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もふもふ

ᓚᘏᗢ 猫の襲撃 ᗢᘏᓗ

作者: 山目 広介

 獲物を狙う瞬間というものは、油断しているときが最も良いのだろう。

 その瞬間を目撃したときのことだ。


 それはある晩のこと。

 猫を呼ぶために口笛を吹いていると、物陰に姿を見せたのを私は一早く発見でした。

 目線が合うと、物陰から出る時に立ち止まった猫が尻尾を持ち上げて、こちらへ走り寄って来る。

 距離が離れていると尻尾はすぐに垂れ下がった。これはまた数mぐらいまで近付くと持ち上がる。

 たぶんその瞬間がうちの猫の最も油断した瞬間だったのだろう。

 どこからか素早く走り込んでくる影がうちの猫に覆い被さる。


「ぎゃぎゃぎゃーーッ!」


 猫の叫び声だった。

 襲ったのは別の猫だ。


 こんな状態の猫に下手したら怪我をする。だが今まさにうちの猫が襲われているのだ。

 助けないわけにはいかない。

 極力近付いて、脚で両者の間に隙間を作り離そうとする。

 素手で怪我すると腫れたりするかもしれないから安全第一。だから脚を使った。


 覆い被さっている猫が足の甲に乗った瞬間に持ち上げて投げるように蹴飛ばす。

 さすがに痛めつけるために打撃のような蹴りは放てなかった。

 即座にうちの猫を抱き上げ、お持ち帰りする。


 ツンとした刺激臭が鼻に()く。

 よく見ると猫のお腹の辺りが濡れている。ショウベンだ。

 怖かったから漏らしたのだろうか。

 それともショウベンは攻撃の一種なのか。よく分からない。


 だが昔怪我した猫が似たような匂いをしていた。

 そのときもお漏らししたのだろうか。

 今回は怪我とかしていないから良かったけども危なかった。


 別の猫は、その体格などから雄猫のようだった。

 股間を見るのが一番正確ではあるのだが、猫の性別も長年飼っているとある程度は見分けがつく。

 仔猫のときはちょっと難しいのけども、大人になると雄猫は口元が伸びるし、雌猫よりも比較して体格が大きい。

 また見た目で筋肉質であることが分かる。あと喧嘩をよくする場合は顎の付け根、耳の下などが膨れてゴツイ顔つきになったりもする。耳やらが傷つき、毛並みもちょっとパサつき、爪もボロボロだ。

 肉球もひび割れて硬かったりする。

 また動作が雑。例えば横になったりするときも雌なら腰を降ろしてから転がったりするのだが、雄だと立った状態からいきなりバタリと音がするぐらい勢いよく倒れたりする。

 ただ雄の方が人間に甘えた声で懐いたりもする。ノラだと雄の方が撫でやすい、と思う。




 最近うちの猫が家でトイレをすることが多くなったのは、襲撃から逃れるためかな。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 雄猫の方が撫でやすいし、甘え声出す気がします。 雌猫はこちらが甘えさせてもらってました(笑)  
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