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短編

一人上手なハッピーラッキーバレンタイン

作者: 山本大介

 きゃぴ、きゃぴ、うふふ。

 もうすぐ、きゅんきゅん、どきどきむねのバレンタイン。


 今日は恋人たちの聖なる一日っ。

 聖バレンタインデー。

 あたしは、とびっきりの愛情を込めて、あの娘にチョコを送るの。

 まずは、ガー〇チョコを湯煎して、それから手作りのハートの木型に流し込み、冷ますわ。

 ・・・あたしとあいつのハートは冷めないわよ、だって、ラブラブなんだもん。

 でも、ひょっとして、アタシだけがそう思っていたりして、ううん、違う、違うもん。

 だって、あいつのあたしを見る目は女豹そのものだわ・・・って可愛くない~、にゃんこが〇ゃう〇ゅーるを狙っている眼差しに変更っ、こっちの方がぷりぷりでかわユス。

 冷めるのを待つ間、愛の歌でもうたっちゃおっ!

「♪あなたの萌える手で~♪」

 愛の讃歌は古いわね・・・って、燃えが萌えになっているわよって・・・こっちの方が萌える~。

「♪ア、ア、ア、アイライク艶歌~♪」

 って、バイキングじゃないっ!冠っ、とびますっ、とびますっじゃないの・・・って、艶歌ってすると艶っぽいわね~まぁ、漢字が一緒だから、そっか。

「♪・・・シャラララ、素敵にキィッス、呪文をかけるわ♪」

「メガンテっ!」

 って、自爆してどうすんのよ。せっかく明日は特別スペシャルデーっていい気分で歌ってたのに・・・ん、特別とスペシャルって同じ意味じゃない、今気づいたわ。

 ああ、一人上手していたら、もうチョコが冷めたわ。

 ここからトッピングして・・・トッピングは、ドライフルーツ?マシュマロ?ナッツ?それとも・・・ア・タ・シ・・・どぅえっへへっ!なんちって!

 はずかすぅーぃと・・・はずかすぃーと・・・2回も言っちゃった・・・てへっ。

 んじゃ、アンコ増し増しで、ていっっ!

 これで完成っ!

 あとは、ラッピングして、愛の手紙も忘れずに。

 出かける時には忘れずに・・・って、誰が知ってんのよっ!

 それからぁ、チョコに願いをこめて、チョコさん、アタシの願いを届けたもうれ。

 アモーレにって、親父ギャグじゃん。

 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 明日は年に一度の好きな人への告白time。

 胸がどきどき、きゅんきゅんしてきたわ。

 きっと、大丈夫よねっ。

「♪愛してる~愛してる~とても~とても~」

 ああ、頭から錦〇さんが離れないっ!



 パチパチパチパチ・・・。

 パソコンを打つ手が止まった。

 ふう。

 おじさんは溜息をついた。



 これは乙女おじさんの妄想・・・みんなごめんおじさんの妄想だおっ!

 みんなに届け!はっぴーばれんたいん。

 しょうがないよ、おじさんだもの。


 おっさんかーい(笑)!

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― 新着の感想 ―
[一言] おおおお、おっさん! キャピキャピ、キュンキュンな妄想が捗りますよねー。はい。 伏字が多いですね。でも、メ○ンテは伏字にしなくていいんですか?
[一言] 空に太陽が……ですね(笑) チョコレートよりもロールケーキが食べたい……ということでバレンタインはロールケーキを買って食べようと思っています(笑)
[良い点] こんばんは。 わたくしはオネエだと信じて読んでいました。 なのに…。 なのに、ガチのおっさん…! わたくしのオネエはどこへ!? 実はわたし、1月忙しくてバレンタインの事忘れてました。 …
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