64話 骸兵
——兄に慰められ、マカは胸に燃えたぎる怒りの炎で目を輝かせ、己の大切な人を謀ったハルメとアハバを討ちに行くことを決意する。
そのアハバは丹生山にアカバヒコによって封じられている。
マカはナビィの無念を晴らせるか?
——丹生山。
兄が話すには洞穴から出てずっと南に行った先にある飛騨の神が眠る山と歌われる場所。
あそこに封印されたらしい。
そして丹生珠春売という少女がアハバと同じく禍の呪いを巧みに扱える事実もまた兄に教えられた。
アハバも禍の呪いを扱えるという事実も衝撃的だったのに、ハルメも扱えるなんて世の終わりとしか言いようがない。
兄が口にした心を壊す呪いも今考えたら確かに本当に掛けられたと思う。
ヒヌカンが胸に触れたとたん私の胸を縛っていた鎖が外れこことの良いものへと様変わりしたから。
私は洞穴を飛び出し、獣道を足を傷つけながらずっと降りハルメといた小屋を目指す。
あの小屋は丹生山への道にある。いるとは思わないけど一度は見ておこう。
そして夕陽が落ちてあたりがぼんやりと暗くなった頃合いに小屋に着くと戸口が開かれていた。
「ハルメっ! 私を騙したな!」
私はそう叫ぶと得口蹴り破り中に入るがもぬけのからだ。
もしかしたら丹生山に行ったのだろう。
あの時、一瞬だけ私を助けてくれようとしていると信じてしまった己が憎い。結局、心を許しても無駄だ。
「一瞬信頼した私がバカだった! 弁明したければ出てこいハルメ!」
無我夢中に叫ぶが意味はない。ただ、気を紛らわせたいだけだ。もう、満足だ。
——次からは容赦無用。これを意識しないと。
破壊した戸に振り返ると急に勾玉からヒヌカンが飛び出す。
そして辺りを昼間のように照らした。
「——ありがとう。ヒヌカン。行こうか」
私は丹生山へと続く道を見るとゆっくり歩き始めた。
————。
辺りは山々に囲まれ、下手に集落に行くと怪しまれるため星の流れる方向を頼りに進んでいく。
そして、獣臭がしない岩陰のある場所を見つけるとヒヌカンの炎を借りて焚き火をして野宿の準備に入る。
思えば一人で野宿は旅を始めた当初、小切谷村の時だけだ。
あの後は結局複数人で旅をしたから一人や夜番でなんとかなったけど今回は一人だけだから朝なで起きていないといけない。
「——ヒヌカンと意思疎通できたらな」
私がそういうとヒヌカンは照れ臭かったのか私の顔の周りを陽気に回り始める。
そんな時、草薮が音を鳴らし始め私が剣を手に取ると白蛇が出てきた。
白蛇は私の体を優に越し、体をぬっと上げるとあっという間に頭が私の背丈を超え、空を見上げないと白蛇の顔が見えなかった。私は息を呑む。
「何者、ですか? もしや禁忌の森でしたか? もしそうでしたら今すぐ出て行きます」
私の言葉に白蛇は何も返さず、顔を私に近づけた。
『私はこの森の主。人間よ。ここは禁忌の森だが、お前はちゅらか?』
「——どう答えて欲しいんですか?」
するとヒヌカンは白蛇の顔の前に現れる。白蛇は一瞬怯み後退りするとシャーと軽く威嚇する。
『私の友が世話になったみたいだ。礼をしに来ただけだ』
「え?」
白蛇言葉に少し頭が固まる。
今までの経験則でよくないこと続きで今回もまた襲われるのかと思えばそんなんじゃなかった。
よく見れば白蛇は円な瞳を輝かせ嘘などないようだ。もしここで突き放せば彼らの面子に泥を塗り命がいくらあっても危ないものになるに違いない。
私は決心するとヒヌカンを蛇から離れるように突き、ヒヌカンが私の後ろに回ったのを見て白蛇に平伏した。
