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第45話 400対8

このページまで来ていただき、誠にありがとうございます。ようやく更新できました。では、よろしくお願いいたします。

魔法攻撃用楽器の音色は音に深みがなく、未だに少し違和感がある。


けど、今の俺らの状況ではそんな事は言ってられない。

400人もの奴らに命を狙われてるのだ。


周りを警戒しながらのセッションなので、音のまとまりは全然駄目だが普通の人は気がつかないレベルだろう。


(気をつけて、みんな弓矢を構え出したわ。)

(魔道具を取り出した奴もいるよ。ちょっと待って、あれは・・・光を遮断するやつだ。)


意外にもマルゴーとムートンは落ち着いた口調だ。


(当然そう来るわよね。奴らの攻撃は弓矢での攻撃後に生き残ってるやつを仕留る作戦ね。安心して、闇を造る魔道具は強い風に弱いわ。弓矢も同じよ。私とトーランドはなるべく風を上から叩きつけるわよ。恐らく視界が少し悪くなるから気をつけてね。リューガルドとアビゲイルとフレシアは向かって来る矢に対応して。クリスはできる範囲でいいから、地面を揺らせて奴らの狙いを絞りづらくして。マルゴーとムートンは引き続き、奴らの動きをお願い。弓矢の攻撃が終わって、奴らが来たら、それぞれの魔法で攻撃するわよ。なるべく近づけないでね。近づいてきた奴の対応は、私とアビゲイルでするわ。一応確認だけどアビゲイルはこの作戦で大丈夫?)


(フフフ・・・大丈夫。自分のタイミングで出ていいんでしょ?)


冷たく澄んでいるアビゲイルの目が怖い。


(ええ、アビゲイルは自分のタイミングで動いて。みんな、生き抜くわよ。)


((((((((オッケー。))))))))


砂防林に囲まれた広場に、俺達の演奏だけが響いている。


もうそろそろだよな。

嘘みたいに静かだ。


(弓をつがえだしたわ。くるわよ。)


魔法攻撃用のマイクを握る手に力が入る。


林の方から指笛の音がする。


俺は魔力を込めて歌いだす。

狙い通り、上から強風が吹いてくる。


思った以上に風が強い。

オーブリーの予想通り砂が風に舞い、視界が少し悪くなる。


辺りが真っ暗にならない所ををみると、強風で魔道具の効果を消せているのだろう。


風魔法とクリスの土魔法の効果もあって俺達に飛んで来る矢も少ない。

その向かって来る矢も、リューガルドやアビゲイルそしてフレシアの魔法で対処できている。


(クリス、魔法の威力、精度共にあがってるね。上から見たらよくわかるよ。)


(ウッス、マルゴー。)


しばらくすると、矢がピタリと止んだ。


俺達も魔法を止める。


砂塵が舞った視界が開けた。


すると、林の方からから


「いけーっ。」


少し焦った声がした。


四方から武装した集団が俺達に向かって走ってくる。


(オーブリー、指揮官と魔道具使いが特定できたから、こっちで対処するわよ。)


(了解。二人とも気をつけてね。さあ、みんなで生き抜くわよ。)


(((((((おう。)))))))


俺は魔法を強風から風の斬撃へと切り替える。


まず俺はシャウトをした。

連発こそできないが、広範囲の敵にダメージを与える魔法だ。


マイクから刃のような斬撃が横に広がりながら、敵に向かい砂の飛沫をあげて飛んでいく。


狙い通りにかなりの数の敵が減ったが、まだ数多くの敵がこちらに向かって来る。


その敵を一人ずつ狙いながら歌って、マイクから弾丸のような斬撃が繰り出す。


バタバタと敵が倒れていくが、なかなか減ってはくれない。


俺の横では、リューガルドは得意の早弾きで雷撃を放っている。


ギターから繰り出される雷撃はまるで機関銃のようだ。


俺達の中心にいるはずのフレシアは俺達横で、攻撃の隙間を埋めるようにファイアーボールで援護してくれている。


魔法は苦手だといっている割にはなかなかの命中精度だ。


(フレシア、魔法が苦手って言う割にはなかなかやるじゃない。前に出てきてくれて助かったわ。)


(ありがとうオーブリー。私も頑張る。)


一方、クリスのドラムセットから繰り出される魔法攻撃は、機動力こそないが、火力の面では圧巻だ。

地面を揺らす、地面に斬撃を通す、大小様々なストーンバレットを繰り出す、と攻撃のオンパレード。


まるで戦艦のようだ。


そんな攻撃の中を、まるで水を得た魚のようにスイスイと泳ぎ周りながら、ナイフと体術で敵を圧倒しているのがアビゲイルだ。


(クリス、ちっちゃいストーンバレットいっぱいと斬撃を2、3発ちょうだい。)


(おう。当たるなよ。)


(ありがとう。)


それはもう、羨ましいほどの美しいコンビネーション。

けど、笑顔を崩さないアビゲイルが怖い。


(みんなに負けてられないわね。私も出るわ。みんな、私を気にせず攻撃してね。)


そう言うと、オーブリーは細身のレイピアを手に取り、俺とリューガルド側の敵に向かって出ていった。


オーブリーは俺達の攻撃をかいくぐりながら、そよ風のように敵前を通り抜けると、なぜか敵が倒れていく。


どのように倒しているのだろう?


