第十五話:死者の王との攻防
王都地下墓地の最奥、『死者の王の祭壇』に響き渡る骸骨たちの咆哮。
レイヴンと俊也は、ボスモンスター【デス・タイラント】との戦いに突入していた。
「■■■■……!」
デス・タイラントが杖を振り上げると、地面がひび割れ、新たなスケルトン兵が召喚される。
だが、それと同時にレイヴンも呪文を放つ。
「《死者の従属》!」
——【スキル効果発動】——
敵のアンデッドを支配し、自軍の戦力に加える
召喚されたばかりのスケルトン兵たちのうち、数体の瞳が赤く輝き、レイヴンの指揮下に入る。
「伯父さん、ほんとにヤバいな……ボスの召喚した雑魚をそのまま戦力にするなんて」
「ネクロマンサーとは、そういうものだ」
レイヴンは冷静に杖を構える。
(こいつの《デス・レイ》は《死者の加護》で防げるが、問題は……)
——【デス・タイラントが《死霊支配》を詠唱中】——
「また来るぞ、伯父さん!」
「ああ……」
レイヴンは杖を振り上げ、即座に対抗策を打つ。
「《闇の契約》!」
——【スキル効果発動】——
支配下のアンデッドの忠誠を強制的に固定し、敵の支配スキルを無効化する
デス・タイラントが放った支配の波動が、レイヴンの軍勢にぶつかる。
しかし、スケルトン・ウォーリアたちは微動だにしない。
「……ふん、無駄だ」
レイヴンは不敵に微笑む。
「お前の力は、俺には通じない」
デス・タイラントが一瞬怯んだのを見逃さず、キャバルが突撃する。
「今だ、伯父さん!」
「……行くぞ」
レイヴンは杖を振りかざし、最後の呪文を詠唱した。
「《死者の王の審判》!」
——【スキル効果発動】——
死霊の軍勢が敵を包囲し、一斉に攻撃を仕掛ける
レイヴンの支配するスケルトン兵たちが、一斉にデス・タイラントへと襲いかかる。
骸骨の剣が、槍が、斧が、死者の王の身体を削り取る。
「■■■■……!」
デス・タイラントの咆哮が、地下墓地全体に響き渡る。
——そして。
——【ボスモンスター:デス・タイラントを撃破しました】——
——【クエスト『死者の王の祭壇』をクリアしました】——
「……やった」
レイヴンは静かに杖を下ろした。
「伯父さん、マジで最強すぎる……」
キャバルが感嘆の息を漏らす。
光の粒子となって崩れ落ちるデス・タイラントの身体。
そして、その場には黒銀に輝く一冊の魔導書が残されていた。
【アイテム:『冥府の書』】
【効果】
・ネクロマンサー専用装備
・《死者の加護》の効果を常時発動状態にする
・一定確率で《死霊支配》を無効化
「これは……」
「レアアイテム、確定だね!」
キャバルが笑顔で言う。
レイヴンは無言で『冥府の書』を手に取り、そっと開いた。
そこには、古代の言葉でこう書かれていた——
「死者の王は常に死者と共に歩む」
(……俺にふさわしいな)
レイヴンは静かに笑い、魔導書を装備した。




