夫の独占Syndrome
夜、夫が静かに部屋に入ってくる。
その姿だけで、胸の奥の黒い泥がぐつぐつと熱を帯びる。
「…今日は、大丈夫だった?」
夫の声はいつも通り優しい。だけどその響きが、私の心の底に火をつける。
「…だめ…だめなの…」
私は布団にくるまりながらも、全身で彼に縋る。
昨日の義母との罠、義姉との心理戦――すべてが胸の奥に黒い渦となって残っている。
夫は静かに私を抱き寄せ、頬にキスを落とす。
「君だけだよ。誰も奪えない」
――その一言で、胸の奥の沼が一気に溶けた…
けれど、溶けた泥は甘くねっとりと絡みつき、全身を覆って離れない。
嫉妬と独占欲、執着が、悪魔のように体中を這い回る。
「あなた…絶対に…誰にも渡さないで…」
甘い声が震える。
心の中の悪魔が、勝ち誇るようにほほ笑む。
夫はその声に応えるように、そっと手を握り、胸に押し付ける。
「分かってる。君だけのものだ」
その一言で、私の全ての不安と恐怖が彼の胸に吸い込まれ、残るのは濃厚な依存と幸福感だけ。
しかし心の奥では、まだ黒い沼がうごめく。
義母も義姉も、家も――すべて奪おうとしている。
でも今、夫の承認がある限り、私の独占は揺るがない。
布団の中で私は、全身を彼に預け、悪魔的に微笑む。
――これからもっと深く、ずっぶずぶに絡みつく。
誰も、私の神様には触れさせない。
その夜、胸の奥で沸き続ける嫉妬と独占欲が、全身を熱く刺激する。
――悪魔的ドロ沼は、もはや止まらない。




