EX1-0【プロローグ】
支王ミライを一言で表すのであれば、『時代と環境に愛された男』であろう。
彼の持つ能力≪借入≫。
大魔王襲来で知れ渡った今でこそ、この能力の脅威は、
歴史史上最強最悪の能力として世間に認知されるようになるが、その実それは正確ではない。
≪借入≫発動条件は4つ、
1『対象の相手とその能力を視ること』
2『対象者と能力の真名を知ること』
3『周囲環境に魔力があること』
そして最後に『直に視た能力の回数または時間分、能力の使用ができる』である。
先に4つ目を語るならば、単発放出型の≪全剣≫は発動された際視たその回数、
自動継続型の《鏡映》は発動されてからその間、
支配下にある対象を見ていた時間をその分だけ、ミライは使用することが可能である。
そして発動条件を見てみると、極めて簡単な条件で使用が可能なのだと思われがちだが、実際そうとも言い難い。
もし対戦時に対面した際、相手は自身と能力の真名を口にするだろうか?
生まれて初めて対面する能力者が敵だった時、取り貯めがなく無能力者と同じ彼は果たして生きていられただろうか?
また遠距離からの攻撃をされた際、対象の相手を見ていない為、条件を満たせずそのまま殺されてしまう可能性が高い。
続けてデメリットについてである。
通常炎のスキルに目覚めれば炎の、雷なら雷に対しての耐性が能力覚醒時に身に着く。
手から炎が出ても熱くなかったり、放電現象を起こしても感電死しないのはその為である。
しかし、ミライはその耐性がない為放つ瞬間、手の周囲にある自然魔力が炎などに変わる刹那、
体内のその能力とは対となる能力(炎なら水)を発動させダメージを軽減させている。
またそれでも尚傷ついた箇所は代謝を上げ無理矢理治している。
元々純正の人族でないため耐久力は高く、ある程度カバーはできるが、
強力な能力になればなるほどダメージは大きく、身体再生の力を行使するため寿命を縮める。
ギフトによる完全同化も上記の理由とやった後、元に戻る手段を知らず、元の形に戻れないハイリスクを背負う為、使用はできず。
微調整などできるものもあるが、自身の能力ではない為非常に難しい。
更に加えると、通常は真名を教えあえる程、親しい仲の者から借りるのが常套。
故にその間、対象者が能力を使えないことから、タイミングを計るのが難しく、
大戦などでは自身が良くても対象者に致命的なダメージを負わせる可能性があることもデメリットの一つである。
つまり、≪借入≫が最強であるためには、どれだけどうでもいい”他人”から安全に能力を視て、
その相手の情報を知り、蓄積させることができるか!ということになる。
そうゆう意味では、この能力は『色々な他者の能力を100%で使うことができる』以外にはデメリットしかない能力なのである。
では、それを踏まえた上で、ミライの生きた軌跡を確認してみよう。
生まれた時より研究対象として培養液の中より研究被験者をずっと見てきた。
そしてそのほとんどは強い能力に目覚める代償に命を落としている。
逆を言えば命を失う代わりに強い力に目覚め、その能力をミライは視たことになる。
彼の父、前魔王にして魔界史上最高位能力《想生》の保持者。
ミライは幼少より彼を視る機会が多少なりあり、魔界最強の能力をその身に蓄積させていった。
5歳から6歳の頃大戦が勃発していた為、窓から見える景色は四六時中が能力バトルの光景だった。
そして大戦が終わり、人界での生活、平和条約成立により統合学園ができ、全ての種族が入り交じり学ぶ学び舎ができ通うこととなり、
強い能力から弱い能力、様々な状況下で力を発揮する能力や補助タイプまで幅広い能力を視る機会が更に増え、
彼の能力蓄積量はものすごい数となる。
もしも、戦争のない平和な時代に生まれていたら…
王族でない一般的な家庭に生まれ生活していたら…
ミクという存在がなく、学園に通う機会がなかったとしたら…
この≪借入≫が、陽の目を見ることはなかったであろう。
だが、先に述べた通り『時代と環境に愛された男』であり、
この能力において最良の時代と環境であったから幸せだったのかと問われればそうとも言いきれない。
悩み、苦しみ、後悔し、絶望し……その全てで今の彼が構成されできているのだと、ここに表記しておこう。
この話はそんな彼を彼たらしめた始まりの物語…
特殊な生まれ…
そして時代は戦の絶えない18年前…
支王ミライが生誕より話は始まる
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