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プロローグのようなもの
初投稿なもので至らない点は多々有りますでしょうが、ご愛読願います!(14歳男子)
「ここに綺麗な宝石が入ってるでしょ?」
彼女は言う。僕はこく、と頷いた。
彼女の手には、中央に宝石があしらわれた綺麗な指輪だった。
「この宝石はいつか、あなたの事を助けてくれるはずだわ。大切に持っておいてね」
笑顔でそういう彼女。しかし、その笑顔は偽りのものであると、そう直感した。彼女はこんな顔をする人ではなかったはずだ。
「今日で……お別れだね」
少し悲しそうな顔をする。
「はい、これ……。ん、それじゃあ」
ほぼ無理やりに僕の手の平へと指輪を押し込む。踵を返し、そのまま走り去っていった。
(あれ……、これは? ぼくの、夢?)
記憶の奥深くに眠っていたもの、まるで箱の中に閉じ込められていたかのように、今の今まで忘れ去られていた。
指輪、今も大切に持っている。おや?
そろそろお目覚めの時間が……。