表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜  作者: るあか
第三章 三者同盟と忍び寄る悪意

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/69

36話 順風満帆な裏で

 騎士団結成から1ヶ月が経つ頃には、団員の数は30人を超えていた。

 それぞれ幹部らを中心にチームで動くようになり、“グレン隊”や“総務隊”などと呼ぶようになった。

 どんどんと増える団員に、ガーネット騎士団本部の建設計画も急ピッチで進んでいた。

 やっと国から初任給をもらえたところで資金は全然溜まっていない状態だったけれど、ペリドット卿やアカツキの将軍様が大工さんをたくさん派遣してくれて、早いうちから建設に取り掛かれそうだ。


 僕はそのお礼にアマツ山道の街道の整備を協力する事に。レベッカを現地に出張させて結界を張りまくってもらう予定だ。こっちの計画もまだ詳しい日程は決まっていないので、招集待ち。


⸺⸺


 そんな僕は本部の建設予定地である魔石の森にグレンを連れて来ていた。


⸺⸺魔石の森⸺⸺


「あーぁ、この辺は木の腐食が激しいな。こりゃこの木ももうダメそうだな……」

 と、グレン。この辺りの木々は真紫に変色して、ボロボロと崩れてしまっている。

「そうだね……この辺りも開拓をして、宿舎を建てる予定だよ」

「一体何だったんだろうな、あのスライム。村周辺にわんさか出るダークウルフも異常だけどよ、あのスライムはレベチで異常な気がするぜ」

「うん。そうだ、念の為“魔水晶の泉”の結界がちゃんと機能しているか、確かめにいってもいい?」

「おうよ。定期的に誰かしらが確認しに行くべきだろうな」


 僕たちは枯れ果てた建設予定地から少し奥に進み、魔水晶の泉の前へと向かった。


⸺⸺魔水晶の泉⸺⸺


 泉の中央に浮かぶ巨大な魔石は煌々(こうこう)と光を放ち、結界がちゃんと機能していることを物語っていた。

「良かった、ちゃんと機能はしているみたい」

 ホッとしたのも(つか)の間、グレンが何かを拾い上げる。

「なんだこりゃ? 割れたビン……?」

「何それ……前にスライム退治に来たときはこんなのなかったよね」

「なかった。こんな人為的に不自然なものがあれば、俺らが気付かねぇはずがない」

「なんだろう、なんかこのビンにこびりついてるもの、独特な気配がするな……禍々(まがまが)しいというか……。よし、ぐれちゃ、麻の袋持ってたよね。全部拾ってお屋敷に持ち帰ろう」

「了解」


 僕たちは手袋をして細かい欠片まで丁寧に拾い集めると、お屋敷へと帰還した。


 その怪しい割れたビンはフィルグレン同盟にも念の為情報共有され、成分の詳しい鑑定を王国騎士団のアレンへと依頼した。


 普段はほとんど人の気配のない魔石の森。こんなところに割れたビンが落ちていると言うことは、“誰かがここに来てこのビンを捨てていった”と言うこと。

 更にビンから漂う異様な気配。

 僕はこの時から、この一連の魔物の活性化騒動は人の手によって引き起こされているのではないか、と考えるようになった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