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追跡その2

 いつもと同じだ。

 レクサスは、目の前の信号が赤に変わる寸前に十字路を左に折れた。

 間に入っている目の前の車は赤で止まる。

 ここで同じように止まったらいつものパターンだ。

 すぐ巻かれてしまう。

 俺はバックミラーで右後方を確認した。

 右折する車はいない。

 信号は右折の矢印を示している。

 すぐさま、俺は右折斜線に入った。

 こういう時にこそマニュアルシフトがモノを言う。

 ギアをセカンドに落としハンドルを右に切る。

 動きは機敏だ。

 GTRの足回りはさすが。

 右折斜線から交差点に入る寸前に急ブレーキを掛けハンドルを左に回す。

 もちろん、この時、GTRは軋み音を鳴らしているが、その音も心地いい。

 この瞬間、俺とGTRは一体になったと感じる。

 フロントガラスの遙か向うにレクサスは小さな影になっていた。

 「あの車、どんだけスピード出したんだ」ジャックは呟いた。

 ジャックの言うとおりだ。時速二百キロ近く出さないとあそこまで距離を伸ばせない。

 俺もアクセルを吹かした。

 レクサスは三つ向うの交差点で右に折れようとしていた。

 右に折れた道路は一方通行だ。

 そこから一キロ先に行けば南北に走る片道四車線の幅百メートル道路に突き当たる。

 一方通行の道路は問屋街沿いの狭くて蛇のように折れ曲がった道だ。

 スピードはそれほど出せないはずだ。

 俺の頭の中に、この街の道路網が瞬時に現れ、レクサスの車の走りを俯瞰できた。

このままレクサスを追えば、俺は信号で足止めされる。


 俺は直感ですぐさま一つ目の信号を右に折れた。

 その道は片道二車線の直線道路。

 二キロ先にはレクサスと同様片道四車線幅百メートル道路に突き当たる。

 その間、二つ信号が存在するが車の往来は少なく、運良くいけばレクサスよりも早く四車線幅百メートルの道路に入れるだろう。

 幸い今日は日曜日。

 人影も少ない。

 俺は、猛スピードでその道を突っ走った。

 途中、目の前に二台の改造車が道をふさぐようにトロトロと走っていた。


 ジャックの出番だ。

 ジャックは左手にコルト45を持ちその手にタオルを巻いて悟られないようにした。

 ジャックは改造車の後輪のタイヤを打ち抜いた。狙いはさすが、おまけにジャックは後部トランクの錠も打ち抜いた。

 タイヤを撃ち抜かれた改造車は、蛇行し、トランクは勢い良く跳ね上がり開放状態になった。


 タイヤの空気を抜かれた改造車は車高を一段と低くし、車体がアスファルトを削り失速状態になった。

 俺は易々とその車を追い抜き、交差点へ向かった。

 運良く信号は青のぞろ目。

 そのまま突っ切った。

 メーターの針は百五十を振り切った。

 四車線道路に出て、俺は直ぐ左に折れた。


 目の前の幅広の道路上にレクサスの影はない。


 前方に交差点がある。

 一方通行から出たレクサスはあの交差点で左に折れるはずだ。

 その交差点はT字状になっていてレクサスは直進できない。

 左右に曲がるしかない。が、右に曲がるのはナンセンスだ。

 きっと左に曲がるだろう。


 まだ、レクサスは交差点に入ってないのだろう。

 俺はスピードを落とし、信号の手前の道路脇に車を止めた。

 レクサスが交差点に入るのを待った。



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