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第59話 試運転

 港湾セクター・第七ドック区画。改造を終えた中型輸送艦は、古びた外装のままなのに、どこか全体が引き締まって見えた。船体は全長百五十メートル近い、横にずんぐりと張り出した箱型シルエット。塗装は退色したグレーに、ところどころベージュの補修跡がまだら模様のように浮き、長年の酷使を物語っている。

 艦首は丸みを帯びた鈍重な形で、貨物コンテナを模した外殻がぎっしりと組み込まれている。対照的に艦尾だけは妙に艶やかで、新しい推進部の黒い放熱板が鈍く光を反射していた。格納された武装や増設シールドは一切表に出ていない。それでも、わずかに漂う気配が「ただの商船じゃない」と告げている。


「推進系調整、完了しました」

 ルミナの報告に続き、甲高く陽気な声が響く。

『よっしゃー!試運転だぜ!ニコ艦長、準備はいいかー?』


「……誰が艦長だって?」

 その声とほぼ同時に、後ろから軽快な足音が近づいてくる。


 現れたのは、赤い髪を短く跳ねさせた少女――ニコ。肩には整備油の黒い跡、瞳は燃えるような赤。口元には、これから面白いことが始まるとでも言いたげな笑み。


「おう、艦長。いや、まだ慣れねえ呼び方だけどな」俺が言うと、ニコはニヤリと笑った。

「へへ、いいじゃん。どうせ俺がこいつ動かすんだろ?」


『そうそう!今日からニコがこっちの艦長!あたしは陽気でフレンドリーな相棒AI、よろしくな!』

 妹AIが勢いよく割り込む。


「……なんだこれ、やけに喋るな」ニコが眉をひそめる。


 その瞬間、後ろで見ていた子供たちが一斉に反応した。


「艦長!ニコ艦長ー!」レンがわざと大声で叫ぶ。

「おーい艦長、サインください!」ユズが真顔で手を差し出す。

「艦長、今日の晩ごはんどうします?」ノノがニヤニヤしながら聞いてくる。


「ちょ、やめろ!」ニコが真っ赤になって叫ぶ。

 だが子供たちはさらに畳みかける。


「艦長、宿題はもう終わりましたか?」ミオが手を上げる。

「艦長、背伸びしないと操縦席届かないんじゃねえの?」カイがにやつく。

「……艦長、俺より背が低いから」ゼンがぼそっとつぶやき、ニコがギロリと睨む。


「うるせえ!お前ら全員乗せて海賊の前に投げ出すぞ!」


『あはは!いいクルーじゃん!』陽気なAIが楽しそうに笑い、ますます子供たちは盛り上がる。


 俺は端末を閉じながら、頭を抱えてつぶやいた。

「……もう完全に学級崩壊してるじゃねえか」


「いいか、静かに聞け!」

 ニコが咳払いして、急に真面目な顔になる。


「この船の名前を発表する!――《ホーク》だ!」


 赤い瞳を輝かせ、胸を張って言い放つ。

「能ある鷹は爪を隠す……見た目はただの貨物船! だが、中身は鋭き爪を秘めた強襲艦! 最高にクールだろ!」


 ――能ある鷹は爪を隠す、か。この世界にも似たようなことわざがあるんだな。ニコの口から出ると、なんか余計にハッタリ臭く聞こえるのは気のせいか。


 一瞬の沈黙のあと、レンが首をかしげてぽつり。

「……ホーちゃん?」


「はあ!? なんでそうなる!」ニコが慌てて叫ぶ。


「ホーちゃん!ホーちゃん!」ノノが真っ先にコールを始める。

「かわいい!」ミオが笑顔で手を叩く。


「おい、かわいさ狙いの船じゃねえんだよ!」ニコの声が裏返る。


「でもホーちゃんの方が覚えやすいし」ユズが淡々と追撃。

「……ホーちゃん、悪くない」ゼンが小声で同意する。


『ホーちゃん人気急上昇!艦長のスター性の証明だな!』艦載AIがノリノリで煽る。


「誰がホーちゃんの艦長だーっ!!」

