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嫁いびりはナンセンス  作者: 櫻木サヱ
嫉妬・執着の自覚と自分の感情のコントロール
15/19

覚醒☆

朝日が窓から差し込む。

布団の中で目を覚ますと、胸の奥の黒い沼が、昨日よりも少し落ち着いていることに気づく。


「…私、何してたんだろう」

小さくつぶやく。

長男教マザコンの夫への独占欲、義母・義姉との心理戦、全てに全力で巻き込まれていた自分――

その混乱とドロ沼が、少しずつ頭の中で整理され始める。


手に触れる夫の腕。

それは私の神だけど、私だけの所有物じゃない。

独占するだけではなく、信頼し、寄り添うことも大切だと、体が教えてくれる。


「嫉妬…だけじゃダメだ」

心の奥で小さな声が囁く。

ずっと埋もれていた“私自身の感情”が、ゆっくりと目覚める瞬間。


布団から起き上がり、鏡を見る。

瞳はまだ甘く、ねっとりした余韻を残すけれど、そこには昨日までの悪魔的嫉妬とは違う、自覚と覚悟が宿っている。


「私…私の神様を守るだけじゃなく、自分の感情もちゃんと持たなきゃ」

小さく笑う唇。

胸の奥の泥もまだねっとり絡んでいるけれど、それを制御できる力を自分で握る――

そんな感覚が、体全体に広がる。


夫が寝起きのまま部屋に入ってくる。

「おはよう…」

その声に、私は微笑んで応える。

「おはよう…今日も、あなたのそばにいるよ」

以前のようにただ縋るのではなく、心の芯で自分の感情を握ったまま。


胸の奥で、ずぶずぶだった沼は、まだねっとり残っているけれど…

少しずつ、自分の中で整理され、コントロール可能になってきた。

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