては近衛師団が強いのは喜ばしい事ではあるのだが、父親としては複雑な思いをしていた。


「では父上、私が『天罰の地』に赴きましょう。あそこは王家の血筋のみが足を踏み入れることができる地です。もしも、狼藉者や悪しきものであれば我が剣の錆にいたしましょうぞ!ご安心くだされ!」


胸を張る彼女は自信満々に宣言する。周りの重鎮達もコクコクと頷いていた。


「あの土地は王家の血筋であるお前だけが立ち入る事が初代国王の命で決まっておるのだが、一人で対面させるのは不安が残る。どうしたものか……」

「私であれば一人で十分でございます」


再度、堂々と彼女は陛下に告げるのだが陛下は心配げな表情で答える。


「お前の力を疑ってはおらぬが、もし使徒様であったとして何かの拍子に不快になられた際、お前ひとりでは対応できぬであろう。う~む。初代国王の命ではあるが国法に縛られていては確認もできぬ。よし!では騎士団より精鋭を数人連れ、文官も同行させよう。大人数で行くのも考えものであるので十人程度で赴くがよい。但し、くれぐれも慎重に頼むぞ」

「承知しております父上、いえ皇帝陛下。あと賢者殿も同行していただきたいのです」

「よかろう。賢者殿もよいな?」

「大丈夫です」


「皆の者、わかっておると思うが事実確認が終わるまでは他言無用である。これは王命である!よいな!」

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