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天覇一刀流

闘技場


闘技場は客席がドーム状になっており、広さは日本の学校の体育館くらいあった。

男子も女子も合わせて100人ほど客席にはいた。

そして闘技場の真ん中にアルフィス、アゲハの両名が立ち合う。


「どちらかが戦闘不能になるか、降参と言うまで戦います。なにか異論はありますか?」


「いや、無いぜ」


アゲハが完全に場を仕切っていたが、そんなのお構い無しでアルフィスはストレッチしている。


「詠唱もできずに終わるさ」


「そもそも魔法発動できても魔法ごと切られちまうだろ」


「あのバカの負けるとこ見れるのは面白そうだな」


ギャラリーは言いたい放題だった。

遠距離型で威力も高い魔法は、やはり魔法発動には詠唱は不可欠。

さらに強い魔法ほど詠唱は長い。

百歩譲って魔法を発動できたとしても、聖騎士には魔法が効かないので、どちらにせよ勝ち目がないのは目に見えていた。


一人の聖騎士学校の女子生徒が両者の間に立つ。

コインを弾いて決闘開戦の合図をおこなうようだ。


「私はエンブレムを発動しない。剣の切っ先すらあなたには見せない」


アゲハはそう言って右手の甲を見せる。

そこには黒い蝶のような模様が刻まれていた。

アルフィスは"あれがエンブレムか"と認識した。


「そりゃ有難いね。じゃあ俺も手加減してやらんとな」


お互いが睨み合う。

両者の間の女子生徒が、指に乗せたコインを力強く弾く。


コインが地に落ちた瞬間、アルフィスは勢いよく前に飛び出した。

その行動にアゲハは一瞬驚き、後ろに飛び退いた。

魔法使いが突っ込んでくるなんて思いもよらなかったからだ。


「ファイアボディ!早速、行くぜ!」


アルフィスの足元に赤い魔法陣が現れ、その魔法陣は一瞬で消える。


アルフィスの左右、拳の高速三連打。

すべてアゲハのボディを狙ったものだ。


しかしアゲハは刀を左手に持ち、腰に構えたまま高速で三度抜刀、刀を抜き切らず、刀の柄頭つかのかしらでアルフィスの拳を全て受け流した。


アルフィスの拳にピリっと痛みが走る。


「天覇一刀流……雷打らいだ


「マジか」


驚くアルフィス、だがすかさず一歩踏み出しアゲハの顔面めがけて右ストレートを放つ。


アゲハは柄頭を上へ向け、一瞬で刀を半分ほど抜き、アルフィスの手首下を柄頭で打ち上げる。

あまりの衝撃にアルフィスは仰反ってしまう。


アルフィスが仰け反ったのを見て、アゲハは左親指に渾身の力を込めた。

そして親指で刀のつばを力強く弾く。


「天覇一刀流……空塵くうじん


凄まじいスピードで放たれた刀はアルフィスの顔へ飛ぶ。

柄頭が顔面へ直撃し、アルフィスは天を見る。


「がはっ!」


その反動でバネのように刀は鞘に収まる。


あまりの衝撃だったが、アルフィスはなんとか体勢を立て直す、そこにすかさずアゲハが前に出た。


アゲハは殺気を飛ばし、抜刀モーションを取る。

アルフィスはその殺気にやられると感じたのか、クロスガードで顔面を覆った。


しかし数秒経っても何もない。

アゲハは刀を抜かずに手だけ抜刀モーションをとっていた。


それを認識した時には、ガードを緩めたアルフィスのこめかみにアゲハの左手の振りで刀の鞘が直撃していた。


「天覇一刀流……陽炎かげろう


アルフィスは倒れ込みそうになるが、足に力を入れ踏ん張った。

アゲハは数メートル間合いを取る。


「私の剣技をまともに受けて立ってるとは。少しはやるようですね」


アルフィスはかろうじて立ち、頭から流れた血と鼻血を袖で拭う。

しかし眼光は未だ死なず、アゲハを睨む。


「補助魔法を自身に使って肉弾戦を挑むとは……しかし我が天覇一刀流は超近接戦闘用剣術。近づいて来てくれるなら好都合です」


「鼻血なんて、ガキの頃オヤジに殴られて以来だな。弱そうと言ったが前言撤回するぜ。あんたは弱くない」


「わかってもらえたなら結構」


「だが強くもない」


アルフィスの言葉にアゲハは驚く。

ここまでやられてまだ強がりを言うなんて。


「少し本気でやるか」


アルフィスはブレザーの上着を脱ぎ捨て、シャツの袖を捲る。


「ファイアボディを解除。複合魔法……」


アルフィスの立つ場所に赤い魔法陣が広がりすぐに消える。

アルフィスの顔の傷は一瞬のうちに治ってしまった。


「複合魔法を解除。複合魔法……」


また魔法陣がアルフィスの立つ場所に広がり、すぐ消える。

アルフィスの体の筋肉が少しが大きくなったのがわかった。

この間、数秒の出来事だった。


アルフィスはアゲハに鋭い視線を向ける。


その瞬間、アルフィスはその場から消えた。


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