表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/70

第48話 マーヴァ復活

このページまで来ていただき誠にありがとうございます。今週も更新できました。ではよろしくお願いいたします。

『聖なる山』がある。

古い文献によると、そこには『もの』が鎮座されているらしい。


この山に最も近い(とはいっても、山をはるか遠くに確認できるくらいの距離だが)村の伝承には、山頂に万年雪が積もっていたそうだが、現在では確認できず、むしろ何らかの煙が上がっているのが数回確認されているそうだ。


『聖なる山』には道が一本だけあるそうだが、入口は古代魔法による結界が張られており、未だに解く事すらできず、道にすら入れないでいるのが現状だ。


最近、研究者らしき旅人がこの道を訪ねてきたみたいだが、長老が現状を説明したら、礼の言葉を残して姿を消したらしい。


「ふぅー、もう少しでございます、主様。」


旅人の格好をした男が少し疲れた顔で、自身の身長程の魔法陣が刻み込まれている大きな石の扉の前でつぶやいた。


男の背面には、切立った崖の端の一部をくり抜いたように山道が走っており、時間をかけて歩いてきたようだ。道幅は人が一人歩ける程しかなく、左手には壁、右手には深い谷があり、ガードレールなんて物は当然ない。


男が魔法陣に両手をかざし呪文を呟くと、魔法陣が消え扉が勝手に開いた。


生あたたかい空気が流れてくる。


真っ暗な空間に光が灯った。


男は目を見開いた。


そこには明らかに人の手よって作られた大きな広間が広がっていたのだ。


壁や石柱には豪華な装飾がしてあり、無数の魔法陣が隙間がないくらいに書かれており、遥か先に『2つのもの』が置いてある。


男がその場で『2つのもの』に片膝をついて一礼する。


「マーヴァ様、お待たせ致しました。初めて参上いたしました、デルガイートでございます。」


「デルガイートよ、ご苦労だった。我の啓示以来じゃな。近くに。」 


女性の声が響いた。


「ははっ。」


デルガイートが立ち上がり、『2つのもの』に小走りで近くに向かった。


そこには二体の大きな彫刻があった。


一体は大きく完全な形を保っているが、少し小さいもう一体には所々にヒビが入っている。


ヒビからは蒸気らしきものが吹き出しており、上に流れている。


デルガイートは再び片膝をつき一礼した。


「面をあげよ。」


デルガイートは顔を上げ、ヒビが入っている彫刻の方を向いた。


「例のものを。」


「はっ。」


デルガイートは立ち上がってアイテムボックスを出し、大きな鞘に納められている両手剣を、丁寧に取り出した。


「ほう、これが鍵か。頼むぞ。」


「はっ。」


デルガイートが鞘から剣を抜く。


刃先が青白く光っており、刀身には彫刻のはずのマーヴァが、紅蓮の姿で映っている。


ガン


鈍い音が部屋いっぱいに響き渡る。

デルガイートが、彫刻に向かって剣を振り抜いたのだ。


彫刻は砕けず、切れもしなかったが、一部だけだったヒビが、全身に入った。


「フンッ。」


マーヴァが力を入れたらしく、覆っていた石が吹き飛んだ。


すると中から、先程刀身に映っていた紅蓮の姿をしたマーヴァが、姿を現した。


溢れだした魔力が赤黒いオーラとなって具現化しており、まるで炎をまとっているようである。


「よくやった。礼を言うぞデルガイート。」


デルガイートが再び片膝をつく。


「有難き幸せ。」


突然、マーヴァの赤黒いオーラが部屋を覆い尽した。


広間に広がるマーヴァの魔力が男を威圧する。


「残念ながらデルガイートよ、我は復活こそできたが、力はまだまだじゃ。しかも我が夫ラーグァの復活の気配すらない。その証拠に我が夫にはヒビすら入っていない。その為にも、ラーグァの封印を解く鍵と、更に我らを封印した人どもの多くの『血』、そして『負の感情』が必要じゃ。引き続き頼むぞ。」


「御意。」


「人どもよ覚えておれ。支配する者とされる者、改めて立場というのをわからせてやる。」


マーヴァが声を荒げる。

マーヴァを包むオーラの黒さが増す。


デルガイートは苦悶の表情を浮かべ、自分の姿勢を維持するのに必死だ。


突然空気が変わった。


デルガイートが安堵の表情を浮かべる。


「デルガイートよ。今回の褒美に我の『祝福』を与えよう。魔力が上がるだけじゃなく、飛ぶ事も可能になるはずじゃ。ここへの行き来が楽になるじゃろう。」


「誠に有難き幸せ。」


「ところでデルガイートよ。ラーグァの封印を解く鍵の目星はついておるのか?」


「おそらくはオーフェリエ王国にあるかと。ある程度の目星はついております。この計画は第一計画と共に、第二計画として実行中です。申し訳ございません、第二計画は、少しネズミの処分に手間取っておりますが、対策はとっております。順調な第一計画と共に、すぐ順調に進みましょう。」


「頼むぞ。」


「御意。」


「資金は大丈夫なのか?足りなかったら、少しだけだが我が宝物を持たせるぞ。」


「資金としては今のところ、第一計画で十分確保できておりますが、貴族を取り込む為の贈り物として、宝物を頂けるのでしたら有り難く存じます。」


「そうか。人ごとき、この位で十分じゃろう。」


マーヴァの手が光ると、宝石や金の豪華な細工が施された指輪や小刀がいくつか出てきた。


「これは!これでは十分過ぎます。本当に宜しいのですか?」


「なに、この位大したものではないわ。その代わり、オーフェリエの宝物を手に入れた際は、必ず上納するのじゃぞ。」


「感謝致します。ラーグァ様復活の為、必ず良い結果を報告致します。オーフェリエの宝物は、一つ残らず上納させていただきます。では早速、計画の実行の為戻らせていただきます。必ず良い結果の報告と宝物を手土産に戻って参ります。マーヴァ様はゆっくりと力の回復に専念されてください。」


「わかった。良い知らせを待っておるぞ。」


「では失礼致します。」


デルガイートが颯爽と空に消えていった。


「デルガイートめ、すぐに飛行魔法を使いこなすとは、大した者よ。さすが次期魔王候補だけはある。フフッ、ラーグァと暴れるのが楽しみよ。」


マーヴァは深い眠りについた。


「オーフェリエの計画を急がねば。そうですね・・・・・」


上空では、デルガイートが考え込んでいるらしく、目を閉じて飛んでいた。




Respect CAM'RON / PURPULE HAZE

ニューヨーク出身のラッパーキャムロンの2004年発表のアルバムです。発売当時は彼のルーズなラップが嫌いでしたが、今聞くと、自分が歳をとったのかけっこう格好いいです。最新のラッパーともラップの仕方が違うので、最新のラッパーが嫌いな人も聞いてみてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