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小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜  作者: るあか
第五章 暴かれる悪事と小さな皇女

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63話 地下工場の制圧【グレン視点】

 俺らがガーネットの屋敷に帰ると、既にガーネットの部隊は整っており、王国聖騎士団の本隊にアレン隊、そしてレオ隊も部隊を整えていつでも出陣できるとの事だった。


⸺⸺


 ガーネット騎士団は部隊を2つに分割。俺が率いるグレン隊は地下の工場制圧を担当する。同行する幹部はレベッカ、フウライ兄妹、シギュン、ニコラスだ。俺らは工場内を制圧後、大量の作業員と人質を地上へと逃がす。

 工場内で働かされている人は100や200どころの騒ぎではなかったために避難誘導にもたくさんの人員が必要になると予想された。そのためガーネット騎士団員のほとんどの戦闘員が俺の部隊に配置をされた。


 準備が整うとすぐにアマツ山の大空洞を目指して出発をした。状況報告は鳥人やニーズヘッグが逐一やってくれる。俺はあくまでも工場の制圧に専念すりゃぁいい。


⸺⸺ペリドットの町⸺⸺


 ペリドットの町へと入ると、アマツ山方面の出口にペリドットの部隊が待機していた。

「グレン殿。我々も工場制圧に協力させていただきますぞ」

 と、ペリドット卿。

「マジか、ありがてぇ!」

 急に何千の人員を得た俺らは、その足でアマツ山道へと入った。


⸺⸺アマツ山道⸺⸺


 アマツ山道へ入るとすぐにアマツ軍の面々とすれ違う。そして火の神の神殿へと辿り着くと、シノノメの命令で突貫で開通させた穴を整備してくれていた。

「シノノメ!」

「グレンか! サクラから事情は聞いた。今は速やかに事が運べるよう、トンネルの整備をしていたところだ。お前たちが工場を制圧する頃には完成させてみせよう」

「私らも手伝いますぞ!」

 と、ペリドット卿。


 ペリドットの部隊の一部を穴の入り口残して、俺らはアマツ大空洞内部へと侵入する。


⸺⸺アマツ大空洞⸺⸺


 その広がるだだっ広い空間にざわつく一同。無理もない。自分らの住んでいる地下にこんな空間が広がっていたのだから。


 せっかくペリドットの大軍が来てくれたのだから、俺はペリドット軍には大空洞内の調査を行ってもらうこととした。

 ノームのいたフロアにはあちこちからパイプが伸びてきている。

 それぞれのパイプを手分けして追ってもらい、状況に応じて魔障の経路を断ってもらうことにした。


 俺らガーネット騎士団は工場の入り口の鉄扉へとやってくる。

 中を覗くと変わらずに工場は稼働していた。

「ありえない……こんな事が、アマツ山の地下で……」

 フウガは目を見開いてそう呟く。そう言えばお前はここに来るの初めてだったな。


「向こうの奥に見えるのが分電盤ってヤツだな……ライカ、射抜けそうか?」

 俺は広大な工場内の奥の方に見える“魔導機器”を指差しライカへと尋ねる。彼女は「余裕……」と返事をした。


「よし、なら作戦通りに行くぞ。れべちゃ、始めてくれ」

 レベッカへそう指示を出すと、レベッカは魔道メイスを構えて「アタックライズ」と唱えた。シギュンに赤いオーラがまとわれる。


「ふぅ……いいか、やるぜ?」

 緊張気味にそう言うシギュンに皆がうんと合図を送ると、彼は鉄扉に向かって思いっ切り斧を振りかざした。


⸺⸺ガンッ! バタンッ!⸺⸺


 力技で強引にこじ開けられた鉄扉は地響きを鳴らしながら向こう側へと倒れた。警備兵が何事かと一斉にこちらを向く。よし、警備兵の位置は確認した。

「やれ、ライカ!」


 バチバチッと稲妻をまとった矢が奥の分電盤を貫く。その瞬間工場内の電気がパチンとダウンし辺りは真っ暗になった。

「52の警備兵を確認!」

 と、フウガ。

「了解。フウライ、シギュン、散れ!」

「「「御意!」」」


 俺とフウガ、ライカ、シギュンの4人は広いフロアの四方に散りながら、狙いを定めた警備兵を次々にノックアウトさせていく。

 俺もフウガも刀は(さや)に収めたままで攻撃。シギュンは刃とは反対側で、ライカは弓を振り回して戦っていた。


「ケモミミレディを解放!」

 と、シギュンの声が聞こえてくる。よし、人質が女で助かった。あいつの仕事がめちゃくちゃ早え。

 戦闘の音から52人の警備兵の対処も完了。


「ニコラス! いいぞ!」

「はい!」


⸺⸺範囲状態異常回復魔法⸺⸺


「キュアゾーン!」

 地面に淡い緑の光がサーッと広がっていく。すると、コンベアに向かっていた獣人や魚人が次々に我に返っていった。

「はっ、俺は一体なんでこんなことを……」

「そうだ、王女殿下を人質にとられて……」

「うぅ、身体中が痛い……なんで……」


 そんな声を聞いてニコラスは続けて回復魔法を唱える。


⸺⸺上級範囲回復魔法⸺⸺


「セラフィアレイン!」


「身体の痛みが引いていく……!」

「温かい光……!」


「避難誘導開始!」

 俺がそう叫ぶと、部屋の外で待機していた団員らが松明に火を灯して工場内へと雪崩込んでくる。

 戸惑う獣人らに「助けに来ました! こちらへ急いで!」などと声をかけながら工場の外へと誘導してくれていた。


 よし、順調だ。

「幹部集合!」

 俺のもとへと幹部が(つど)う。シギュンは人質の女も一緒に連れてきていた。


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