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第63話 とある妖精の独り言

このページまでお越しいただき誠にありがとうございます。ようやく更新できました。では、よろしくお願いいたします。

ん・・・・?


何だろうこの違和感。

たぶん念話なんだろうけど、まだうまく聞き取れないや。

私も念話のハッキングって苦手なんだよね。


どこからも呼ばれてないから大丈夫だよね。


同じ歳の同僚と執務室の前に立ち待機すること4時間。

当然、私語は禁止。


私の名はヴーレ。


親衛隊に属しており、主な仕事はこの部屋のなかにいる要人の警備と連絡係だ。

同僚は寡黙にドアを見つめている。


ちなみに、交代の時間はまだまだ先。

ああ、一息つきたい。


けど油断は禁物。

呼び出しがいつ来るかわからないし、何かあったら報告しなければならない。

ずーっと緊張のしっぱなしだ。

この仕事は本当に嫌だ。


ローツシルツ様の近くで仕事をするようになって10年位たっが未だに慣れない。


対応が少しでも遅いと嫌み。

判断がローツシルツ様の意向にそぐわないと嫌み。

ちょっとしたミスでも嫌み。


ク○ババ○っていつも心の中で言っている。


今日もこんな事があった。


朝一の執務室の掃除も私の仕事だが、たったちょっとの埃の拭き残しで、「油断していますね。」の一言と冷たい視線。

じゃあ、お前がやってみろつーの。

言えないけど・・・・


その冷たい目を見たくもないし注意されたくもないなら、ミス無くやるしかない。

これが私の現実であり、仕事だ。


常に緊張の糸が絡まっている様なこの仕事。

ミスしがちな私と比べて、全てにおいて先輩達が完璧に見えてしまう。


ローツシルツ様からの嫌みで落ち込んでいる私を優しくフォローしてくれる余裕まである。


けどそんな先輩達も、一瞬だけ遠い目をしているのを見かける事がたまにある。


やっぱりローツシルツ様相手って大変だよね。

先輩が私を元気づけてくれる時私も同じ目をしているんだろうな。


この前、先輩に仕事についての悩みを相談したら、まだまだ私は良い方だと言っていた。

確かに周りの先輩達の経験を聞くと納得だ。


先輩達が口をそろえて言う『ローツシルツ様、恐怖の沈黙』


最長記録は、ある先輩が小さな報告を怠った事がばれた時の2時間。

しかも長い沈黙の後、冷たく言い放つ「気をつけなさい」の怖さと言ったら・・・・

私だったら途中で発狂するかも。


あーあ、外の警備にまわされないかな。

外回りは今の仕事と比べれば楽そうだよな。


駄目だ、弱気になってはいけない。一応エリート枠なのだ。

仕事に集中しないと。


そんな中、周りが騒がしくなってきた。

どうやら森に動きがあったらしく、この森の現妖精女王で監視隊のリーダーがすっ飛んで来た。


何かの間違いで、結界内に冒険者でも入ったか?

それともスケルトンメイジとかヘビィゴーレム辺りの、いつも小競り合いをしている元気な奴らが結界から逃げたかな?


まさか、重要監視対象のあいつらって事は無いよね・・・・

次の外界交流許可日は5年後だったはず。


かなり慌てて別の監視隊のスタッフもとんできた。

かなりヤバイの?

やっぱりあいつらか?

だったら・・・・かなりマズイな。


私はあわてふためいている監視班のスタッフを落ち着かせ、ドアをノックする。


「ローツシルツ様、監視隊からの続報です。」


「はい。」


スタッフが入っていった。


ローツシルツ様のとりそうな反応が分かりすぎて怖い。


この森を一人で維持と管理をできる力を十分持ってるローツシルツ様相手に、普通の妖精である私達がかなうはずがないっつーの。

早さを求めるんだったら、ローツシルツ様が管理して直接指示くれた方が早いのに。


部屋の中から声が漏れ聞こえてくる。


「遅いです。」


冷静に冷たく言い放つ一言。


「「すみません。」」


女王とスタッフの声が震えている。


やっぱりね、思った通りの反応だ。


「で、どのようにしたら最善だと思いますか?」


「結界の外とはいえ、人間は念話を使っているようですし、ヘルタイガーを倒した魔法は私達のレベルには遠く及びませんが、人間達で言う宮廷魔術師レベルには達していると思われます。という事しか確認ができておりませんんが、そうなれば王族もしくは有力貴族クラスの人間が来ている可能性もありまして・・・・」


「長い。事は急ぎます、あなたの判断は?」


「ローツシルツ様に対応をお願いいたします。」


「わかりました。この件はあなたに代わり私が指揮をとります。今後改めて念話対策をきちんとするように。これは基本です。」


「よろしくお願いいたします。」


少しの沈黙の後、お呼びがかかった。

私が急いで入室する。


「失礼いたします。」


「親衛隊長をここに。」


親衛隊長が入室する。


あれ、また念話だ。

どうやら近くでやっているらしい。

もしかしてローツシルツ様?

まさかね。


誰が誰と念話をしてるんだろう?

ここでの念話は禁止されているはずなのに。

あのバ・・いや、あのお方が自らルールを破るとは思えない。


念話の反応が無くなった後、妖精女王と監視隊員と一緒に執務室から出てきた。

出てきた妖精女王と監視隊は、慌てて自らの持ち場に戻って行った。


親衛隊長が私に目を合わせてきた。

私に何か指示があるようだ。


「ローツシルツ様が外に出られる。その間は親衛隊がここの留守を預かる事になる。ヴーレ、お前が親衛隊を代表してローツシルツ様の身辺警備に当たれ。尚、周囲の警備は警備隊が既にあたっている。できるよな?」


「はい。おまかせください。」


どうしよう、大役来たー。

大丈夫かな?

よし、やるしかない。


って、何で大妖精女王であるローツシルツ様が直接訳のわからない奴の相手をする訳?

もしかして、人間界の要人?


だったら妖精女王のクリコ様で良いじゃない。

わざわざ大妖精女王自らが出迎える必要無いと思うのだけど。


ローツシルツ様が出てきた。


あれ、ちょっと口角が上がってる気がする。

何で笑顔?

緊急時じゃないの?

訳がわからない。


ローツシルツ様自らが妖精世界から出る為の簡易結界をはる。

私は身辺警備なので、ローツシルツ様の横をキープ。


それにしてもこの簡易結界、結構な数の妖精を運んでいるのに、水漏れは無いしめちゃくちゃスムーズ。

さすが妖精大女王といったところだ。


私なんか行き帰り必ず濡れちゃうのに。


あともう少しで陸上だ。


あれ、ちょっと体が重たくなってきた。

結界の障壁も分厚くなったみたいだし。


ローツシルツ様、ちょっと魔力放出しすぎです。

もしかして、相手ヤバい?


池の上に到着し、結界から解放される。


早速ローツシルツの横で、気配察知をする。

そこには5人の人間と・・・・

は?

何で?

どういう事?


人間と一緒にいたのは2人の妖精だった。





Respect クルセイダーズ/クルセイダーズ1


クルセイダーズは70年代アメリカで活躍した、フュージョンのグループです。いやージューシーですね。グルーヴという果汁がジュワーと耳に広がります。ジャズとかフュージョンって興味が無い方々からすると、ジジイが小難しい顔をして聞いているってイメージじゃないでしょうか。(昔の私はそうでした)実は簡単なんです。流れてくる音楽に身を任せるだけで良いんです。この感覚が理解できたら、あなたの音楽の世界が格段に広がるでしょう。なにせこの音楽こそが、ハウスやテクノといったクラブミュージックの生みの親なのですから。

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