表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/30

閑話   王女 反撃 (王女 リーシェ視点)

王女リーシェ側視点。





貴族の避暑地の貴族屋敷群から飛び立った伝書鳥は

王城の王の謁見広場へ飛んできた。


椅子の隣にある止まり木に留まり、毛づくろいを始める。

その鳥の足の筒から紙を取り出したのは、王女。


「そう。あの子爵は捕まったの」

ロッサが伝えた手紙の内容で、奥方を見ては?と助言したのは自分。

実際、まさか行動に起こすとは思わなかったが

女で身を滅ぼしたようだ。

捕獲されたのでは、全く使えないというか。


「バカだわ」


ユーシィお兄様が辺境の警備へ移られて直ぐに、

子爵がいろいろ話を吹っ掛けてきた時は、何こいつと思ったわ。

だけど、クルスお兄様もウェンお兄様も皆

私を遠ざける為にいろいろ画策していたことを知らせてくれたお蔭で

半年前の儀式にも間に合ったし

こちらの思うような展開まで持って行けたことは確かだけど。


どこか抜けていると思っていたら、女で全てダメにするタイプね。

自分の父親のコネと口先だけでは、やはり無理があったということ。

女性関係が派手で危険だと聞いていたけど。

いろいろ企んでいたわりには、詰めが甘い。


リーシェの脳裏には、詰所で洗濯をしていたマキトの姿を思い出す。


「美人だった。胸は・・」

ユーシィお兄様は、あの大きな胸が良かったのかしら。

マキトの胸の大きさを思い出し、つい自分の胸へ視線を落とし落胆する。


「どうして、私ではダメなんだろう。こんなにお慕いしているのに」





「王女?」

いつの間にか部屋へ戻ってきた魔術師の言葉で、我に返る。

「え、ああ。子爵の私兵の中に裏切りがあったようね。

ラシャ王子もユーシィお兄様も将軍も健在。

この分だと、ユーシィお兄様を反逆罪として

迎え撃つことになりそうね」


魔術師は、子爵の失態で計画が半分無駄になったことに肩を落とした。

「もともと子爵は口先だけでしたから、あまりアテにはしていませんでしたが

こうもあっさりとやられてしまっては、使えない男ですね」

「他の将軍を3人呼んで。迎え撃つ準備をします」

「分かりました」

魔術師が頭を下げ、その場を去ると王女は王の椅子に座りなおした。





「よろしいのですか?本当にラゼス公爵を敵に回しても?」

天井からふわりと降りてきたのは、天使。

「私に話を持ちかけたのは貴女よ。もちろん協力してくれるでしょ」

「ええ。でも、私はこの世界では強い力を使うことは出来ないと言っているでしょ。

力を使えば、マキトを保護した天使達に知れてしまう。

元々彼ら天使達の管轄の世界なんだから」


可愛らしい天使は、きゅっと口を結ぶ。

王女は、可愛らしい容姿には騙されない。

「私を上手く利用して逃げないでよ」

王女がキッと睨むと、天使は微笑んだ。

「ふふ。大丈夫よ。この世界を破滅させることはしないわ。

貴女が望むように、ラゼス公爵を貴女の夫にして、マキトの魂は貰って行く」

それだけのことだと天使は言う。

「それならいいわ。私は貴女を信用して話に乗ったのだから」

ユーシィ・ラゼスを自分の夫にする為に、国をも動かし

家族すらも手中に収めた。


「後戻りは出来ないわ」

「私も同じ」

女2人は、自分達の利益一致で共同作戦を実施していた。


「この世の中に、貴女に出会って、天使が存在していること自体、驚いたもの」

「ふふ」




その後、呼ばれたエリクシアルの4将軍の内、3将軍は、青の将軍と王弟ユーシィ・ラゼスが

反逆者であると話し、直に王城へ攻めてくるということで

王城は迎え撃つとした。

「まさか青の将軍が、そのようなことを」

「ああ、俺は信じられん。あの温厚な方が」

「王女、他の王族の方々は?王は体調はどのように。私は王の言葉を直に聞きたい」

まだ信じられない将軍達は、王女へ何度も問いかけた。


「王は体調が悪くまだ政務に戻れぬ。兄上も姉上も今離宮で休養されている」


「お供も付けず?」

「大丈夫。それよりも兄上達が戻ってきても安心して出迎えることが出来るよう

城を守るのがそなたらの仕事ではないですか?」

王女の説得は順調良く、天使が天井から姿を消し、隣国の花の成分を飛ばしていた。

ふわりと香る匂いに惑わされ、将軍達は王女の言葉に従った。

隣国の王の庭から花を盗んだのは、もちろん天使。

ロッサや他の者達には、信頼のおける騎士をスパイにという話しが伝えられていたが

実際は、他国の者が王の庭に忍びこむのはとても難しい。

だが、天使ならば空から可能だ。


将軍達が退室し、王女はひとり、王の謁見の間に残された。

王の椅子は、王女には座り心地は良くない。

(ただ煌びやかな大きな椅子で、固くて、お尻が痛いわ。もっと、綿を詰め込むべきね)

そんなことを考えつつ、自分の前に憚る壁の排除について考える。


「予定外の隣国のラシャ王子をなんとかしないと」

マキトのみを王城まで運ばせる役目が出来ない王子は、要らない。

本来魔獣を使って、亡き者にしているはずだった。

もちろん侍女として連れてきているはずのマキトも。


ユーシィを一緒に連れて来てしまい、

子爵の計画に乗って、軍隊を1つ動かしたものの

負傷でも負っているかと思えば

全員無事で。

流石、小国とはいえ、バーシャランの騎馬隊は噂通り強い。

「ふふ。では、帰国させれば?もう用はないのでしょう?」

「どうやって?」

「バーシャランに魔獣を放り込み、それをラシャ王子に救援を求めるよう

するのよ」

天使なのに、まるで悪魔だ。

「貴女、本当に天使?」

「姿見て分からない?」

見た目は確かに天使。


「出来るの?」

「ええ。でも、邪魔な隣国の王子を帰還させてから、

いっそ貴女の想い人をここへ連れてきた方が早くない?」

天使はふよふよ浮かびながら、リーシェに提案する。

「ラゼス夫人がいるわよ」

(あの胸のでかい)

「そうね。あの子がいるから、厄介ね。それに考えたら、私が力を使えるところは

少ないわ。また魔術師達に力を借りましょう」


この時は、リーシェも天使もマキトがこの世界を管理する天使から女神の力を

授かっているとは知らなかった。




2時間後、3将軍の軍隊総勢5千は、王城の警備、王都周辺に配備された。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