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みんなの話を聞くっきゃない......

 私は、夕食の後に呼ばれたお姉様の部屋に向かった。正直、かなり行きたくない。若くて歩きやすいはずの体に、足枷がはめられていると感じるほどに足が重い。


「あっ!来た来たレイスぅ!嬉しいよ!お姉ちゃんと久しぶりにお話ししよ?人払いは済ませてるからさ⭐︎」


 バチコーン⭐︎という効果音が鳴らないのが不思議なくらいのウィンクだ...うーん、お姉様は多分私の心が読めるから私がレイスじゃないってことがバレてるはず...何を言われるんだ...?


「そんなに身構えなくてもいいよ〜。多分、レイスがレイスじゃないってことがあたしにバレてて怖いんでしょ?ふふっ」


「うっ...は、はい...それで、用件は、なんでしょうか...?」


「えぇ、なんかレイスつ〜め〜た〜い〜。お姉ちゃんと2人きりで話す時は、友達みたいにって、言ったでしょ〜?まあ良いケド。お姉ちゃんちょっと寂しいなー。」


 なんだ...?お姉様は何がしたいんだ...?多分今考えていることもお姉様には筒抜けのはず...お姉様は一体...


「えっとね、レイスも困ってるだろうから単刀直入に言うと、お姉ちゃんもお姉ちゃんじゃないんだ。レイスは、今はレイスと凛って人なんだよね?あたしもネクロだけじゃなくて、ネクロともう1人いるんだ。」


 え.........?つまり、私みたいに転生したのは、レイス以外にお姉様にも転生していたってこと?でもお姉様にはあんまり変わったところは無いような...


「そう、そこなんだよ。多分キミはレイスより凛って人の方の人格が濃いんだと思うんだけど、あたしはネクロの方が濃いみたいなんだよね?多分キミが感じている違和感はこれだと思う。」


「まあこの辺はどうでも良いんだけど。あたしが転生する前の話、聞きたいよね?」


「も、もちろんです!」


 正直、転生する前の話にも興味はあるけど、どうして2人、しかも同じ家族に転生したのか...そっちの方が気になるんだよね...もしかしてうちに他にも転生した人がいるかもしれない...?


「あたしは、転生する前の記憶は曖昧だけど、確か美容師をやってて、志麻葵(しまあおい)って名前だったんだけど...まあこんなことはどうでも良いんだけどね。あははー」


「あたしは一本のゲームにどハマりしてたんだよ。名前は...よく思い出せないんだけど。そのゲームは学園ものの恋愛ゲームと戦闘ゲームが混ざったみたいなゲームで、まあ、いわゆる恋愛RPG?ってやつ。」


 この展開は...もしかして私達の立場、使う魔法的には悪役令嬢転生...ってやつ!?やっぱこういうのはゲーム知識ないとできんて...


「あははー、ご名答だよ!レイスくん。ゲーム知識あるあたしと無いキミが転生した理由は分かんないケド...それでね、あたし達はゲーム内で悪役令嬢として主人公の恋路を邪魔して、最終的にはラスボスとして光の勇者主人公に断罪されるわけなんだけど、実は悪役令嬢は2人じゃないんだ。」


 えっ!?この状況的に転生している人はこの世界の悪役令嬢に転生しているからつまり_____


「そう!残りの悪役令嬢達も転生者の可能性がとっても高いってコト!そして残りの悪役令嬢はヴァンとパイアなんだけど...この2人にも口調とかには特に違和感は無かったけど転生しているはず!」


「ごめんね?説明が長くなっちゃったけどこっからが本題。あの双子の心を読んだら、どうやら転生者みたいだったんだけど、一緒に双子に話しかけに行こうってコト!」


 まじか...でもお姉様と双子が転生者ってことは知れて良かったかも。3人とも心が読めるからバレたらめんどくさかったしね。でも、こっからどうしよ...


