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《3章過去編》完全無欠のサイキョウ勇者の攻略法  作者: MeguriJun
2章【第5次種族間大戦】
46/74

6章5【《全剣(ワールドスラッシュ)》VS《複数能力(マルチプルホルダー)》】



階段を静かに登る。

大魔王が、その有り余る力で創り上げた巨城の中は以外にも禍々しさの欠片もなく、

強力な魔物や行く手を阻む敵がいるものかと構えてはいたもののその気配は全くなかった。

そして、なんの罠も強敵も出現しないまま、目の前には巨大な扉が行く手を阻む形でそびえ立っていた。

その扉をなんなく斬り裂くと、中では手に顎を置き玉座に座る黒のローブで身を覆う仮面をつけた者がそこに居た。



「鎧にマント

 …いやローブかな?

 フフフッ!先程と違い、見た目だけならは立派な勇者ですね…」


「無理矢理着けられただけなのですよ。

 ミク的には、裸一貫が動きやすくて一番良い防具なのですがね!」



冗談を交えながら交わす言葉が、一度止まる



「はじめまして…というべきなのかな?

 君の噂はかねがね聞いているし、

見て知ってもいるから一方的には”はじめまして”という気分ではないのだがね…」


「そうですか、紹介が省けて助かるのです。

 でも、こちらはそうはいかないのですよ。

 魔王クロノ・クロイツに子供がいるのは有名ですし、知っているのです。

 …ですが、その子は今はまだ10歳の女の子。

 アナタでは、似ても似つかないのです。

 ……アナタは一体誰なのですか?」


「フフッ、だろうな…

 私はある計画によって生まれたクローン体…

 いや、遺伝子を組み合わせて造り出された実験体というべきか!

 私は、龍族と仙族の血を受け継いだ母と人族と魔族の血を受け継いだ父より生み出された、

 全ての血族の力を受け継いだ唯一の生き残り。

 全てを消し、0から世界をやり直す存在…大魔王ゼロ・クロイツ」



両方の手と腕を左右に伸ばし、天を仰いだ後、ミクへと向けるその視線の瞳が光る



「ネズミも紛れ込んでいる…というより”視ている”というべきか。

 まあ丁度いい…」


「……」


「支王ミクッ!

 我が前に立つことができた其方に問おうっ!

 君はこの世界をどう思う?どう見る?

この世界の現状を、君は黙認できるのかね?」


「…さっきから何を言っているのですか?」


「世界の在り方の話をしているのだよ…

 私はね、この世界に絶望しているのだよ。

 弱肉強食のこの世界…小さい命、力のない者達その命を散らせ、強者のみが蔓延る現状…

 なぜ争いが起こるか知っているか?

 王族の者達はね……中途半端なのだよ。

 世界どころか同種族の…その管理すらもできていない…

 中途半端が多すぎる!

 『俺が最強』『私に敵なし』『格の違う強さ』…

 そんなことを仄めかされ、調子に乗った者達が更なる領土拡大と私利私欲の為に争いを始める。

 世界最強、無敵、頂点etc……

 世界のあちこちで様々な人物に付けられている陳腐な称号…

 それが無駄であり、争いの種を生む、紛い物ばかり…

 最強は世界に一人でいいっ!

 圧倒的な力で世界に知らしめて、天涯より見下せばそのような争いは起こらない。

 皆が認める唯一無二絶対の最強さえいれば、争いなど起こることはないのだよっ!」



手を差しだし、大魔王は問う



「ここまで辿り着き、我が前に立った褒美として、特別にお前の兄である支王ミライは見逃してやろう。

 なんなら君の友人数名くらいならその数に加えてやらんでもない。

 私は本来、争い事は嫌いなのだよ…

 どうだ?世界の変革に、君も携わってみないかね?」



その質問の回答を待つゼロに対し、溜息交じりにミクは答える



「確かに、この世界はお兄ちゃんに比べればあってないようなもの…

 お兄ちゃんを星とするなら塵の価値程にもないのですよ。

 でも…

 それでも…

 この世界にはそれなりに思い出があって、思い入れがあって、それなりに大好きな仲間も友達もいるのです。

 それだけでミクにとって、例え塵でも無価値ではないですし、守る価値はあるのですよ。

 簡単に見捨てるわけにはいかないのです。

 それにミクの大事な親友に、お兄さんを亡くした人がいるのです。

 いつもはずっと笑顔の彼女が、時々見せる悲しそうな表情を見ると、

 胸の奥がすごく痛くて苦しくなるのですよ…

 確かにアナタの考えも、世界への見方も全て否定することはできないのですし、

 なんなら同意もできてしまうのです。

 アナタの話に乗れば、ミクの大切な人達は助かるのかも知れないのです。

 でも、その助けられた人達が本当の笑顔を振りまいてくれることは二度とない…

 だからミクは、ミクの大切な人達が本当の笑顔でいられるように…

 手に届く全てを守ると6年前に誓ったのです。

 ミクの大切な人達の、大事な人達を傷つけることになるアナタの行いを、見て見ぬフリはできないのですよっ!!!」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ミク…ちゃん……

 いつも自分勝手でワガママで振り回してくるばかりなのに…

 そんなどうでもいいこと…ばっか…なんで気にしちゃうのよぉ~…」



音奈は両手で顔を抑え、崩れ落ちる様に地面に膝をつける。



直接そのモノに触れ能力を発動することで、

そのモノの見る景色を映し出す《(プロジェクター)(モバイル))》【遠隔監視リモートリサーチ

ミクの纏う衣に付けられたカフスから映し出された光景は、一帯の電気を介した付近にあるモニター画面に映し出された。


泣き崩れる音奈の横に龍族王は静かに立つ



「我の行いを間違っているとは思わない…

 しかし言い訳くらいはさせてもらう…

 戻ってこい…勇者!

