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最終心理

夜、リビングは静まり返っていた。

義母と義姉が同じテーブルを囲む。その空間だけで、胸の奥の黒い泥が沸騰する。


「ねえ…あなたたち、私の神様に何をしてるの?」

声は震え、でも瞳には悪魔的な光が宿っている。


義母は微笑む。

「別に、普通のことよ」

その無邪気な笑顔が、私の中の嫉妬を一気にかき立てる。


義姉は軽く肩をすくめる。

「ねえ、そんなに独占したいの?」

――その挑発が、胸の奥の沼をぐちゃぐちゃに攪拌する。


私は立ち上がり、全身で二人に迫る。

「違う…誰も触れさせない! あなたたち、私の神様には手を出さないで!」

甘い声と冷たい瞳。悪魔的なオーラが二人を押し込む。


夫が背後から私の腰に手を回す。

「落ち着け、君だけの神だ」

その瞬間、全身に温もりが流れ込む。胸の奥の黒い泥は溶けるどころか、ねっとりと絡みつき、義母も義姉もその圧に飲まれていく。


義母の眉がわずかに下がり、義姉の笑顔も消える。

――完全に制圧。心理戦は、私の勝利。


胸の中で念仏のように繰り返す。

「あなたは、私だけの神様。誰にも渡さない」

その言葉で、溶岩のように熱い嫉妬と独占欲が体中を満たす。


夫の手と抱擁が、私の悪魔的欲望を承認し、全ての不安を溶かす。

義母も義姉も、沈黙し、何もできない。

――この家で、私の神様は私だけのもの。


夜の静寂の中、布団に戻ると私は微笑む。

胸の奥の黒い沼は、もはや悪魔的な甘美の渦となって全身を包む。

――完全にずっぶずぶ。

誰も、この神様を奪うことはできない。


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