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お目覚め
ピピピ、ピピピ。アラームが鳴り出す。覚醒状態の自分を現実に呼び戻した。
「ふわああぁぁー……」
寝ぼけ眼を擦り、すぐに正常の物へと戻す。
僕は東城 夕だ。この街の高校に通う2年。今は親元を離れ、一人暮らしをしている。何の変哲も無い日常であった。
「ガッコーガッコー……暇な毎日だぜ……」
これはいつものセリフ。
正直なところ、この日常は暇すぎた。動画投稿サイトにでも動画うpしてやろうか、冗談だ。
しかし、今日は少し違った印象が残っている。今朝の夢のことだ。
「そういや○○ちゃん(名前は思い出せない……)と離れ離れになるときに貰った指輪、何処いったっけー……」
ガサゴソガサゴソ。机の下をあさってみる。
おっ、昔大切にしていた物だけを集めた箱が出てきた。
少し開けるかどうか逡巡した後、ようやく開ける事を決心する。
「よーし、あの頃を思い出しながら開けてみるか。何だっけか、あの呪文みたいなやつ。あっ、あれだ! ひらけーごま!」
まあ自分で開けてみる。
「んっっ⁉︎」
開けてビックリしてしまうほど大量の……。