 ニコの絶叫が艦橋に響き渡り、子供たちは爆笑の渦に沈んだ。


 俺はもう諦めて、肩をすくめる。

「……正式名ホーク通称ホーちゃん。はい決まり」


 ニコが頭を抱えてしゃがみ込み、子供たちと妹AIが一斉に「ホーちゃん!」とコールする光景を眺めながら、心底ため息をついた。――騒がしいにも程がある。


「あー……それでさっきからしゃべってるこいつは、ルミナのサブユニットだ。俺もつい最近知った」

『正式名称は“LUMINA Sub-Unit Beta-2”です!』


 ニコは数秒黙り込み、肩をすくめた。

「……呼びにくっ。よし、お前、今日から“リーナ”な」


『リーナ?おお、いいじゃん!短くて響きもカワイイ!』

 ルミナが静かに口を挟む。

「私の名前を略しているだけですが……まあ、許可します」


「おいおい、許可ってなんだよ」ニコは笑い、艦を見上げた。

「見た目はくたびれた貨物船、中身は牙だらけ……リーナ、この船、気に入ったぜ」


『任せとけ、ニコ艦長!この牙、あたしとお前で全部使いこなそうぜ!』

「だから作戦情報を外で言うなっての!」俺が慌ててたしなめると、ニコは笑いながらタラップを駆け上がった。後ろからわらわらと子供たちもついてくる。リーナが元気いっぱいの声を響かせる。


『改めまして!リーナちゃんです!今日からこの艦のAI、みんなの頼れるお姉さんになるからよろしくね!』


 レンが真顔でつぶやく。

「お姉さん? どう見てもテンションだけ妹じゃん……」


「お姉ちゃん? ほんとに?」ノノがきょとんと首をかしげる。

『もちろんだとも!おやつも勉強も、宿題チェックも、生活指導も――恋バナ相談だってバッチリ対応!』


「え、団長、なんで恋バナまで対応させてんの?」ユズが半笑いで俺に振る。


「俺のせいじゃねえ!今知ったんだよ!」俺は頭を抱える。


『弟とか妹の世話も大歓迎!だって私、陽気でフレンドリーだから!』

 ミオが目を輝かせて「じゃあ次の勉強会、一緒にやってくれる?」と尋ねると、リーナは食い気味に答える。

『任せとけ!九九から相対性理論まで一晩で叩き込んでやる!』


「やめろ、学力格差で泣く子が出る!」俺が制止するが、もう子供たちは大はしゃぎだ。

 ゼンだけが小声でつぶやいた。

「……うるさいAIだな」


『うるさいけど可愛い、って言っとけ!』リーナが即座に返す。


 その瞬間、子供たちがどっと笑い、ニコが腕を組んで誇らしげに言った。

「いいじゃん。これでクルーも増えたわけだ。――おい、リーナ。相棒として、しっかりついてこいよ」


『もちろん!ニコ艦長!この船はあたしたちの舞台だ!』


 俺は大きく息を吐き出した。――ただでさえ騒がしい傭兵団に、“陽気な家族”と一羽のホーちゃんが増えてしまった。




「――この艦の主要メンバーは、第一部隊のニコ、ハヤテ、カイ、ナギ、レン。お前らが中核だ」


 俺の言葉に、船内が一瞬静まった。次の瞬間、選ばれた五人がそれぞれ反応する。


 ニコがニヤリと口角を上げる。

「へっ、やっと言ったな。ま、当然だろ。俺が艦長だしな」


「はぁ……暴走したら止めるの俺か」ハヤテは額に手を当ててため息をつく。

「前衛なら任せろって! 電磁短槍、早く振り回してえ!」カイは早くも戦闘を妄想している。

「はいはい、どうせカイは突っ走るだろうから。私がまとめなきゃ」ナギは肩をすくめる。

「わ、わかった……俺も全力でやる」レンが小さく頷いた。


 俺は他の子供たちへ視線を移す。

「で、他の連中は――好きに決めろ。内装プレミアムの《ストレイ・エクシード》で快適に暮らすもよし。このボロいが武骨な《ホーク》――いや、《ホーちゃん》に移るもよしだ」


