第十四話:死者の加護
ゴゴゴゴ……!
王都地下墓地の奥深く、崩れた壁の向こうから姿を現したのは、漆黒のローブをまとった巨大な骸骨。
【デス・タイラント(Lv20)】——王都地下墓地の最奥に封じられていた死者の王。
虚ろな眼窩に青白い光を灯し、威圧的なオーラを放っている。
「伯父さん、気をつけて! こいつの《デス・レイ》、即死効果持ちだよ!」
俊也が警戒しながら叫んだ。
「即死……か」
レイヴンは杖を強く握りしめる。
——【デス・タイラントが《デス・レイ》を詠唱中】——
空間が歪み、黒紫色の光が収束していく。
「まずい、来るぞ!」
キャバルが素早く身を引き、回避態勢に入る。
しかし、問題はレイヴンの支配下にいるスケルトン・ウォーリアたちだった。
即死攻撃が飛んでくれば、一撃で消滅してしまう可能性が高い。
(……いや、待て)
「《死者の加護》!」
——【スキル効果発動】——
支配下のアンデッドに即死・状態異常耐性を付与する
レイヴンのスケルトン・ウォーリアたちの骨格が、一瞬黒い光に包まれる。
「■■■■……!」
デス・タイラントの眼窩から放たれる、黒紫の破滅の光。
直撃を受けたスケルトンたちの体が激しく揺れる——が、崩れ落ちることはなかった。
「すごい! 即死、効いてない!」
キャバルが驚きの声を上げる。
「ふむ……ネクロマンサーの特権だな」
レイヴンは不敵に微笑む。
「お前の死の呪いは、俺の軍勢には通じない」
デス・タイラントが低い唸り声を上げると、周囲の闇がさらに濃くなり、新たな骸骨兵が地面から這い出してきた。
——【デス・タイラントが《アンデッド召喚》を発動】——
「来るぞ、伯父さん!」
「そうか。ならば、こちらも数で押し返す」
レイヴンは冷静に杖を振り上げる。
「《死者の従属》!」
召喚されたばかりの骸骨兵のうち、数体がレイヴンの支配下へと変わる。
「よし……これで戦力は互角か、それ以上だな」
「おお、まさに死者の軍勢って感じ!」
キャバルが興奮気味に叫ぶ。
「ここからが本番だ……行くぞ!」
レイヴンは手持ちのアンデッドたちに指示を出し、死者の王との戦いの幕が上がった——!




