第十三話:死者の王の祭壇
王都地下墓地の深部へと進むレイヴンと俊也。
壁に刻まれた古代文字は、ところどころ崩れ、長い時を経て朽ちかけていた。
「伯父さん、この先は『死者の王の祭壇』って呼ばれてるエリアだよ」
キャバルがミニマップを確認しながら言った。
「ほう……何か特別な場所なのか?」
「うん。このダンジョンの最奥にあたる場所で、ネクロマンサーの職業クエストに関わる特別なアイテムがあるって噂されてる」
「なるほど。ならば試す価値はあるな」
レイヴンは支配下のスケルトン・ウォーリア四体を引き連れ、慎重に奥へと進んでいく。
ゴゴゴゴ……!
突然、空間全体が揺れた。
前方の石壁が軋みながら崩れ、漆黒の闇が広がっていく。
【特殊イベントが発生しました】
——「死者の王の目覚め」——
「これ……特殊イベントだ!」
俊也が興奮混じりに叫ぶ。
「伯父さん、これはかなりレアな展開かも!」
「そうか。どれほどのものかは分からないが、どうやら戦闘になるらしいな」
崩れた壁の向こうから、一体の異形が姿を現す。
——【ボスモンスター:デス・タイラント(Lv20)】——
【死者の王】と呼ばれる存在で、王都地下墓地の守護者。
古の時代、王国によって封じられたが、今まさに目覚めようとしている。
【スキル】
・《死霊支配》:周囲のアンデッドを強制的に支配下に置く
・《デス・レイ》:即死効果を持つ魔法攻撃
・《アンデッド召喚》:スケルトン兵を無限に呼び出す
「……なるほど、厄介そうだな」
レイヴンは静かに呟く。
特に《死霊支配》のスキルはネクロマンサーにとって危険だ。
「伯父さん、気をつけて! たぶんアンデッド系のモンスターを支配しちゃうスキルを持ってる!」
「……それなら、先手を打つしかないな」
レイヴンは杖を掲げ、呪文を詠唱する。
「《闇の契約》!」
——【スキル効果発動】——
支配下のアンデッドを一時的に強化し、敵の支配を受け付けなくする
スケルトン・ウォーリアたちの瞳が赤黒く光る。
「これなら、俺のアンデッドが支配されることはない」
「おお、さすがネクロマンサー!」
「さて……行くぞ」
レイヴンは死者の王との決戦へと踏み込むのだった——。