「では白蛇様。大変恐縮なことをお願いして良いですか?」
『あぁ、構わない。言ってご覧』
私はよし、と声に出す。
「夜番、お願いして良いですか? 色々とありすぎて体や心が休まる暇がなく。恐れながら禍の神との戦に支障をきたすかもしれません」
『夜番……女子一人で野宿か』
白蛇は少し考えるとゆっくり頷いた。
『うむ。良いだろう。賊どもから守ってやる。お前は美とそっくりだが、臆病だな』
「どこが臆病なんです」
『その灯火神は禍から人を守る。それなのに白蛇にまで頼ろうとするなんてな』
白蛇の言葉に私はあくびをすると岩を枕に剣を抱きしめたまま目を閉じる。
「——おやすみなさい」
『おい、話はまだ終わっとらんぞ』
少し白蛇が抗議の声を出したけど、気にしないで眠ろう。
——————。
それから朝日の温もりと共に目を覚ますと首元がかなり楽だ。けど、もう起きなきゃ。
体を起こし、まだ目ボケている頭をハッキリとさせ枕元を見ると蛇の白い鱗が見える。すると目の前に昨日見た白蛇の顔がぬらりと上から現れる。
私は一度あくびをして目をかく。
「あ、白蛇様。夜番ありがとうございます」
『構わぬ。それと、私の名は飛騨丹生津翁。お前が二度戦った津翁の一つである』
「——」
私は動悸を深呼吸で抑える。
ここまで利己的な津翁は初めてだ。海津翁や天河津翁、土津翁はかなり最初は凶暴で私をすぐに襲ってきた。だけど、丹生津翁だけは他のと違い見た目も普通の蛇だ。やはり津翁でも本当に多種多様なんだろう。
「津翁ですか。その、お仲間を——」
『構わぬ。津翁は基本わがままな童同然。が、我は言わば津翁を産んだ神の和魂から生まれたがあるがゆえ、他と違うのだろうな』
私は丹生津翁が話している間に用意を済ませ。そして体を伸ばす。
起きるにしては遅かったけど、なんとしてでも今日中に丹生山に行かないと。
「改めてありがとうございました。その、私がここに来る前に私と歳が近い女の人は来ませんでした?」
丹生津翁はしばらく考える。
その間草同士が擦れる音と風が運んでくる生暖かい月の香りが体を包む。
するとあたりから急に骸の香りが漂い始めた。
丹生津翁は落ち着いた状態で辺りを見渡す。
『ほう、我が縄張りに骸兵を忍ばせるとは。娘よ。お前が追っている女は……妖か? 人か?』
「——禍の呪いを扱える人です」
私の言葉に丹生津翁は大きな鼻息を長く吐き出す。
『そうか。それならこれほどの骸兵を率いれるわけだ』
丹生津翁の言葉と共に辺りの草藪から骨が見え、腐敗した肉をあたりに撒き散らす骸たちがのそのそと剣や木や石の棒、さらに両手に大きな石を抱えたものもいる。
私は剣と盾を持つとそれに合わせるように骸兵は一斉に私たちに襲いかかってきた。
その数はざっと数十体。油断しなければ倒せる数だ。
私は骸たちが剣を振りかぶった瞬間に三体の脇腹を流れるように切り崩し、後ろから飛んできた矢を交わすと盾を弓を構えている骸目掛けて投げつけて頭を砕く。
顔に付いた骸の腐った肉片を袖で拭き取ると丹生津翁は体を多引く捻る。
『娘、地面に伏せろ』
「は、はい!」
私は飛びかかってきた二体の骸の首を咄嗟に剣で切り落とすと直ぐに地面に伏せる。
次の瞬間、耳にキーンと音が鳴り響くほどの暴風が吹き荒れた瞬間、あたりから肉がぐちゃぐちゃになる悍ましい音が聞こえ背中や後頭部に鼻につく液体が降り注いだ。
「おえぇ」
