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第9話 No.1 VS No.2 pat1

 「万丈先輩、本当にありがとうございました。」




 万丈先輩との練習試合を終えた俺は先輩のもとに駆け寄った。




 「おう。最後のゲームのお前がとった1ポイントは流石にガッツ感じたわ。まあ、俺からしたらやっとそこに気づいたかって感じだったけど、あそこまで動けるとはねー(笑)。」




 「ありがとうございます。あれは死に物狂いで追いつこうと思ったので(笑)。」




 先輩にあの1ポイントを褒められて少し嬉しくなったが、よくよく振り返るとそのポイントだけであとは何もできず、おまけに最後は不気味な終わり方だったし。




 「そういえば気になってたんですけど、万丈先輩はなんで俺のことAコートに誘ってくれて、しかもいきなり練習試合までしてくれたんですか?」




 俺は唐突に疑問に思っていたことを聞いてみた。




 「なんでだろうなー(笑)。んーまあ楽しそうにテニスしたからかな。そんだけ。」




 言い終わった後、先輩の目はどこか寂しそうで、はるか遠くを見つめているようだった。




 「ほんとにそれだけの理由ですか?(笑)」




 「なんだよ(笑)。せっかくいい経験ができたんだから別に理由なんていらないだろ?」




 (確かに理由なんていらないか。とにかく俺は万丈先輩の粋な計らいでテニスの奥深さを学ぶことができた。しっかり自分のものにするために吸収しないと。)





 俺はAコートのメンバーへの挨拶を終えて自分のコートの戻ろうとしたとき、




 「おい暖」




 「はい。」




 いきなり万丈先輩に呼ばれて少し驚いた俺はとっさに返事をした。




 「今からAコートで俺と勝太でワンセットマッチやるけど、見たいか?別に嫌ならコート戻って練習してきてもいいけど。」




 「ほんとですか!?ぜひ見たいです!」




 この学校のNo.1とNO.2の戦いが生で見られるんだ。断る理由なんてあるはずがない。




 「よし。Aコートの奴らも全員俺らの試合は見るだろうから、じゃあ柊の隣で見とけ。柊、よろしく頼んだ。」




 「え、あ、はい。了解っす。」




 柊ってさっきの俺の同級生か。変なファーストコンタクトだったからちょっと気まずいな




 「この二人の試合見たことある?」




 俺は素朴な会話を投げかけてみた。




 「あるけどなんだよ。」




 「いや、どんな感じなのかなーって。」




 「それを今から見るために残ったんだろ?黙って見とけよ。」




 なんて不愛想だ。俺はそんなに癪に触るようなことを言ったのだろうか。まあ、とりあえず如月先輩と万丈先輩の試合を見れるんだったらなんでもいい。





 「ザ・ベストオブワンセットマッチ、万丈サーブトゥプレイ!」





 いよいよ頂上決戦の開幕だ。




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