「あの...断罪って死ぬんですか...?」


「もう!2人っきりの時はお姉ちゃんって呼んでよ〜。でも、うーん、そうだね...ゲームの断罪イベントは主人公が選ぶキャラにもよるけどほとんどが主人公の魔法で倒されるって感じ。良くても地下牢に永久封印で...できれば避けたいかな...」


 やっぱりか...じゃあ私達は協力して主人公に断罪されないようにしなくちゃ!もう死にたくないし、せっかくこんなに強い魔力があるのよ!何か壮大なことを成し遂げなきゃ死にきれないわ!


「おっ、良い威勢だね〜。学園の入学はみんな来年。ゲーム性的に入学に年齢は関係無くて、双子が入学できる時期に合わせて入学するみたい。」


「入学は来年!そして主人公が入学してくるのはその来年!だから今年に力を溜めて、来年で他の攻略対象から断罪されないように立ち回るよ!」


「はい!主人公なんかに断罪されてたまるもんですか!」


「よし!それじゃ、双子に会いに行こっか!」



「ねえヴァン、パイア、この後、少し付き合って欲しいのだけれど、時間は空いているかしら?」


「お姉ちゃんからもお願いだよ〜、ちょっと大事なことを伝えないといけないんだよね〜。というかもう、気付いてるんじゃない?」


「え、えっと、大事なことって何かしらねパイア?も、もちろん予定は空いていましてよ!」


「え、ええ、大事なことってなんでしょうねヴァン?予定は空いてましてよ!」


 普段の双子ならもっと肝が座ってるはずなんだけど...やっぱり動揺してる。双子も気付いたのかな?やっぱり双子であって双子じゃないね。


「それではわたくしネクロのお部屋へごしょうた〜い」




「「な、何をするんですのこれから?」」


「単刀直入だけど、キミ達ってさ、転生者だよね?」


「やっぱりバレてたかぁ...」


「バレないようにしてきたはずだったのにぃ...」


 確かに双子達もすっごい自然だったよね...お姉ちゃんもだけど、やっぱり私は凛が多めだからちょっとおかしいんだろうなあ...


「まあ、お姉ちゃんは人の心を読めるからね。それでね、言わないといけないことがあるんだけど___」


 それから私とお姉ちゃんは、双子に自分達も転生者であること、このままでは悪役令嬢として断罪されてしまうこと、学園への入学が来年に迫っていることなど、私がお姉ちゃんに聞いたことを双子に伝えた。


「な、なるほど...つまり、このままだとオレ達は断罪されちまうってことか。」


「ボ、ボク達殺されちゃうってこと!?」


 双子は2人とも女の子かと思いきや、双子は2人とも転生前は男の子だった。ヴァンの転生前は川下楓(かわしもかえで)、パイアは紅葉(もみじ)という名前の学生さんだったらしい。若いのに災難だよね。


「えーっと、とりあえず今の状況はわかったよね?まあ、わかんなくても良いんだけどとにかく、私たちは断罪を回避しないといけないの。」


「こっからはゲーム知識がある私がしきるね〜、私たちはこのまま進んだらばっどえんど確定だからなんとかしないといけないんだけど...ハイ!なんか良さげな案ある人挙手!」


 お姉ちゃんが先生みたいな声をあげる。お姉ちゃん、面白い人だよね。可愛いし。


「はい!」


「パイアくんどうぞ!」


「えーっと、ボクたちは何もしなければ良いと思います!悪役令嬢ってことは主人公に意地悪したから断罪されちゃったんですよね?じゃあ意地悪しなければ良いんじゃないでしょうか!」


「うーん、良い意見だけど多分それは却下かな〜。多分この世界の因果?運命?みたいな奴で何もしなかったら悪役令嬢の冤罪とか、かけられちゃうんじゃないかな〜?」


 確かによく読む悪役令嬢物の小説とかって主人公側も転生してたり、謎の元の話に戻す力みたいなのが働いたりする展開、よくあるよね?あんな感じになるなら、何かしら手を打たないと...!