ついあまりに腐敗臭にえずいた時には風が止み、ゆっくり立ち上がると辺りはドス黒い液体の池となっていた。
足元に目をやると骸の目玉の残骸や指や足や臓器の残骸などが黒い油の上に混ざっている
「——っ!」
骸とはいえ人間の頃の原型が生々しく残っているのを見たのは初めてだ。
私はそれから目を逸らし丹生津翁を見ながら骸のz何階を踏み潰す音から気を逸らして近づく。
「丹生津翁様。これで全員ですか?」
『一旦だ。だが、骸兵はたったこれだけだとはいえぬ。で、聞きそびれたがどこに向かうのだ?』
「丹生山です。あそこに倒さねばならない人が——奴がいます。禍の神を降臨させ、世界を滅ぼそうとする企みを防がないと」
『そうか……その姿を見てもしやと思ったが。禍の神がまた来るか』
丹生津翁はそういうとどんどん空高く上がっていく日を見る。
『娘。用心せよ。天地乱れる世の後は灰燼のみ。その灰となる数を減らすのがお前だ。良いな?』
「はい、ありがとうございます」
私は丹生津翁にお礼を言うと手に力一杯拳を作り丹生山に向けて走り出した。
————。
同時刻。丹生山の頂にある岩で塞がれた洞穴の中、静寂に水の流れる音のみが響き渡りさらにその奥にある古から飛騨の巫女たちが禊に使った温泉の中に飛騨の王だった者の亡骸が黒い液体を流しながら水を吸ってふやけており、その隣には着物を脱ぐ裸体で温泉に浸かる女子——アハバがため息をついた。
「全く。謀りやがったなアカバヒコめ。だが、不思議と恨みはないな。もし、私が穢れの身になる前に彼よ脳や男がいたらこんなことをしなかったかもしれない」
アハバがそう口にした瞬間、彼女の目に前に青白い光の玉が現れた。
その光は徐々に人の形へと変わっていき、五回瞬きをした頃にはアハバが一番知る少女、カグヤヒメノミコトが現れた。
それを見たアハバはハッと鼻で笑う。
「カグヤ。私への当てつけか? この穢れた姉を嘲笑いに来たのか?」
アハバの言葉にカグヤヒメノミコトは哀れみの目を浮かべたまま首を横に振る。
その態度にアハバは苛立ちを隠さず、眉間に皺を寄せる。
「お前は私をあの時(600年前)の従者どもと一緒に嘲笑っていただろう。姉なのに日向の巫女の力を扱えず、顔に一生消えない傷があり——そして、蝦夷と交渉に向かった際に従者に見捨てられて野盗に汚された私を見てな!」
アハバが口調を荒くしていけば行くほどカグヤヒメの目から涙が溢れるように流れ始める。
だが、アハバはお構いなく叫ぶ。
「お前と宮殿で最後に話した時、白昼、心傷で病床についていた私の元に一人で、部屋に入らず、声もかけずにじっと何日も同じ刻に見ていたのはなんだ! 見下したかったんだろう!」
『違う、違うよお姉様』
カグヤヒメがそう口にした瞬間、アハバの脳裏に忌々しい記憶が蘇る。
それはまさに今から600年ほど昔、宮殿で病床についていたアハバの元にカグヤヒメが白昼同じ刻に何日も訪れて声も掛けずにただ悲しい目を向けている光景。
そして十回目で我慢の限界がきてカグヤヒメに平手打ちをして父より勘当されて辺境の屋敷に送られたあの屈辱も。
「お前のせいで私の人生が壊された、その憎しみ、禍の神の手によって滅ぼしてくれる」
『もう、やめて。愛しのお姉様』
「黙れ忌々しい奴!」
アハバの叫び声と共にカグヤヒメの幻は光の粒となって消える。
その時、先日封じられた際、岩越しから語りかけてきたアカバヒコの言葉を思い出す。