 必ず……」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「それが…お前の出した答えなんだな…」



誰に届くはずのない微かな声がした

それは、一体どのような表情だったのだろうか…

ミク自らが出したその答えに対し、悲しみも嬉しさかも…分かることのない不敵な笑みを浮かべる



「いいだろう、ならば相手になってやるっ!

 だが、残念ながら時間切れだ!

 世界への約束は守らせてもらおう…」



ドンッ!!!とゼロが足を踏み込むと凄まじい地響きが周囲一帯を襲う。

しかし、それはまさに一時的のもので、すぐさま異常のない静かな光景に戻る。

ミクは辺りを見渡す。



「っ!!??…何?…が起きたのですか?」


「気づいているかなっ?

この城自体、君が上層へ上っている間にもう地上から離れ、空中を浮遊している…

 つまり、地上で何が起きようと、こちらには影響がないということだ。

今18時をもって、約束の一週間が過ぎた。

 人も龍も仙族も…もちろん役に立たない魔族の全て、この世から消してやるっ!」



その言葉で外に耳を傾けると、地響きと豪雨、落雷の音が鳴り響き、人々の絶望の悲鳴が微かに聞こえてきた。



「一体…何をしたのですかっ?」


「【幻獣・青虎レギオン】の持つ唯一無二のマルチギフト…

 数多の天変地異を引き起こす超広範域天地支配能力《大災害ハザード》。

 急がねば、私を倒したところで守らねばならない全てを失っているかもしれませんよ…」


「……確か、《空流》も操っていたのですよね?

 複数の能力を使うとは聞いていたのですが、恩恵すらも使いこなすのですか…」


「それだけではない。

 なんなら、貴女の動き自体を止めてあげようか…」



そう言うと右手をミクへと向ける。



「100倍の重力波を受けるがいい…《威圧グラビティ》」



ズドーーーーンッ!!!!!

凄まじい音と共に、ミクの周囲の物質が一気に形を維持できずに、ひしゃげていく中、

何事もないように、悠然とそこに立つミクの姿があった。



「…?なんだ?なぜ何の影響もない?」


「ん?…あっ、これが100倍の重力なんですね。

確かにいつもに比べると少し身体が重いかもしれないですね…

 女の子相手に、なんて失礼で酷い能力を使うのですかっ!」


「100倍の重力波をものともしないとは…化物だな、私から見ても…」



ダンッ!!!と次の瞬間、ミクの足元が吹き飛ぶ程の勢いで一瞬で間合いを詰める。

踏み込みと同時に互いの武器が振り下ろされる

ミクの振り下ろす剣の鍔に、鍔をかち合せることで能力を無効化させ、その斬撃を止める。

攻守が目まぐるしい勢いで入れ替わり、二人の衝突が衝撃と激音は、城全体を揺るがし、周囲の瓦礫を吹き飛ばす。



「まさか斬撃を飛ばせるくせに、自ら接近戦を挑んでくるとは…気でも触れたかな?」


「どうせ距離をとっても、斬撃が届く前に軌道を読まれて避けられるのです。

 なら近距離から、軌道を読まれても意味をなさない超速の一撃を加える方がまだ可能性があるのっ、です…よっ!!!」



会話の終わりに振られる横一閃の一撃を上体を反らして避ける。



「それはお前以上に、私が言えることだろうが…なっ!」



そのままバク転で一回転すると同時に、振り上げられた右足でミクの手を蹴り上げ、時間差で左足蹴りで顎を捉える。

右手で地面を抉り、掴み軸にして、左手で足払いをして体勢を崩させ、その勢いのまま全体重をのせた踵落としを放つ。



「ッ!!!」



崩れた体勢と剣の位置から斬撃が間に合わないと悟ると、剣を斜め下へ振り抜き、ゼロの足場を斬り裂いた。

しかし、そんな崩れる足場・体勢の中、視線を外さず攻撃を繰り出す。



「このっ!!!」



ミクの目の前の地面がまるでクレーターのように吹き飛ぶ。



「違和感を感じたかな?

 かなり繊細に強弱を操っていたんだがね…」


「やってくれるのです。

 避けるのがうまい…だけではないですね?

 重力操作のオンオフをうまく利用して、ミクの斬撃軌道をはじきやすい位置へ誘導してたのですね?

