第67話ここはどこ?
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「・・・・・」
「・・・・」
あれ何か聞こえる。
きっと死後の世界だろう。
天国だと良いな。
他の奴らはどうなったんだろ。
生きていてくれれば良いが・・・・
創造主様との約束も果たせなかったな。
会えるんだったら謝っておこう。
少しずつ意識がはっきりしてくる。
あれ?
誰かが喋ってるぞ。
意識が少しずつはっきりしてきて、会話の内容が、次第に聞き取れてくる。
ああきっと、前と同じように白装束の人達だろうな。
「あー間に合って良かった。あいつらはいつも面倒くさいんだから、もう。この人達、ダメージがかなり入っちゃたみたいだけど、みんな大丈夫そうね。結果オーライってところで良いでしょ。」
へっ?
大丈夫?
ってことは・・・みんな生きてるの?
「結果オーライどころか、指示通りやってるわよ、私達。いっつもあのお方は、ギリのギリまで許可を出してくれないんだから。しかも、今回の指示は『死なすな。手を出すな。指示を出す。』でしょ。現場の身にもなってよ。早く指示を出してくれればもっと楽だったのに。」
「そうよね。あのバ・・・」
「わーーー駄目っ。あのお方は地獄耳なんだから。しかもこれから奴らが来るんでしょ。だったら地獄耳がもう一人いるのよ。聞かれたら今度こそ、うちらヤバイよ。」
「そうだった。危なかった。またやらかしたら今回こそヤバイもんね。・・・あっ、来た。噂をすれば何とやらね。」
「早く来てくれて良かった。これでこの件から解放されるわ。」
「あれ、一人起きかけてない?面倒くさいから眠らせようか?」
「ス・・・」
俺は再び意識を失った。
どの位時間が経ったのだろうか?
頭が重くて痛い。
パンチをきれいに顎先にもらって、失神した後のような感じ。
前世で若い時にいつものアーケードで、弾き語りの先輩スギさんをかばって、明らかにガラが悪そうな酔っぱらいに一発貰った時も、こんな感じだったな。
目が覚めたら公園のベンチで、スギさんとファンの人達に介抱されてたからビックリしたっけ。
これは後から知ったんだけど、スギさんって実は、他県にも支部があるような、かなり大きな規模の暴走族の元総長だったらしく、俺が失神した後、ブチ切れたスギさんの、鬼のような形相を見て、酔っ払いはビビって逃げて行ったらしい。
久々に思い出した。
スギさんのハスキーな歌声とクシャっとした笑顔が懐かしいな。
それはそうと、静かだな。
ここはどこだ?
みんなはどうした?
もしかしてやっぱ死んだの?
目を開けなきゃ。
まぶたが重い。
前に死んだ時もこんなだったっけ?
重いまぶたを開けて、ぼんやりと目に入って来たのは、石壁の部屋だった
ぼやけていた意識が徐々にクリアになっていく。
しかし、動かせるのは首が精一杯だ。
どうやら俺はベッドに寝かされているらしい。
床がやけに近いな。
かなり低いベッドみたいだ。
みんなはどうなった?
周りの状況を見てみなきゃ。
首を動かすのが辛い。
隣は・・・クリスだ!
こっちには・・・リューガルド!
他には?
足先を見てみよう。
フレシア!
アビちゃん!
あれ、フレシアがちょっと動かなかったか?
気のせいだったかな?
あれ、何だ?
壁に魔石?みたいなのがついてる。
どうやら、みんなのベッドの壁についてるみたいだ。
俺とフレシアのは、うっすら赤く光ってるみたいだし。
それにしても良かった。
全員揃ってはいる。
みんなが無事だと良いが・・・・
離れた所から声が聞こえる。
「先生、ポーション使いましょうよ。そしたら一発ですよ。」
「馬鹿言え、もったいない。知りもしない人間どもに、そんな簡単にやれるか。」
「けど、手間がかかったら一緒じゃないですか?患者がいるだけでコストがかかるんです。とっととポーションを飲ませて、追い出しちゃいましょうよ。面倒くさい。」
「ダメだ。ボスからの命令で、許可が出るまで、この部屋からは出せない。」
「出せないんだ。けど、そんなの私に関係ありません。」
「わかったから、様子を見てこい。」
「はーい。いってきますよーだ。」
もしかして、お医者さんと看護師さん?
あの看護師さんの相手は大変そうだ。
お医者さん?もストレスが貯まるだろうな。
「先生、2人の魔石が光りだしました。もう少しで意識がはっきりしそうです。」
魔石ってこんな使い方もできるのか。
そんなの聞いた事すらないぞ。
看護師?さんはまず、フレシアの元に向かったようだ。
お医者さんの声が近づいて来る。
あれ、先生って思ったより背が低くて、かなりガッシリとしている。
体幹がかなり太い。
まるで動く土管だ。
もしかして、ドワーフ?
以前オーブリーに聞いたら『いるにはいるんだけどね~』なんて、お茶を濁す様な言い方してたっけ。
じゃあ一体、ここはどこだよ?
「動いたら、まずは落ち着かせるんだぞ。わかってるよな?」
「わかってます。」
先生が俺を見る。
毛量が凄い。
「よし、こっちも意識だけはあるようだな。お前はスリープをかけられてるから、動くのにに時間かかるからな。無理に動くなよ。」
俺は頷く事しかできない。
「先生、患者が喋っているようです。・・・・ええ、・・・・ポーション?・・・・持ってる?・・・・1本だけ・・・・飲めたら・・・・私が・・・・飲ませる?・・・・譲って欲しい・・・・代金は払う、ですって、どうします?」
「そんなの簡単に信用できるか。嘘だったらどうする?そんなの、自分で動けるようになったら、自分で出して飲めば良いんだ。」
「先生、今日は友達とお酒を飲む約束をしてるから、ポーション飲ませていいでしょ。嘘だったら、一発発くらわして、採掘現場送りにしてやりますから。」
「酒が待ってるのか?だったら仕方がない。だから早く帰りたがってたのか。そんなの早く言ってくれよ。けどもしもの場合、ポーション代はお前の給料引きだからな。」
「わかってます。早く帰りたいです。」
看護師さんがそそくさと奥に行くと、急ぎ足でポーションを持ってきた。
「はーい、口を開けますよ。ゆっくりと飲んで下さいね。」
しばらくしたら、フレシアはゆっくりと起き上がり、自らのアイテムボックスを開いて、オリジナルポーションを出して飲んだ。
どうやら、ドワーフのポーションだけでは体力回復が十分ではなかったらしい。
「ポーション代いくらですか?」
フレシアの声は明らかに機嫌が悪かった。
ルカルカナイトフィーバー/巡音ルカ
突然聞きたくなった、どこかで聞いた曲。出所は間違いなく娘でしょう。キラキラしたディスコ調はワンレンボディコン(呪文ではありません。意味は自分で調べてね。)なんて言葉を思い出させます。もうノリノリ(死語)。オリジナル音源がアマゾンミュージックに入ってないのが残念です。




