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30話 銅の初級騎士団から

 聖騎士団の宿舎にある食堂でウォルター団長たちと一緒に遅めのお昼を食べ、騎士団本部のロビーへと戻った。なぜかレオだけはそのまま騎士団本部を飛び出していってしまった。


⸺⸺騎士団本部⸺⸺


「フィル・ガーネット様!」

 早速受付のお姉さんに呼び止められる。

「はーい!」

「こちら、ガーネット騎士団の登録証になります。こちらをガーネット領内の騎士団の拠点となる建物の入り口に設置をして下さい」

「わぁ、ありがとう!」

 賞状のような厚紙を受け取る。これ、ほんのり魔力を感じる。


「そしてこちらが騎士団員の皆様の団員証と勲章になります」

 お姉さんはそう言って一人一人に免許証のようカードと銅のバッジを手渡していた。カードの周りも銅で、この2つも微量の魔力を感じる。

「あれ、ちょっと待って……銅になってるけど、結成したばっかりの騎士団は緑色の“見習い”から始まるんじゃないの?」

 僕のその問いにウォルター団長が答えてくれた。

「私がガーネット騎士団を“初級騎士団”に推薦しておいた。普通の団員の内の1人が我が聖騎士団の部隊長より強いのだ。見習いなど申し訳ない。本当は一気に上級まで推薦したかったのだが、中級以降は団の最低人数を満たしていないとダメだと言われてしまい、初級が精一杯だった。すまないね」

「そうだったんだ、ありがとうウォルター団長! 大丈夫、頑張って仲間を増やして自分たちの力で中級に上がるよ!」

「そう言ってもらえると助かる」

 そう言うウォルター団長に僕はうんと相槌を打った。


「ねぇねぇ、おねーさん。もし中級に上がったら、この登録証とか団員証とかの色が勝手に銀色に変わる仕組み?」

 僕のその問いに受付のお姉さんはうんと頷いた。

「はい。魔法紙と魔力を込めた金属でできていますので、昇格後もそのままご使用いただけます」

「なんと、素晴らしい技術じゃのう」

 と、スズラン。

「ね、すごいや」


「今後団員が増えた場合は月末までに馬車等を使い書面にてお知らせいただければ、翌月15日までに団員証を発行してお送り致します」

「分かった、ありがとう」

 それは早速お父様とお母様の登録でやることになりそうだ。


「すまぬ、フィルよ。その騎士団の位が上がると何が良いのじゃ?」

 と、スズラン。

「単純にお給料が上がるよ。僕たちはこれから毎月騎士団本部から“治安維持委託料”をもらうことになるんだ。僕はそこから団員のみんなにお給料を払ったりするんだよ」

「ふむふむ、了解じゃ。ならば町の発展のためにも中級に上がるのがとりあえずの目標じゃな?」

「うん! 頑張ろうね!」

 僕のその呼びかけにみんなはうんうんと頷いてくれた。


 そのタイミングでどこかに行っていたレオがぜぇぜぇ言いながら戻ってくる。

「ひーっ、間に合ったか!?」

「あぁ、ギリギリセーフだな」

 と、アレン。

 レオは一体どこに行ってたんだろう? 彼は包装紙に包まれた細長い棒のような物を持っていた。



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