表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

◆暇つぶしの都市、名古屋

東京を出発し、東名高速に乗りました。

 誰が提案したのかは、わからない。だが、名古屋で、ひつまぶしを食べようということになった。ひつまぶしは有名で、私でさえ知っている料理である。桃鉄*3であれば、ひつまぶし屋は臨時収入をもたらす、優良物件である。誰も文句は言わなかった。本物の、ひつまぶしとやらを、確かめてやろうじゃないか。


 名古屋まで、移動するのにドライバーが二順した。そして、TOSHIが名古屋市の市街地のドライバーを担当した。今回、トヨタで車を借りてよかったと思っている。日本を代表する自動車メーカーのトヨタを擁する豊田市が近くにあるだけあり、周囲にはトヨタ車しかいなかったのである。タクシーもトヨタ車、信号待ちをしている車もトヨタ車、対向車もトヨタ車である。


 もし、ホンダの自動車に乗っていたら、事故を起こした際に、ホンダ車に乗っていることによって過失が認定されないか、不安でしょうがなかったことだろう。ホンダ車に乗っている時点で、すでに問題ありとされ、追突されても当然と判断されるのではないか、という不安である。


 名古屋市内は非常に入り組んでおり、運転しにくそうだった。みな、空腹で殺気立っており、駐車場を見つけるのに四苦八苦した。名鉄百貨店の駐車場は結局見つからず、ちかくの有料駐車場に駐車した。ここに、ひつまぶし(2200円)が存在するのだという。我々は本物であることを好む。我々は偽物で満足するような者達ではない。2200円のひつまぶしが、本物のひつまぶしであるか、確かめなければなるまい。


 私はここで、悲しい事実を述べようと思う。名古屋駅構内は、どこもシャッター街とも形容すべき状態であった。これも、不景気ということなのであろうか。世知辛い世の中を、駅構内を吹き抜ける肌寒い風と共に感じつつ、ひつまぶしの名店へ足を運ぶ。


 我々はひつまぶしを食べた。薬味をいれて、だし汁をかけて食べた。私は、生まれて初めて、薬味の存在意義について知ることができた。薬味は、食事の味を拡張させるものである。

我々の食べたこれが、ひつまぶしである。ひつまぶしを知っていると思っていた、うぬぼれ者は、今すぐ恥じねばならない。


 腹を十二分に満たしたところで、名古屋を離れ、京都へ移動する。京都へ行く理由は、誰かが京都へ行きたい、と言ったからなのだと思う。京都まで行けば香川まで、だいぶ接近したような気もする。もしかしたら我々は香川県へ行けるのかもしれない。


 次は、私がドライバー。狭いビル型立体駐車場の、極めて狭い、直角カーブが続く駐車場を、戦々恐々しながら下っていく。そして、寄り道せずに高速道路へ向かう。


カーナビとは便利な機械である。現在のカーナビは、音声を用いて指示をしてくれる。カーナビがない時代は、地図を片手に、助手席に座る者が指示を出していたのだろうか。地理に疎い私にとっては、とても困難な仕事である。


 カーナビがありながら、高速へ入る道と、ただの裏路地を間違えたのは、私がこっそり胸に秘めた秘密である。

*3 桃太郎電鉄の略である。HUDSONが開発するボードゲームの一種。以下、公式サイトの引用。「桃鉄とはプレイヤー自身が【電鉄会社】の社長さんとなり、日本全国を回って、物件を買い集め、最初に決まった年数が終わった時に一番資産を持っている社長さんが勝ち!というゲームです。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