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憂鬱な天国 【六道 人間道】  作者: 倉木英知
分岐点 信じた人の道
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5/8

死屍累々


 暫く後の事。


 遭難事故で死んだ筈の睦(むつみ)は甦り、帰ってきたのである。鷹山夫妻は喜び、その息子を迎えた…。


 然し…。睦(むつみ)には異変があった。


 肉体は至る箇所が変色し腐敗している。

 覚束ない足取り。朦朧とした意識。

 口は半開きで涎を垂れ流していた。

 瞳には生気がなく、虚ろ。


 睦(むつみ)は…。

 生ける屍と変わり果てていたのだ。


 だが…。そんな状態であろうとも、鷹山夫妻にとって、睦(むつみ)は、紛う事無く愛する子供であった。息子を迎え入れ、幸福な日々を暮らしていた…。


 然し、その幸福な日々は緩やかに変化する。睦の状態は日に日に、悪化していったのである。


 皮肉だ。

 ソレが意味するのは…。


 愛する我が子の…。

 死んでいく様を観る事に他ならないからである。

  

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