 その瞬間、子供たちの間にざわめきが走った。


「え、自由!?」

「好きに選べるの!?」


 まずノノが勢いよく手を挙げた。

「ホーちゃん!絶対ホーちゃん!かわいいもん!」


「えー……エクシードの学習端末、ちょっと気になるんだけど……」ミオが指を顎に当てる。

「でもさ、リーナがいるのホーちゃんでしょ?……うん、ホーちゃん!」


 ユズは冷静な声でまとめにかかる。

「合理的に考えるならエクシード……でも艦長ほっとけないし、結局ホーちゃんだな」


 ゼンは例によって無表情でつぶやいた。

「……ホーちゃん、悪くない」


「おいおい……」俺は呆れる。だがもう止まらない。


「ホーちゃんー!」

「ホーちゃん!ホーちゃん!」

「ホーちゃん最高!」


 子供たち全員が口々に叫び、艦の甲板が学級崩壊のように騒がしくなる。


「お、おい!ストレイ・エクシード涙目じゃねえか!」ニコが慌てて叫ぶ。

『ホーちゃん人気爆発!これは艦長のカリスマ効果だな!』AIが悪ノリで合いの手を入れる。


「誰がホーちゃんの艦長だーっ!」ニコの絶叫が響き渡った。


 俺はもう諦めて肩をすくめた。

「……主要メンバー五人と――なぜか移動希望多数。はい決まり」


 こうして、ストレイ・エクシードはガラ空き、ホークは学級崩壊。俺の胃は、また一段と重くなるのだった。


 そこで、後方管制席からルミナの落ち着いた声が入る。

「ご安心ください。過剰なストレスによる胃潰瘍は、治療可能な症例です」


「いや治療前提で話すな!」俺は思わず叫ぶ。


 ルミナは少し間を置いて、柔らかく言い直した。

「……とはいえ、子供たちが楽しそうに笑っているのは事実です。あなたの健康は軽視できませんが、その笑顔は……尊重に値するでしょう」


 俺は深々とため息をつき、天井を仰ぐ。――毒舌と優しさのセットで心に刺さる。そして結論は変わらない。……俺の胃は、確実に縮んでいく。




 港湾セクター第七ドックを抜けた《ホーク》。試運転の航路に沿って、ゆっくりと浮上していく。


 モニター越しにその艦影を見上げながら、俺は《ストレイ・エクシード》の作戦席に腰を沈めている。こっちは後方サポート。遠隔管制と監視、そして……保護者役。


『よし!エンジン点火!ホーク、飛ぶぞ!」』

 艦橋から聞こえるニコの声が、やけに楽しそうに響いてきた。


 子供たちの声が次々と混ざってくる。

『ホーちゃん、推進系オールグリーン!』

『ホーちゃん、武装システム、チェック完了!』

『ホーちゃん、回避システム起動!』


 ――ホーちゃん、じゃねえ。正式名称はホークだろうが。……いや、訂正しても無駄か。すでにあいつらの中では「ホーちゃん」で固定されてる。


 声が重なって、なんだか小学校の学芸会でも見てる気分だ。……艦の試運転って、もっとピリッとしたもんじゃねえのか?