『偽りの王よ。其方の正体は知らぬが古の王位を奪われた高貴な方と心得たり。後ほど神官たちを送り丁重に我が飛騨の神の一柱に加える故しばしまたれたり』
その言葉にアハバは馬鹿馬鹿しいあまり笑みを浮かべた。
「何が神に加えるだ、お前たちの王を殺したのは私だぞ」
そう口にした瞬間、アハバの目の前に黒い霧が現れる。
アハバはそれに気づくと咄嗟に温泉から上がり衣を身に包むとその場に平伏する。
次の瞬間、黒い霧の中から禍の神——禍呼命が姿を表すと呆れたような息を吐く。
『アハバ。してやられたな』
「申し訳ございません」
マガヒコノミコトはそれ以上は言う気はなかったのか、ゆっくりと地面に降りるとアハバに近づく。
『アハバよ。飛騨とウガヤの南の国境にある屯倉より来る奴らがいる。そいつらはお前が殺した飛騨の裏の王とアカガヒコの息子で、百人の軍勢を引き連れている』
アハバはアカバヒコより知らされていなかった情報のため俯く。
『お前に忠誠を尽くすアカバヒコの娘、ハルメの方がお前より使えるのかもな。ユダンダベアを我が手中に収めたら飛騨国はあいつに統治を任せる。お前は、あいつの配下にでもなれ』
「はい……」
マガヒコノミコトはアハバの返事に何も返さず、黒い霧となって消えた、残ったのはアハバが地面を力強く叩く、乾いた音のみだった。
——————。
————。
私が丹生山に向かい、気づけば昼が過ぎようとしている間、あたりの村は骸兵に滅ぼされているところがほとんどだった。
辺りは黒い液体に飲まれ、人々は皮を剥がされたり首を切り落とされたりと虐殺されている。
そして丹生山の麓まで来るとそこには小さな村があり火の手が上がっていた。
門は無惨に破壊され門番は惨殺されているのが見える。
剣を手に握り中に入ると村は逃げ惑う人とそれを守りながら戦う集団が門から見渡すだけでもいくつかある。そして彼らに襲いかかる骸兵が目に入る。
私は一番近くの丘で骸兵との集団と戦っている人々との頃に向かい、骸兵の背中を剣で一突きし、そのまま後ろに投げ落とすとそのまま勢いに任せて剣を大きく振り回し、他の骸兵が私の存在に気づいた頃に私は彼ら作ったがほんの僅かの隙間に入り込むように姿勢を低くして一番前に滑り込むように移動する。
その時、逃げ惑っていてこの村の戦士と人々が「だ、誰だ!?」と怯えた声を出したけど気にせず振り返り骸兵たちを睨め付けると盾を背中から手に取って剣と共に構える。
そして「てぁ!」と大きな声を出すとバタバタと骸兵を薙ぎ倒していく。
剣と矛は盾で防ぎその間に右側にいる敵を薙ぎ払う。
そして盾が使い物にならなくなればその盾で目の前の敵の顔を叩き潰して押し倒した後さらに足で踏み潰す。
そして一人の骸兵の胸を剣で深く突き刺した後、彼を盾にそのまま突進し一気に周囲に吹き飛ばした。
「来るなら来い!」
骸兵は私の声で怯んだのが生き残ったものたちはそのまま大慌てで村の外に逃げ出して行った。
私は後ろでポカンと見ていた一人の戦士を見ると近づく。
「ねぇ、ここで一番非難に向いている場所は? 骸兵が来れない場所はある?」
私の動きが恐ろしかったのか私に剣を構えつつ息を荒くしたまま口を開いた。
「う、裏山の神社だ! あそこには骸兵共はこれねぇ! く、くるな!」
「じゃ、生き残ったものたちをその神社に! 私が骸兵を引き受ける!」
「み、みんなついてこい!」
彼らはもちろんだけど余所者の私にお礼を言わずに丘の向こう側に続く道に沿って逃げ始める。
私は振り返ってまだ争いが続いているところを探す。
