定刻
「発車しまーす」
間延びした声が、構内に響く。
手野鉄道の電車、普通しか停まらない駅で、構内放送が聞こえてきた。
特急を2本、急行を1本、それらの通過待ちをしていたから15分ぐらい止まっていた。
その間に駅弁が3つ売れているのを、電車の中から見えた。
ずっと座り続けていたから尻が痛くなってきているが、それでも普通電車に乗っていく。
そもそもこの駅が最寄り駅だから選択肢はないわけだが。
定刻で電車は出発する。
電車のドアがガスとともに閉まり、そして出発していく。
今日もいつも通りの出発時間だった。