『誰がホーちゃんって言えって言った!』ニコが怒鳴る。

『でも正式名ホークって言っても通じないと思う』レンがさらっと返す。

『ホーちゃんって呼んだほうが回避率上がりそう』カイが適当な理屈を足す。

『意味わかんねえ理屈だな!』ニコが真っ赤になって怒鳴り返す。


 ――……はい、もう完全に学級崩壊。


「……まるで遠足前の小学生ですね」

 横でエリスが額を押さえながらつぶやく。


「たのしそう」

 ユイが目をキラキラさせながら声をかけてくる。


「外部通信はまだ安定しています。推進波形、規格内。……今のところは」

 ルミナの冷静な報告が入る。その声音があまりにも淡々としてるもんだから、逆に不安になる。


「“今のところ”って……」エリスが小声で呟く。


「ルミナ、お前……安心させたいのか不安にさせたいのかどっちなんだよ」俺は思わず突っ込む。


 ルミナはわずかに首をかしげ、完璧な敬語で返す。

「事実を述べただけです。虚偽で安心させるのは無責任ですので」

「いやまあ……正論だけどさ……」


 小さく間を置いて、彼女がさらりと付け足す。

「……それに、あなたが過労で倒れる未来を想定しておくのも、合理的です」


「なんで俺が真っ先に倒れる前提なんだよ!」

「観測上の傾向です。よく胃を押さえていますから」


 エリスが肩を震わせ、ユイは声を押し殺して笑っている。俺だけが本気で胃を抱えてる。


 モニターの中で、ニコが叫んだ。

『全速加速!回避テストいくぞ!』

 ナギが補佐するように声をかける。

『艦長、左舷回避!』

『任せろ!』


 ホークの船体がぎゅん、と鋭角に旋回した。中型艦とは思えない急角度。ドックの安全域ギリギリをすり抜けていく。


「ひゃっ……!?ちょっと待って待って!」

 エリスが悲鳴を上げる。

「嘘だろ!? あんなデカい艦が……」

「理論上は可能です。理論上は」ルミナがまた涼しい顔で答える。


「その“理論上”って言い方やめろ!胃が死ぬ!」

 俺は頭を抱えるしかない。


 子供たちは完全にハイテンションだ。

『すげー!ホーちゃんめっちゃ曲がる!』

『ホーちゃん、最高!』

『おい!正式名称で呼べって言ってんだろ!』ニコの声が半泣き混じりで響く。

『ホーちゃんコール止まらず!これはもはや艦長のスター性だな!』艦載AIが悪ノリで合いの手を入れる。


『だから、誰がホーちゃん艦長だーっ!!』

 ――ニコの絶叫がスピーカー越しに響き渡る。


「はぁ……ホーちゃんのスペックってどんなだっけ?」

 俺がぼやくように呟くと、隣のルミナが補足を入れる。


「中型輸送艦に偽装した強襲艦ホーク。全長148メートル、総重量2万8千トン。主推進機はハイブリッド核融合推進器×2基。最大速度は標準輸送艦の1.3倍。外観は旧式ですが、推進部は最新仕様にオーバーホール済みです」