「あー、オレはゲームとかあんましねーからよくわかんねーけど、だんざい?ってのは主人公に戦いで負けるってことだろ?じゃあ強くなればいいじゃん!勇者なんか負けないくらいさ!」


「たしかに!でもこの世界っていわゆるレベルとかあるのかな?あ、でもお姉ちゃん曰くゲームの世界なんだよね?それならあるの?」


「うん、たしかあったはずだよ〜。えーっとたしか、なんか叫ぶんだよね、なんだっけ?」


「多分ありきたりなやつだとステータス、オープン!みたいなやつとか?一旦色々叫んでみる?」


「ステータス、オープン!」

「ステープラー、ホチキス!」

「チョコレート、ぱっくん!」

「チャー、シュー、メン!」

「ひらけごま!」

「とじろしお!」

「あけろめし!」……………





 だめだ、全然ステータス出てこない。どーしよ。ふざけてるの何回かあったし...叫ぶだけじゃだめなのかな...


「あーーーーーーーーっ!!!!!もうだめだ!てかオレ飽きたー!別の方法試そうぜー?」


「いや、まだあるかもよにいちゃん...?もうちょっとやってみればあるかもしれないですよ...?」


「わーもうめんどくさいめんどくさい!てかこういうのって大体Xボタンじゃん!ないってこれ!」


 フォン


 何も無いところに、青白く光る紙のような物が浮いていた。


「「「「……………え?」」」」


「うわでたぞこれ!すっげー!」


「キミ今なんて言ったの!?」


「ちょっともう一回言ってみてください!」


「え、えっと...『わーもうめんどくさい!てかこういうのって大体Xボタンじゃん!ないってこれ!』だったかな?」


 フォン


「うわ!今度は消えた!すげえ!」


「多分キミの言葉のどこかにトリガーとなる言葉があるのかな...?」


「あ、多分Xじゃないですか?ゲームの操作を口にすることでー、みたいな」


 フォン


「今度はパイアくんのが出てきたね〜?やっぱり『X』と口にすることで出てくるんだよ!」


 フォン


「じゃあ俺も出せるのか?エックス!」





「...あれ?」


「なんでにいちゃんのは出ないんだろ?」


「多分あれじゃなーい?Xがエックスみたいな。」


 フォン


「えーっと、発音のことかな?私元舞台女優だからXとか発音は気をつけてるし。」


 フォン


「確かににいちゃんのXはエックスって感じだよね」


フォン


「だああああああもう!フォンフォンうるっせえなあ!」


 ちょっとわかるけど、ヴァンの表情が可愛くて面白くてやめられないのよね〜、いたずらっ子の心境がよくわかるよ。


「もう、キミのせいなんだよ〜?そう言われるのは心外だな〜。」


「エックスではなく、エァックスゥみたいな感じ?」


「そうそう!にいちゃん、エァックスゥみたいな感じ!」


「りぴーとあふたーみー?」


「「「エァックスゥ」」」


「え、えあっくす...」


「違う違う!スゥが違うしアが大きいよ!」


「にいちゃん!真面目にやってよっ!」


「いや、オレは至って真面目なんだけど...」


「はぁ、もう!せーの、りぴーとあふたーみー?」


「「「エァックスゥ」」」


「え、エァックスゥ」


 フォン

 

「おおすげえ!俺のも...」


 フォフォフォフォフォフォフォフォン


「うわ、さっきの練習で出てこなかったやつが急に!?」


「うわ、うるさっ!にいちゃんのせいだからね!」


「なんでオレのせいになるんだよ!」


「はあ。びっくりするのはわかるけどキミ達、ちゃんとステータスみよ?」


「う、うん、そうね...」


 私達はその青白く光り空中で静止している髪の様な物を凝視した。

説明と文字多くなっちゃってごめんなさい...文才をもっと磨きたいですね!

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