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終わった世界へ異世界転生  作者: クラクラ
異世界
2/19

魔の民

 光の粒子となり弾け飛ぶその瞬間誰が問う。


 ━━転生するなら何がいい? かと。


 選択は六つだ。天上の民、森の民、大地の民、海の民、闇の民、魔の民。


 ヘルアンドヘブンにおいて初めの選択肢。ただ違う点がひとつある。本来その選択肢に魔の民という言葉はない。


 彩月春採さいつきはるとは悩む。

 ━━まさかの幻の選択肢っ! どうしようか。俺的には天上の民の方が色々と楽なんだけど、まさかの魔の民って。


 春採はふと疑問に思う。この世界はゲームのようにスキルポイントを得られレベルという概念が存在しているのか。


 ━━いや、もしなかったらその世界はヘルアンドヘブンとは言えないだろう。杞憂だよな。


 不安になりながらも目の前にある未だ見ぬ世界に興味心を押さえきれずにいる。


魔の民━━ヘルアンドヘブンの世界にて、大昔にその存在が消滅したという設定のみでゲーム内ではただの伝説だった。


 ━━まぁ、知ってる世界より知らない世界の方がワクワクするよな。


 春採は意を決して高らかと心の声で宣言する。


 ━━魔の民でっ。


  選択をするまで時間をかけた気がする春採だが、それは世界にとってほんの一瞬の出来事である。


 春採は眠るように意識が遠くなる。


***


 唐突な目覚めとはこんなことを言うのだろうなと思いながらも今自分に置かれている状況を整理する。


 気がついたら周囲に人気はなく、薄暗い。ステンドグラスから刺さる光は紫色であり、見渡せばそこは教会のような場所だ。


「どこだここ。こんな場所あったかな」


 見渡す限りもう使われていないことがわかる。砕けた椅子やガラスの破片が乱雑に散らばり廃墟としか思えない。


「最果ての教会跡地に似てるな。でも画面からの情報だからな。似た別の場所か」


 周囲を見渡す春採はあることに気づく。

 視界の左上に青いゲージみたいなものが輝いていたのだ。その下にはメニューという白いアイコンらしきものもある。


「ここまで再現しちゃうか。丸っきりゲームの中だな」


 春採はメニューと書かれたアイコンに手をかざしてみた。すると、視界にメニュー画面が広がる。


メニュー

ステータス


「何でメニュー開いたらステータスしかないんだよ。メニューに入れる必要ないだろう」


 呆れながらもステータスに触れると新しく視界に情報が出る。


名前:彩月 春採

故郷:魔の民  種族:ルーン  level:1

体力0/0

精神力100/100

物理攻撃力0  物理防御力0

魔法力10000

素早さ20


スキル:

「高等精霊体level Max」


next15


「まさかの体力0の魔法特化、初期レベルにして魔法力10000か」


 春採は考え込む。

 ━━高等精霊体かどんなスキルだったかな、てか、あったかそんなの?


 スキルを見るためにはメニュー画面にあるスキルを選ばないといけないが確認できるのはステータスのみ。

「まぁ、体力がないってことは肉体を持たない精神体。精神力さえ切らさなければ死なないか。とはいえ、使えるスキルか魔法がないと何もできないぞ」


 今モンスターと遭遇すれば物理攻撃力がない春採は何もできない。精神体である以上精神影響を与える攻撃以外はダメージにならないが、もし使われてしまえば反撃もできず殺られるだけだ。


「いきなり大ピンチ」


 春採はため息をする。

 ━━手も足も頭も口も胴体だってあるのに精神体か。まさかゴーストって落ちか。


「考えてもしゃぁないか」


 春採は歩き出す。不思議と体に重さはなく。浮遊している感覚に近かった。


 教会の扉に手を伸ばす。

 ━━精神体である以上、すり抜けるよな?


 春採の疑問を裏切るかのように扉にて手はつく。物理的に扉を開き外へと出た。


 紫色の雲に覆われ空は見えず、周囲には何もない。教会跡地を取り囲むように崖があり、似たような岩の柱とかした足場が多数確認できる。


「やっぱり最果ての教会だったか」


 ヘルアンドヘブンにおいて魔界の隅にある強敵エリア━━最果ての教会跡地はlevel1では勝てはしないモンスターがごろごろいる。ハイプレイヤーくらいしか近づかない場所だ。