「すげーな……数字で聞くと、見た目とギャップありすぎだ」


「え? 何の話?」ユイが首をかしげる。

「商船に見えるけど、牙だらけってことだ」俺が説明すると、ユイの目がぱっと輝いた。

「すごい! かっこいいね!」


「――牙の展開を開始するようです」

 ルミナが操作パネルをタップし、モニターに切り替え映像が映る。


 艦体の一部がスライドし、格納されていた砲塔がせり上がる。古びた船体の皮膚を破って現れるその瞬間――外観“ボロ船”と中身“強襲艦”の落差がえげつない。


「主武装、中距離荷電粒子砲×2基」

 ルミナがさらりと説明を加える。

「射程9,000km、有効射程6,000km。発射間隔は冷却込みで8秒。巡洋艦装甲を貫通可能です」


『うおっ!ホーちゃん砲かっけー!』ハヤテが思わず叫ぶ。

『発射用意、了解!』艦載AIのリーナが陽気に合いの手を入れる。


「……ホーちゃん砲じゃなくて粒子砲だ」俺は頭を抱えた。


 続けざまに、艦体側面からパネルが開き、複数の砲塔が顔を出す。

「副兵装、エネルギー・パルスガン4基。短距離ビームを連続発射、敵シールドを削るのに適しています」


『おー!いっぱい出てきた!』ノノが歓声を上げる。

『これ全部撃っていいの!?』カイがわくわく顔で聞いてくる。

「撃ち尽くしてどうする気だ、バカ!」俺は即座に制止した。


 さらに、艦尾側から小型のビームガトリング砲塔がせり出す。

「近接迎撃兵装。CIWS6基。対ミサイル迎撃率97%。……理論上は」ルミナがまたさらっと言う。

「理論上って言うな!胃が死ぬ!」俺が思わず突っ込む。


『ほーちゃ…あ、間違えた。ホーク! 牙フルセットだな!』

『任せろ、ニコ艦長!牙も翼も全部展開だ!』リーナがノリノリで叫ぶ。


「だから作戦情報を外でバラすなって言ってんだろ!」俺の声は虚しく響き、子供たちの爆笑でかき消された。


 最後に、艦首と艦尾の外殻がわずかに展開し、透き通るような膜が走る。

「追加格納式シールド発生器。前後方向の防御を強化します」ルミナの説明は淡々としている。

『つまり……ホーちゃん、盾まであるってこと?』ミオが目を丸くする。

「正確には《ホーク》ですが」ルミナが冷静に訂正する。


『ホーちゃん最強じゃん!』ノノが手を叩き、レンまで『……ホーちゃん、悪くない』とぽつりと同意する。


『艦長はホーちゃんの象徴!ここに伝説が始まった!』リーナが追撃する。

「いい加減にしろ! 誰がホーちゃん艦長だーっ!」ニコの悲鳴がスピーカー越しに響き渡った。


 ユイが楽しそうに笑う。

「げんきだね」

 エリスが俺を見て小声で言う。

「ニコさんと団長さんの胃が持つか心配です」


 ルミナが淡々と補足する。

「ご安心ください。あなた方の胃痛が原因での作戦失敗率は、0.02%です」

「優しいようで全然優しくねえよ、その言い方!」


 ルミナがわずかに目を細めて、さらりと刺してくる。

「では言い換えましょう。――あなたの寿命が縮む可能性は否定できませんが、部隊の存続に影響はございません」


「余計にタチ悪くなったわ!!」

「合理的な真実ですので」


 ユイがぱちぱちと手を叩いて、子供みたいに笑う。

「ルミナ、すごい! なんかカッコいい!」

 エリスは机に突っ伏して肩を震わせている。……俺だけが本気で寿命を削られてる。




 試験航行を終えたあと、俺たちは《ストレイ・エクシード》に戻った。……もっとも、休む暇はない。次の課題はパーセプトボードを使った模擬戦闘だ。


 ホークの艦橋は、演習開始と同時に大騒ぎになった。

「敵影接近!撃て撃てー!」

「任せろ!俺が落とす!」

「冷却待って!無駄弾はだめ!」

 わーわーがやがや……もはや戦術訓練じゃなく、ただの運動会だ。


「……訓練環境を破壊する勢いですね」

 ルミナが淡々と報告する。その無表情ぶりが逆に怖い。


「みんな、げんきだね……」

 ユイは目を輝かせながら拍手してる。完全に遠足バスのノリを楽しんでやがる。


「え、ええ。げんきですね……」

 エリスはこめかみを押さえて小声でため息。俺の隣で同じ胃痛仲間になりつつある。


 ――ストレイ・エクシードを運用していたときは、ここまで騒がしくなかった。俺の指示に従い、皆それなりに冷静に動いていたはずだ。だが今は違う。自分たちの艦を手に入れたという高揚感が、子供たちの声を一層大きくしている。


 まるで遠足バスの中で騒ぎ出した小学生。……なんで艦橋が学級崩壊するんだよ。


 俺は頭を抱えながら、またしても胃が重くなるのを感じた。

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