一瞬、レイピアが光った気がするが、レイピアだけで倒しているのではないだろう。


"戦場を優雅に舞う“という表現がぴったりだ。


ドーン ドーン


林の方から大きな2発の音がした。


マルゴーとムートンから念話が入る。


よかった。

向こうの状況が見えなかったから、少し心配したんだよね。


(指揮官は押さえたわ。そっちもあと少しのようね。)


(こっちも倒したよ。やった~、魔道具をいっぱい貰っちゃった。あっ、トーランドに渡し忘れた物があったんだった。そっちに行くね。)


(ムートン、邪魔だから来るな。)


(嫌だ、絶対に行く。実践でのテストなんて滅多にできないもん。)


みんなでムートンを説得したが断固として聞かず、そう言っているうちに俺のもとにやって来てしまった。


不本意だが俺はその場を離脱し、マイクをムートンに渡した。


ムートンが変な棒?みたいなのを取り出し、マイクに着けた。


(何だよこれ?)


(狙い打ち用の照星だよ。トーランドは斬撃のコントロールがいまいちだから、それで改善できると思うよ。)


(もういいな。行くからな。)


戻って、再び斬撃での攻撃を始める。


確かに照星がある方が狙いやすい。

取り付け前と比べて、命中率は明らかに向上している。


ためしに、しっかりと遠距離の敵も狙ってみる。

狙い撃ち成功。


これは良い。

色々な場面に使えそうだ。


(やっぱりあった方がよかったでしょ。)


ムートンが得意げだ。


(それはありがたいけど、こんな場面でいきなり実験するな。後で覚えておけよ。)


(嫌だ。どうせ説教でしょ。)


(そんなところだ。)


敵の数も残り僅かとなり、指揮官や魔道具使いもいない状況になると、逃げる者が出てくる。


オーブリーやマルゴーが対処したが、何名かは逃がしてしまった。


俺達の情報が敵にばれてしまう事になってしまったが、致し方がない。


最後の敵もアビゲイルが難なく倒した。


400対8の戦いに俺達は無傷で勝利したのだ。


「みんな、頑張ったわね。」


オーブリーの声を聞いた瞬間、みんながその場でへたり込んでしまった。


上空にいるはずのマルゴーやムートンまでもが俺達のそばで、ぐったりしている。


「ハイハイ、へたらないの。戦いの終わりはこいつらを縛り上げてからよ。」


俺達は疲れた体に鞭を打って動いた。

意地だった。


結局、縛り上げる作業は戦った時間の倍以上かかってしまった。


「もー動けないっす。」


クリスが力無くへたり込んむ。


「俺も。」


「もー無理。」


みんなへたり込んでしまった。


「みんなお疲れ様。こんな時にはこれでしょ。」


オーブリーがアイテムボックスからエナジードリンクを出して、みんなに配る。


手に取ると以外にもキンキンに冷えている。


飲むと、ちょっと癖のある甘さが、疲れた身体に染み込むのがわかる。


旨い。

こりゃ売れる訳だ。


俺は残りを一気に飲み干した。


体が動くようになった。


「ポーションもあるわよ。飲みたかったら、悪いけど私のところまで来て。」


俺は迷いなくフレシアのもとに向かい、ポーションを受け取り、やはり一気に飲み干した。


他のみんなもフレシアからポーションを受け取って飲んでいる。


やっぱりポーションは違う。

ちょっと疲れたなって位まで体力が回復した。


みんながポーションを飲み干したタイミングでオーブリーが念話で言った。


(みんな、それぞれよくやったわね。普段の訓練の成果が出てたわ。私は急いで軍に報告してくる。みんなはこいつらの監視をお願い。なるべく早く戻るからね。)


そう言うとオーブリーは町に向かって行った。


空には星が輝いていた。


Respect Linkin Park/ハイブリッドセオリー

私が大好きなリンキン・パークのファーストアルバムです。やはりリンキン・パークはファーストとセカンドアルバムが好きです。音はヒップホップメタル。どんなアーティストもファーストアルバムって何か良いですよね。ザ、ミクスチャーロックのど真ん中の音です。

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