骸兵は丘の上から見るだけでも大勢おり、村人たちが次々と殺され骸兵にされて行っているのが見える。
今はとりあえず彼らだけでも助けて骸兵の数が増えないようにしないと。
————。
気づけば夕暮れ時、腐った肉に液と匂いに包まれベタベタになっている着物に嫌悪感を抱きながらも骸兵がもういないかを確認した。
そして、最後逃げ遅れていた子供達を隠した小屋の中の戸口を開ける。
すると幼い子供達が物陰から五人ほど出てきて私を見ると泣き始めた。
「お、お姉ちゃんもういない?」
「ねぇ、お父さんとお母さんはどこ?」
「しに、死にたくないよぁ……」
流石に私一人ではみんなは助け切ることはできなかった。だけど未来をつなぐ子達だけはなんとか助けれた。すると一番体が細い幼子が私の背中を見て悲鳴をあげる。
息を呑んで振り返るとそこには顔を真っ赤に血で染めたハルメがいた。
ハルメは私を見ると愛想笑いをする。
「あら? ご苦労様ですね。村人はほとんど死にましたけど」
「——ハルメ。なんでこんな事を。ここは自分の国だろ! なんで自分の民を皆殺しにできる!」
「あなたに、何がわかります?」
ハルメはそう口にしながら血で真っ赤に染まった手を掲げる。と先ほどハルメを見て怯えた子供が急に首を抑えて苦しみ始めた。そんな子を見て他四人の子供達が悲鳴を上げ始める。
「やめろ! 子供に手を出すな!」
「ウガヤ、安雲、高志、筑紫と比べたら遥かに小国で食糧も少ない我が国は皆骸の方が幸せに生き、死の恐怖など感じないで暮らした方が喜びとなります」
「このっ!」
私は力一杯剣をハルメの胸に突き刺す。すると子供が解放されたのか一瞬ほっと一息つくとハルメの胸から黒い液体が溢れ出てきた。
その液体からは腐敗臭——。
後ろでは子供達の鳴き声が続いている。
「まさかっ!」
「アハバ様に骸の妖にして貰いました。では次はこちらの番ですね?」
私は咄嗟に剣を抜き、鞘に戻すとハルメに背中を向けて子供たちを庇い抱きしめた次の瞬間ふしろでハルメが何かを吐き出す音と、肉が裂ける音が響いた。
振り返るとハルメは黒い液体を吐き出し、胸や腹からは無数の矛が突き出ていた。
そんな時、戸口から一匹の蛙人が顔を覗かせる。その妖怪は私が一番知る妖怪。
十歳に頃に兄を失い、途方に暮れている時に兄になり変わる道として私が利用した妖——アマさんとその仲間たちだった。
蛙人たちは矛を亡くしたものたちは一斉に戸口から子供達を抱えるとアマさんは私の手を引っ張った。
「あ、アマさん!? どうしてここに?」
「カタベ様から言われたんですよ! マカを助けに行きなさってね。じゃ、行きますぞ! 皆の者ゲロゲー!」
「ゲロン!」
アマさんの鳴き声に合わせるように仲間たちは大きな声を出す。そして私はアマさんにおんぶされるとそのまま村の外に連れ出された。その時顔を振り返ってハルメを見る。
するとハルメは首を真後ろに捻り曲げて私をじっと見つめ、視線があった瞬間口が裂けたかのようにぐにゃりを口角を上げた。
あぁ、本当に彼女はもう人間では無くなったんだ。
私は彼女をこの手で葬らないといけない。
私はアマさんの頭を軽く叩く。
「アマさん。とりあえず今の飛騨の現状を伝えます。手を貸してください」
「むむ。もちろん手を貸しますぞ! 春は蛙の季節。元気いっぱいですので!」
私はアマさんの言葉に口角を少し上げる。
ナビィさん、飛騨は滅びるけど貴女の無念は晴らします。
そう心の中で伝えた。




