ただ見てただけだった
とりあえずなんか投稿しとこうと思って書いただけなんですよねぇ…
あれはいつの話だっただろうか。
私がまだ幼いころだった気がする。それとも少し大きくなった頃の話だった気もする。
この話がいつの話だったのか、なんてことは別にどうでもいいか。
あの時私は、いや私たちは公園にいた──。
あれはいつかの夏の日。いや、もう夏も終わりでその暑さが少しだけ残る、そんな晩夏の夕方のことだ。
「待ってよー!速いよー!」
あの時の私は、足が遅くて体力もなかった。対照的に君はスポーツができて、よく私を置いて先に行ってしまったのをよく覚えている。
「※※※ちゃん速いよー!」
君の名前は何だっただろうか。それはなぜだか忘れてしまった。
「わかったわかった、もー。ちゃんとついてきてよー」
君はいつものように仕方がなさそうに、でもしっかりと私のことを待ってくれた。
そして、私が追い付いたら、そのショートカットの髪を振り乱して再び走り出すのだ。
どうして走っていたのか。そんなことは忘れてしまった。でも、君と一緒に走るのはいつもドキドキして、私を楽しくさせてくれたのは覚えている。
でも、その時はいつもと違った。
君はどこか焦っていたのかもしれない。
「速く速く!間に合わなくなっちゃうよ!」
きっとどこかを目指していたのだろう。
だから気づかなかった。
君も。私も。
公園を飛び出し、目指すどこかへ。私たちの頭にはそれだけだった。
甲高いブレーキ音と何か重いものがぶつかるような鈍い音。
そして目の前には空を舞う君の身体。
それはどこか非現実じみていて、どこか幻想のようで、まるで君が華麗に空を飛んでいるようだった。
飛び散る赤いものは君と空を彩る光だろうか。
遅れて鳴ったクラクションと、君の身体が落下する音で現実に引き戻される。
血が飛び散っていた。
頬に何か熱いものを感じ、それを拭ってみた。
袖が赤く染まっていた。手が真っ赤だった。
私はそれを見たくなくて、君がいるはずの前を見た。
そして私は、ついにそれを直視した。
赤い、朱い、紅い、あかい、アカイ──。
四肢が曲がり、ひしゃげ。頭は歪み、つぶれ。ところどころ骨が皮膚を突き破り、突き出て。君の下には真っ赤な液体が広がり。
そんな無残な君の姿を直視してしまった。
だが、そんな君を見て、私は。
まるでつぶれたバラの押し花のようだ、なんて思って。
きれいだ、なんて思って。
──ただ見ていることしかできなかったんだ。
今はあの日と同じ、いくらか暑さを残す晩夏の夕方。
あの日と同じあの公園。
公園内には数人の子供たちが走って遊びまわっている。
彼らにとってその行為は何が楽しいのか。ただ目的もなく走り回っているだけなのに。
私も彼らと同じぐらいの頃は確かに楽しかった。理由なんて大したものじゃなかった。だけど楽しかった。
だから彼らは周りのことなど見えてはいまい。
かくれんぼでもしているのか、彼らの中の少女が一人、公園を飛び出し、道路へ飛び出していることにも。そこへ一台のトラックが迫っていることにも。今にもぶつかりそうになっていることにも。
あと一秒もしないうちに、あの日と同じ音が聞こえるだろう。あの日と同じ光景が見られるだろう。
そして私はそれを見て再び思うのだ。
きれいだ、と。
きっと私はあの日、見ていることしかできなかったあの日に壊れてしまったのだろう。
だから私は、ただ見ていることしかできないのだ──。
え?半分意味わからない?大丈夫。私も意味が分からないままに書いた上にそのまま投稿しちゃった☆