「いきなりバッドエンドの未来しか見えねぇよ。そう言えば最後の狩り場もここだったな。ファイルナにあえればいいけど無理だよなさすがに」


 ファイルナは彼がヘルアンドヘブンにおいて使っていた天上の民の女の子のアバターである。


「これからどうしよう。アルデンテのとこでも行けばいいの?」

 魔界には魔王族しか住んでいなく、それ以外の種族はいない。ヘルアンドヘブンにおいて敵対勢力。到底助けてくれるとは思えないが、魔界において安全なところは町なのだ。


 春採は一人で呟きながら教会へと戻っていく。周囲は崖に囲まれているが、教会の地下ダンジョンには転移結晶という移動ポイントがある。そこまで行けば魔界都市といっと魔王族の町まで移動できる。


「しかしまぁ、魔界都市の禁書庫から来れる場所だもんな。魔の民と関係があるってことだからあんな場所から行けたってわけか」


 教会の教壇の後ろに隠し階段があり、そこからヘルアンドヘブン最大級のダンジョンが広がっている。


「無理だよな」


 春採はゲームの中にいる感覚で最果ての教会跡地地下ダンジョンへと続く階段を降りる。

 

***


 赤い鎧の騎士が剣を振り回し襲いかかる。

 ━━いきなり、レッドナイゴーストかよっ!


 最果ての教会跡地地下ダンジョンにおいて、ごろごろ徘徊しているモンスターの中でも物理攻撃と精神攻撃どちらもできるモンスターだ。


「ちょっ、話し合えば分かるって━━」


 もちろんlevel1では何もできずにデッドエンドだ。


 ━━紅の刃は春採の頭に切りかかる。


 死を覚悟したその時、赤い鎧の騎士は動きを止める。力を失い崩れるように下に落ち、バラバラになる。


「へっ、なんで?」


 ━━『高等精霊体levelMax』発動により、精神生命体は無条件で経験値に変換します。


「はっ?」


 ━━レッドナイゴーストを吸収したことにより経験値15000獲得。


 ━━彩月春採はlevel1からlevel28へと上がった。スキルポイント+8100


 ━━体力+0、精神力+300、物理攻撃力+0、物理防御力+0、魔法力+27000、素早さ+280


 ━━メニューに『スキル』追加


「ステータスの上がりかたおかしいだろう。魔法力合計37000になってるぞ、ゲームでも最高値99999だってのに」


 呆れた声を出しながらも春採はメニューを開き、新しく追加された『スキル』を開く。


「えっと、『ルーン魔術』と『ルーン探索』『ルーンボディ』」


 ━━ルーンばっかだな。


『ルーン魔術』

100 魔法力+1000

200 ルーンブレイク

300 精神力+3000

400 ルーンバック

500 ルーンリヴァイバ

600 魔法力+2000

700 精神力+3000

800 「精神耐性弱」

900 魔法力+3000

1000 『ルーン魔術の心得』


『ルーン探索』

100 ルーンエコー

200 サイレントルーン

300 素早さ+200

400 素早さ+400

500 素早さ+600

600 素早さ+800

700 素早さ+1000

800 「生命」

900 体力+10

1000 『ルーン生命』


『ルーンボディ』

100 精神力+1000

200 精神力+2000

300 精神力+3000

400 精神力+4000

500 精神力+5000

600 精神力+6000

700 精神力+7000

800 精神力+8000

900 「精神強化」

1000 「精神の解放」


「あからさまなチート仕様だな。一気にクソゲになるって」


 スキルの習得は左の数字スキルポイントを払えば習得となる。上から習得をしないといけないのでいきなり1000のスキルの習得は不可能である。


「とりあえずルーン魔術に全振りして、あとはエコーとサイレント取ったらルーンボディだな」


 内容がくそ仕様だろうが、スキルを振り分けるときは何気に楽しいものである。



名前:彩月 春採

故郷:魔の民  種族:ルーン  level:28

体力0/0

精神力27400/27400

物理攻撃力0  物理防御力0

魔法力43000

素早さ300


スキルポイント:200

スキル:

「高等精霊体level Max」『ルーン魔術』『ルーン探索』

『ルーンボディ』「精神耐性弱」『ルーン魔術の心得』

next500000


「とりあえずこれで技が五つ増えたわけだ。効力が分からんけども、それより習得した技はどうやって見るんだよ」


 ゲームと少しばかり仕様が違うせいか戸惑いながらもどうにか習得した技を見ることができた。スキル一覧の技スキル名に触れると見える仕様だ。


「なになに、ルーンブレイクは対象一体に消費した精神力×50のダメージを与える呪文で、バックが回復、リヴァイバが蘇生ね。エコーがマッピングで、サイレントはまぁそのままの意味でと」


 深くため息をする。


「これだけあったら何でもできるよな」


 春採はほんの少し残念に感じながらも足を進める。


 ━━チートなんてオンゲーマーにしたらただの恥じだよ。



 


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