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エピローグ
「おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「マリ、きれいよ~。」
「あぁ、羨ましい!」
「おめでと!」
「ありがと!」
「みんな様のたくさんの祝福に囲まれて、めでたく結婚できました。これからも末永くよろしくお願い申し上げます。」
お決まりのような、花婿のあいさつを1歩後ろから寄り添い、眺める。
あの事故の傷が消えるのを待ち、両親への挨拶や顔合わせ、果ては町長への報告から式の手配まで。
目まぐるし過ぎて、まだ夢の中にいるみたい。
だって、またコウに色が戻ってきたんだよ!
ほんと奇跡みたい!
下へ目をやれば、二人の間に初めての盛装を喜びつつも、疲れた様子のマコがひっついている。
もう一度、夫になった人の背中へ視線を上げる。
大丈夫、わたしたちには大地を踏みしめるこの足がちゃんとある。
ね、コウ。
凛々しいその背中から、あの濡れ羽色のツバサは完全に消えていた。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。