帰らぬ人
【死んだ人間を蘇らせる方法がある。】その方法を聞いた二組の夫婦がいた。この二組の夫婦は子供を遭難事故で喪っている。この遭難事故は最近、報道もされていたので記憶に新しい人もいるであろう。
四人の男女が大学卒業の記念と称した旅行先で行方不明となる。数日後、捜索の甲斐もなく、四人共に遺体で発見される事となったのだ。
行方不明となった男女四人は聖堂大学のオカルト研究会に所属していた。そして…。彼等は卒業の想い出として、【樹海】でキャンプをする事にしたらしかった。其所は自然保護区域で、キャンプ等は禁止されている場所。だが、その樹海は自殺の名所としても知られていて、その樹海には度々、足を踏み入れる者が後を絶たないのだと云う。
然し、その場所は自殺行為を抑止する為に、巡回する人が数人交代で見回っている。一人で軽装なら何とかすり抜けられそうなものだが、数人で、況してやキャンプの為の荷物を抱えて立ち入る事は容易ではない筈なのだが…。
彼等は幸か不幸か…。それとも、その樹海に呼び込まれたのか…。樹海の奥深くへと足を踏み入れる事に成功したのだそうだ。