第十二話:死者の軍勢
王都地下墓地の薄暗い通路を、レイヴンと俊也が進んでいく。
壁に取り付けられた燭台は、青白い炎を揺らめかせ、異様な雰囲気を醸し出している。
「伯父さん、今のとこ順調だね」
キャバルが軽快に短剣を回しながら言った。
「ああ。だが、そろそろ敵の数も増えてくるはずだ」
レイヴンは、すでに自分の支配下にあるスケルトン・ウォーリアを一瞥する。
ネクロマンサーとして初めて手に入れた従属モンスターだが、雑魚とはいえ盾役として十分に機能している。
「この先にちょっとした広間があるんだけど、そこはスケルトンが五体ほどいる集団エリアなんだ。試してみる?」
「やってみよう」
二人は奥へと進み、やがて開けた空間へとたどり着いた。
ゴゴゴ……
薄暗い広間の奥に、カタカタと骨の擦れる音が響く。
青白い炎が灯る燭台の光の中、五体のスケルトン・ウォーリアがレイヴンたちを睨むように立っていた。
「さて、伯父さん。どうする?」
キャバルが短剣を構えながら問う。
「せっかくだ。ここで『死者の従属』を試してみる」
「おお、支配できる数を増やすつもり?」
「ああ。どうせなら、死者の軍勢を作るくらいのつもりでな」
「さすがネクロマンサー! いいね、やってみよう!」
レイヴンは杖を構え、呪文を詠唱する。
「《死者の従属》!」
——【スキル判定】——
【成功率:40%】
【対象:スケルトン・ウォーリア(Lv12)】
【……成功!】
——【スキル判定】——
【成功率:40%】
【対象:スケルトン・ウォーリア(Lv12)】
【……失敗】
——【スキル判定】——
【成功率:40%】
【対象:スケルトン・ウォーリア(Lv12)】
【……成功!】
——【スキル判定】——
【成功率:40%】
【対象:スケルトン・ウォーリア(Lv12)】
【……失敗】
——【スキル判定】——
【成功率:40%】
【対象:スケルトン・ウォーリア(Lv12)】
【……成功!】
「おお、三体成功した!」
キャバルが驚きの声を上げる。
レイヴンの周囲に、新たに支配下となった三体のスケルトンが控え、彼の命令を待っていた。
「ふむ……これで合計四体か」
元々支配していた一体を含め、四体のスケルトンが並ぶ光景は、まさにネクロマンサーらしい光景だった。
「これなら数の優位を取れるね。残りの二体は俺がやるよ!」
キャバルは短剣を構え、素早く駆け出した。
「《シャドウ・スラッシュ》!」
暗闇の斬撃がスケルトンを貫き、一撃で粉砕する。
さらに残りの一体に対し、レイヴンも呪文を放つ。
「《ダークボルト》!」
黒い雷が炸裂し、スケルトンが消し飛んだ。
【スケルトン・ウォーリアを倒しました】
【経験値+120】
「よし、片付いたな」
「うん、うまくいったね!」
キャバルが笑顔で頷く。
レイヴンは改めて支配下のスケルトンたちを見渡した。
(四体……悪くはないが、まだ足りないな)
「この調子で奥へ進もうか」
こうして、レイヴンとキャバルはさらに地下墓地の深部へと進むのだった。
この先には、さらなる強敵と、ネクロマンサーにとって重要なアイテムが待ち受けている——。




