竹林の爽風
何処か寂寥感を帯びた秋快晴の空の下、散策先の竹林の爽風がこの心を掴んだ。
足元には優しい木漏れ日が移ろい、天高く伸びる緑景は息呑む程に美しい。
風で撓る竹がざわめきを奏で、鳥達の囀りが自由の謳歌となって華を添える。
心身を包むかのような穏やかな瞬間。
それは切なくもあり、同時に遥かな恩恵を感じられるひととき。
時間を忘れていつまでも浸っていたいと思わせる。
されど季節は止まらぬように、移ろう心もまた止められない。
だからこそ絶景を記憶に大切に刻んで、背を帆にしてまた明日へと歩む。