悪魔召喚編7話
突然だが古代遺神殿は、階層ごとにわかれている。
魔物の種類、背景などが同じダンジョンなのだが階層ごとにわかれている。
因みに”真話の祠”は、3階層にわかれているのだ…
★ ★ ★
彼らは、歩いている。何故って依頼を達成するため、
何故歩いているのかって、依頼達成のヒントを見つけるためだよ。
もうわかるだろうが、ミツハは、クラウドの
依頼の欠片も終わっていない。
ヒントすら、知らない。
彼は、見つからなすぎてこう思い始める。
(悪魔なんてここにいないのでは、)
ブロンは、ミツハと同じ事を考えていたようだ。
「悪魔は、本当にいるのか?それとこれからどうする。」
「もう日が沈む。夜が明けてからでも遅くない」
「そうだな、暗いと何も見えないし、低ランク魔物だとしても危険だからな」
ブロンは、暗くなりかけている空を見上げ少し考えてから、了承する。
まあ二人には、低ランク魔物なんて雑魚も当然なので負けることは、万が一にもないのだが…
二人は、魔導袋から魔導テントを出す。
この魔導テントとは、魔導具の一つであり、
ポールテントのような見た目だ。
効果は、何処でも家の一室にいるような快適に、過ごせるという物だ。
効果のイメージは、テントを開いたら家の一室が目の前に広がっている感じ、
トイレは、勿論、魔導冷蔵庫、温度調節機能、台所がついている。しかも、トイレは、トイレットペーパーが不足したら、自動で創造し、「トイレットペーパーがないだと!!」なんてこともない優れ物だ。
そのかわり、値段が高く2坪の広さで、白金貨5枚ー日本円で約500万円ーの金額になる。
とてもじゃないが、低ランク冒険者、庶民には、手を出せない金額だ。
だがミツハ達高ランク冒険者や、豪商、貴族たち富裕層には、少し高いぐらいの感覚で、持っている事がステータスと考える人も少なくない。
ミツハの魔導テントは、20坪の広さで値段は…
うん、ご想像にお任せします。
話は、戻り
ミツハは、魔導テントを張るというか、ロック外して軽く投げるだけなのだか。
その瞬間魔導テントが展開する。
ミツハは、魔導テントの中に靴を脱ぎ入る。
中は、上品な雰囲気漂う洋風な部屋が広がっている。
ミツハは、台所に行き、道中斃した魔物達を出してゆく。
豚のような見た目のCランク魔物の″オーク”と鶏の体に蛇のような尾を持つAランクの魔物
″コカトリス″を出す。2体の魔物を足を上に吊し上げ首を切り血抜きをする。
(良いのがあって良かった焼き鳥か、丼にするか、米は…ある。どちらにしよう)
ご飯の事を考え、じゅるっと涎が垂れそうになる。
「ミツハ、ちょっときてくれ」
先程までの元気な声では、ない弱々しい声で
ミツハ、を呼ぶブロン
★ ★ ★
炎がゆらゆら揺れている。心がすっーと安らぐのが感じられる。
肌から炎と暖かく、優しい熱が伝わってくる。
彼女の表情は、触れてしまうと、壊れてしまうのでは、ないのかと考えてしまう程の
儚さと苦悩が混じっているような微笑みだった。
「ミツハ」
突然彼女は、消えそうな声を掛けてくる。
「私は、忌まわしき悪魔の血が混じった穢れた種族…魔族だ。それに親のいない私は、住んでいた村を追い出されたし、
殺されかけた事もある。
自分が戦う力がなかったらどんなことになっていたか、と考え震えたことだって何回もある。
私は、死んだ方がいいのかなって考えたこともある。
一つだけ聞きたい。
あなたは、私のことを“仲間”といってくれたのはなぜ」
彼女は、震える声で尋ねてくる。
俺は、彼女の人生で何があったのかすら、
知らない
でもこれだけは、いえる。
「君が、何をされたのかすら、知らないだけど、君は、何もしていない事は、知っているだから"仲間“だと言った。。
君が、自分を嫌いなら、
そのかわり俺は、その分君の事好きになろう。
君が、過去を憎むのなら、俺が未来を幸せにしよう。
君が、何もしていないのなら…
今のままでいるならば
俺は、君の隣にいよう。君を支え続けよう」
そうハッキリと言った
「…ありがど、ありがとね」
彼女は、泣き出す。
多分だが、このときの彼女に、哀しみという感情は、なかっただろう。