EX2-0【プロローグ】
ギルド【シンフォニットガーデン】を立ち上げてまだ間もない頃
雪の国
「ううぅぅ~、寒いのですぅ~かじかむのですぅ~!
まさか一番最初のギルド指名クエストが雪の除雪なんて…
闇ギルドや手配犯の確保のほうが1000万倍楽なのです…」
「まだ名の知れないギルドにきたんだから、緊急でも比較的難度の低いクエストに決まってるだろ。
それに、相手が泣きながら自首してくることを確保とは言わん!
黙って働くか帰れっ!
これくらいなら音奈がいてくれれば十分だっ!」
スッとミクの視線が音奈へ向けられる。
音奈はミクに手を振る
めちゃくちゃ凄まじくいい笑顔でブンブンと…
「んがぁぁぁああーーー!
そんな笑顔振りまいてくる相手とお兄ちゃんを二人きりにさせるわけないのですよっ!
何をするかわからないじゃないのですか!
いや、想像も予想もできますが、そのどれもが口にできないほど卑猥なのですよっ!
誰かミクの鼻血を止めて下さいっ!」
鼻をつまみ上を向くミクに、色気のイの字も存在しなかった。
これが学園美少女コンテスト上位の姿か…
そんなことを考えているとミクが『あっ』と見上げた空を指さす。
「雪……また降ってきたのです…」
ふと手の甲に白い跡がつくとすぐ様溶けて消えた。
空を見上げると少しづつ雪が降り始めてきた。
このクエストは時間がかかるかもしれないと二人が心配しているのを他所に、俺は空を見上げ続ける。
ふと頬を伝い大地に落ちる雫
これはただ、雪がつたっただけだったのか、それとも……
まだ幼き日に起きた、未だ世界に影響を与え続ける事件。
その中心人物2人と…もう1人
季節外れの雪が降る、とある国での過去の物語




