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小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜  作者: るあか
第五章 暴かれる悪事と小さな皇女

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60話 地下の大規模工場

『ワシが囚われていたフロアよりももっと奥で何かを必死に作っておった。ステラン帝国に持ち込まれた毒薬もきっとあの工場で作っていたのであろうな……』

 と、ノーム。僕はその話でピンとくる。

「あの奥に工場があるの!? 毒薬……それに魔障活性の薬も……。ゴールディ卿は国内でも有数の薬師だ……彼ならそんな薬が作れてもおかしくはないかもしれない」

「その工場とやらを確かめに行かぬか?」

 と、スズラン。

「そうだね。とりあえずどんな状況なのか……さっきのフロアの奥に進んでみよう」

 僕がそう言うと、みんなは一斉に立ち上がった。


『ワシはデカイし目立つ。ニーズヘッグのように思念体になる術はないため、ここで待っているとしよう』

 と、ノーム。

「分かった。何かヤバイと思ったら僕たちの事は気にしないで逃げてね」

『……人間にそのように心配される日が来るとは……。承知した』

 ノームはその場にドシンと座り、地底湖を眺めていた。


⸺⸺


 再びアマツ山の地下の大空洞へと入り、ノームのいたすり鉢状のフロアを横切って先へと進んでいく。


 すると、ガラス窓から微かに光の漏れる大きな鉄の扉へと辿り着いた。

 みんなで恐る恐るそのガラス窓を覗き込む。


 すると、そこに広がっていたのは自動車の部品工場のようなコンベアに向かって黙々と作業をする“獣人族”と“魚人族”の姿だった。みんな虚ろな目をしていて、とても正気とは思えない。

「獣人と魚人に無理矢理働かせてんのか……?」

 グレンがそう小声で言う。

「みんなどうしちゃったんだろう……何かの状態異常でもかけられているのかな……」

 と、ニコラス。僕は「そうかも……催眠とかかも……」と返した。


「人間の警備もいるみたいですね……そのゴールディという者の部下でしょうか?」

 と、フレイヤ。

「おい……向こうで獣人のレディが剣を首に突き付けられているぞ」

 シギュンが(はらわた)が煮えくり返ったかのような顔でそう言う。

「人質か! 状態異常と人質のダブル体制かも……だとすると、ここで騒ぎを起こすのはマズイか……」

「一旦戻るのかの? 長い道のりじゃのう……」

 と、スズラン。確かにアース山脈から行ったり来たりするのは非効率的すぎる。

「いや、僕に良い考えがある。とりあえずニーズヘッグに伝令を頼みたいんだけど、本体って今どこにいる?」

『世界樹におるぞ』

「そこからふうちゃ……あー、フウガって見つけられそう? 僕のことも見てたんでしょ?」

『ペリドットの町を通過するところまでは見ておった』

「えっ…早! もうそんなところまで行ってるんだ!?」

『途中から竜人らが飛べない者を抱えて飛んで下山しておった』

「なるほど……ならいっそのこと、ガーネットのお屋敷に伝令を頼んでもいい? すぐに行ける?」

『ふむ。20分程度だな』

「最高! 頼みたい内容は……」


 僕はこの地下の現状とゴールディ卿についての伝令をニーズヘッグへと任せた。

 ノームを解放してしまった以上、元凶のゴールディ卿に知られるのも時間の問題だ。最速で王国聖騎士へと知らせる必要がある。

 鳥人族の人たちがガーネットの町に到着したら早速仕事を任せることになりそうだ。

 巨大な竜が飛んできてガーネットの町はちょっとパニックになるかもしれないけど、緊急事態だからみんなごめんね。


 ニーズヘッグの思念体がポンッと消えたのを確認すると、僕たちはノームのところまで一旦戻った。


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