あとがき
ここまで読んでくれて、ほんとうにありがとう。
この物語は、「悪い義母」「だめな夫」を断罪する話ではありません。
もっと静かで、もっと根深い――
“役割を背負わされることに慣れすぎた人間が、自分を失っていく怖さ”を書きたくて始まりました。
嫁という役。
妻という役。
母の代わりという役。
それらは全部、「善意」と「当たり前」の顔をして近づいてきます。
だからこそ、気づいたときには逃げられなくなっている。
ヒロインは強い人ではありません。
賢くも、器用でもない。
ただ、「おかしい」と感じる感覚を、最後まで手放さなかっただけです。
夫も、義母も、怪物ではありません。
彼らもまた、「そう生きるしかなかった人たち」です。
だからこそ、この物語には派手な復讐も、痛快な断罪もありません。
あるのは、
・気づくこと
・離れること
・背負わないこと
それだけ。
誰かを救わなくてもいい。
誰かの人生を完成させなくてもいい。
自分の人生を取り戻すだけで、もう十分なんだと。
「母のいない家で」というタイトルは、
実は“義母がいない家”の意味だけではありません。
「誰かの母にならなくていい場所」
その象徴です。
もしこの物語を読んで、
胸がざわついたり、苦しくなったり、
あるいは少しだけ楽になったなら――
それは、あなたの感覚がちゃんと生きている証拠です。
どうかそれを、なかったことにしないでください。
ここまで付き合ってくれて、本当にありがとう♡♡
また、どろどろでも、静かでも、
一緒に物語を紡ごうね。




