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《3章過去編》完全無欠のサイキョウ勇者の攻略法  作者: MeguriJun
2章【第5次種族間大戦】
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6-9エピローグ【未来】


「本当に、これしか方法はないのですか?」


「……あぁ」



ミライの目の前には時空が歪み、封印術:時空封印が創り出されていた。



「そんな辛そうな顔をするな、死ぬわけじゃない。

 少しだけ休息をもらうだけだ…」



ミクの頭をわしゃわしゃと撫でる。

髪が乱れ、ムス~とした表情を見てニヤリと微笑む。



「ミク…お前は俺に生きてほしいと願うのかもしれないが、世界がそれを許さない…

 正当な裁判の後、正当に罰を受け、正式に処刑されるだろう。

 俺はそれ受け入れているが…お前はどうだ?

 その際、起きるのは世界とお前との第6次種族間大戦…

 なんて名ばかりの、お前の一方的な虐殺だ。

 俺はそんな結末を望まない…」



瞳を閉じ深く息を吐く



「疲れたよ…

 本当に疲れた……

 ずっと…この世界の在り方を考えていた。

 ずっと…俺のせいで死んだ人達への償いを想っていた。

 ずっと…俺の生まれた意味を探し続けていた。

 だけど…だからこそ、お前との何気ない日常が、楽しくて愛おしくて堪らなかった…」



上を向き、眼を開くと、そこには満天に輝く星々が暗く広がる暗黒を照らしていた。



「この戦いを”視た”時からずっと伝えてやることができなかった。

 この戦いが俺達の……

 世界の分岐点であり、その先の未来を見る事が出来なかった…

 どちらに転ぶかが”何者かの運命の介入”により分からなかった。

 だから、俺はお前に嫌われることで、お前が傷つかず、何の気兼ねもなくお前が俺を討つ運命に導こうとした…

 俺が死んでも後に引かず、悲しまず、苦しまず、一人で生きていける…そんな子に育って欲しかった。

 なのにお前はいつまで経っても俺から離れず、嫌うことなく好いてくれたままで側にいてくれた。

 ごめんな…ミク……

 それと…ありがとう…

 大変だったし、辛かったし、苦しかったけど…お前が俺を救ってくれていた」



ザンッと会話の終わりは察する様なタイミングで、一つの足音がミクの背後に降り立ち、横を通り過ぎる。

辺り一面は大きな影に覆われ、ミクは何もない空を見上げる。



「げ…幻獣…?

 金獅子と……黒鯨…ですか!?」



ミライに対し、顔を擦り付けるように甘える金獅子を優しく撫でる。



「俺のワガママに付き合ってくれてありがとうな、ヴァストレオ…

 それにキネルヴァルッ!」



その声に答えるように、巨大な影は円状に動きを見せる。



「…この二匹…お兄ちゃんが呼んでいたのですか…

 でも…どうして…?」


「俺かお前の攻撃を止める唯一がいるとしたら、時間と空間を操るコイツ等だけだからな…

 みんなの護衛を頼んでおいた。

 本気の戦いになった時、お前の斬撃からの被害を最小限に抑えるための保険だよ。

 お前の能力で空間を斬る際、少なからずタイムラグが発生するからな…

 少しの時間を稼げるなら、空間を歪め、その間に回避させることが可能だと思っていた。

 意外だったのは白狼の介入だな…

 戦力的に光龍か闇龍側の戦力で、こちらに戻ってくると思っていたが…」


「一週間はミクを戻らせるための猶予ですか…

 …本当に一体、どこまで先を読んでいたのですか…」


「少なくとも、お前よりかはお前のことが分かってるからなっ…

 先なんていくらでも読めるよっ」



二人眼が合い笑い合う。

その笑顔は、今まで仮面で隠していた偽りの笑顔とは違う本当の笑顔



「この2体は、改めてこちらに呼んだ。

 俺に対する時空封印の封印転移…

 不視よる封印術により他者外部からの封印解除を実質不可能にさせる。

 そして、自然に封印が解かれた数十年、数百年先の世界でその時、

 改めて世界のためにこの命を使うことを約束しよう…

 これが俺にできる、せめてもの償いだ…」



ゆっくりと暗黒が広がる時空の歪へと足を進める、その時…

突如、半壊した城の端へミクが駆け出すと、

周囲一帯全てに聞こえるのではないかと言わんばかりの声で叫ぶ。



「「「みんなっ!!!後のことは…任せたのですよっ!!!」」」


「っ!!!…なっ!?」



その声に振り向こうとした瞬間、

後ろから抱き締められる形で、その勢いのまま封印空間へと二人は落ちる



「ばっ…バカ野郎っ!!

 すぐに《全剣ワールドスラッシュ》で封印解除しろっ!!!」


「嫌なのですっ!」


「すぐに空間封印の影響で眠りについちまう…間に合わなくなるっ!!!」


「嫌なのですっ!!」


「ミクッ!!!最後くらい、俺の言うことを聞いてくれっ!!!」


「嫌なのですよっっっ!!!」



その強い言葉…強すぎる意志に、ミライはそっと諦めたようにミクへ問う



「…ミク、最後に教えてくれ。

 なんでお前は…そこまで俺のことを…」


「んっ?えへっ♪

 それはですねぇ~、お兄ちゃんがミクの一目惚れの相手だから…ですよっ!」


「好かれていたのは知っている。

 愛されているのも、一人の男として見られているのも知っている。

 でも、ここまで……」


「んーん、分かってないのですよ…

 お兄ちゃん、もう一度言うのです。

 お兄ちゃんは、ミクの一目惚れの相手なのです。

 ミクがお兄ちゃんと出会った”あの時”から…」


「…っ!!!お前………まさか…」


「わかりましたか?

 ミクは初めて会ったあの時から、

 お兄ちゃんのことが大好きだったのですよ」


「…お前、もしかして……最初から俺のことを全て知って…」



いつもと変わらない、ニパりとした笑顔でミクは俺を見つめる。

これはもう…本当に…



「ははっ、ミクっ…!

 俺の負けだよ…

 完全な…なっ」



封印が始まり、薄れ行く意識の中で俺はできる限り強くミクを抱き締めた。

意識を失ってもこの手が離れないように…



「目が覚めたら、また一緒に暮らそうな。

 今まで甘えさせられなかった分、甘えさせてやるから…」


「本当なのですかっ?

 じゃあ何してもらうか考えとくのですよ♪

 楽しみなのですですっ♪」



そうして二人の瞼はそっと閉じられる。

長く深い…眠りへと堕ちてゆく…



時計の鐘がなる

世界に新たな時を知らせる、その鐘が…

界歴0299年12月31日より新たな年へと変わったその時、

勇者 支王ミクと大魔王 ゼロ・クロイツは地上から姿を消した…

日数の関係上急ぎになってしまいました。

道筋は変えないまま、訂正を加えていくので今後の投稿は少し時間がかかります

すみません




【※大切なお願い】


少しでも




「面白い!」


「続きが気になる!」


「応援してあげてもいいかな」


「更新がんばって!」




と思ってくださった方、応援を是非お願いします(*- -)(*_ _)ペコリ


応援は簡単、たった2、3秒で終わります!




このページの下の方にある、☆☆☆☆☆ボタンをポチッと押すだけです! もちろん無料です!




どうか皆様の数秒を、私に分けてください!




皆様のそのヒトポチでモチベーションが爆上がりします☆




何卒応援よろしくお願いします!




>すでに☆☆☆☆☆ボタンを押してくださっている読者様


 応援ありがとうございます!感謝してもしきれません<m(__)m>


 今後とも面白い話を作っていきますので、楽しんでいってください!



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