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土の国 中央 ザッサム



ザッサムの中央に位置する土の塔は天まで聳えていた。

この土の塔の門を開くということは王への挑戦を意味する。

初めはそんな人間は多かったが、今では百年に一人いるかどうかという状態だった。


ただ自分の力を証明するためだけに命を懸ける者など今の時代にはいなかったのだ。

なにせ二千年もの間、王は一人も人間に負けていない。


だが唯一、この二千年の間でたった一人だけ王に勝ちかけた人間がいた。

それは土の国では伝説的な魔法使いだった。


"ケルベロス"


それは、その人間の異名だった。

誰が名付けたのかはわからないが、間違いなく今まで存在した人間の中で最強の魔法使い。


そして、その男以来、この国でシックス・ホルダーは誕生していない。



_______________



土の塔 最上階 王の間



玉座がある王の間は広く、中央には赤絨毯が入り口から玉座まで敷いている。

明かり取り窓が等間隔であり、それは玉座を照らした。


玉座に座るのはカイン王。

茶髪に半分銀色が混ざる。

身なりはブラックのタンクトップにブラックのレザーパンツ、筋肉質で体格がいい。

その前方、数メートル先にリーゼ王が向かい合って立っていた。


「手助け感謝する。この恩は必ず」


「まだ終わったわけではありませんよ。竜血はどんどんこの中央に迫っている」


カインはその言葉にため息をついた。

この国の問題は多くあり、その中で最も厄介なのは宝具の使い手問題だった。


「そして人間を魔人に変えている組織は、僕達が300年前に潰したブラック・ケルベロスだと思われます。まさかとは思いましたが……今度は一体何を企んでいるのか……」


「前の組織のトップはシックス・ホルダーだったな……あの宝具を使いこなした人間はこの二千年間で"ヤツ"だけだ。私もあそこまで追い詰められるとは思わなかった」


「しかし……戦っている最中に死んだ」


「ああ。もしあの男が途中で死んでいなければ私は負けていただろう」


二人は300年前の出来事を思い出していた。

リーゼとレノはそこまで苦労した戦いではなかったが、カインは違っていた。


「宝具に使い手がいれば、それに越したことはない。だが……またあの組織の手に渡るのであれば考えなければなるまい」


「セントラルの聖剣ライト・ウィングとこの国の宝具を交換しましょう。少しなら時間を稼げると思います」


「うーむ。ノア団長はやはり……」


「風の国でライト・ウィングの能力を発動してしまったようです。あの宝具のデメリットは5年は若返る。ノア団長はもう能力を発動させられないでしょう」


聖剣ライト・ウィングは宝具の中でも最強クラスの能力を持つ。

デメリットは"若返り"だが、その若返るスピードが早すぎて若い人間なら数回使っただけで子供になってしまう。


「だがどうする?誰がセントラルから宝具を運搬するんだ?」


「こうなれば一人しかいないでょう。本人は引退したがってましたが、"最後の仕事"ということで彼に出てもらうしかない」


「確かにあの男なら適任か……」


二人の言う"男"の信頼は王の中では一番だ。

間違いなく今この世界に存在する人間の中で最強の魔法使いだった。


「ライト・ウィングの使い手はどうする?この国に運んでも使い手がいなければ今まで通りだ」


「少し私も考えてましたが、ダイアス家の令嬢が対抗戦を優勝して戻ったようです。ちょっと彼女に会ってみます」


「"千刃"の娘か。まぁ悪くはないだろう」


「まずはライト・ウィングを運ばせます。そして"彼"にはそのままこの国の宝具をセントラルへ運んでもらう」


「一つの国に三つの宝具が存在するのは危険と見るが、この際は仕方あるまい……」


リーゼはカインに少しお辞儀すると王の間を後にした。


カインはそれを見届けると、大きいため息をついたが、それは王の間に響き渡るほどだった。


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