 狙う箇所を微妙にズラされてるのです。

 これが本来の《威圧》の使い方ですか?」


「その通り、ただ重たくすればいいというだけの能力ではない。

 攻撃途中で重くしたり軽くしたりを繰り返すことで軌道を狙った位置にズラし、外させる。

 まあ、今回は攻撃を流す為の太極軌道上に誘導する程度にしか操作はしなかったが、まさかばれてしまうとは

 それにさすがと言うべきは、貴女の凄まじい剣撃数と速度だ。

 こちらに攻撃の隙を与えない…」


「そうゆう貴方こそ、どんな視力と身体能力をしてるんですか?

 《威圧》による調整があるにせよ、ほぼ回避不可能なタイミングで剣撃を放っているはずの攻撃をこうも…」


「ふふっ、お褒めにあずかり光栄の至りですね。

 ただ、さすがにこのまま体力が尽きるのを待つのでは芸も時間もない。

 そろそろ反撃とさせていただきましょう…

 『少し本気を出してやるっ』!!!」



ゼロが両手を広げるとその両の手の先で空間が歪み、闇に染まる球体上の空間の穴が2つ出現する。

その空間からズズズッと見たことのない形の剣が姿を顕現する。



「見せてやろう。

 これが仙王を戦慄させ、龍王に均衡し恐れられた、魔界において歴代史上最高最強の能力。

 我が父、クロノ・クロイツの創造生成スキル《想生ロード・オブ・クリエイト》!!!」



闇より生み出された剣はその言葉と共にものすごい勢いでミクに向かい撃ち出された。

一瞬驚きで反応が遅れたものの、飛んでくる2本の剣を避け、ゼロへと視線を向けると、

その背後には無数の暗黒空間と、そこから出現した百を超える武器がミクの視界に入った。



「《想生》…”無限砲剣インフィニティーペイン”」



それはさながら武器の豪雨と言うにふさわしく、驚異的な数の刃を帯びた武器はまるで矢の如く、次々とミクに向け撃ち出された。

迫る武器を後ろへ飛び、退き、避けていくも、その追撃は止まず、次々と無尽蔵に生成されていく武器は例外なくミクに向かい放たれていった。

一瞬ミクの握りしめる剣が金色に光るも、すぐさまその輝きは消え、カキンカキンとはじき飛ばす形で応戦した。



「フフッ、正解だ!

 避けるか叩き落とすしか手段はないでしょう?

 例え貴女の能力《全剣ワールドスラッシュ》で斬り裂いたとしても、

 貴女に対して飛んでくることに変わりはない。

 下手に斬り裂いていけば飛んでくる飛来物数自体を増やしかねない。

 ただ…正面ばかりに気を取られていていいのかな?」


「…っ!」



気付くと、ミクの足元のほとんどは飛んできた武器が突き刺さり、動けるスペースを狭めていた。



「正解の一つではあるが完璧ではない。

 我ならば両の手で弾く箇所を限定させ、武器を全て一箇所に、まとめ上げることで足場を失わないように調整する。

 強すぎる故か…逃げること、避けることも視野に置いた戦い方をしないと足元をすくわれますよ。

 このようにね…」



ふと大魔王へ目をやると、そこには新たに想生された巨大なガトリング砲が構えていた。



「自動射撃能力《乱射(リロード&ファイヤー)》」



ガトリング砲をおもむろに蹴とばす。

その瞬間、砲身は触れることなくミクの方へと向くと爆音と共に無数の弾が撃ち出される。

最初はその玉さえも斬り裂き回避していたが、徐々に上空からの剣戟と正面からの射撃に対処が追い付かなくなり押され始まる。



「無限に近い物量による攻撃はなかなか厄介でしょ?

 しかし…おやおや、正面や足元、斜め上までは視界に入っても、真上までは気に掛ける余裕はないですか??」



気付くと、足元を含めた周囲一帯が影で覆われていた。

依然撃ち出される武器や銃撃に気を配りながら、真上上空へ目をやると、

そこには全体像が把握できない程の巨大な岩の塊が空を覆い隠していた。



「さぁ、アスフォードの愚民達が手も足も出せず、城・城下を崩壊させた一撃だ。

くらうがいいっ!【星天落下メテオグランデ】ッ!!!」



その言葉を合図に巨大隕石はミクに向かい降下を始めた。

未だ止まない武器射撃による遠距離攻撃との二つの脅威に迫られたミクは大きく叫んだ。



「いやぁぁぁぁあーーーああああ!!!!」



ズドーーーーーーーーーーンッ!!!!!

その叫びと共にミクは足元を踏み込む。

その威力は城内部の床を破壊し崩し、砂埃が巻き上がる。

その風圧で全ての武器や銃撃が吹き飛ばされた後、崩れ空いた先程までミクがいた場所にできた穴へ、

ゼロが目をやるとミクには珍しく両手で剣を握り締め構える姿があった。



「なら、見せてあげるのですよっ……

 ミクの本気を…」



両手で握りしめられ振り上げられた剣に、目に見える程の凝縮された魔力が剣の切っ先、更に延長線上に延び広がり、形を成して纏わりついていく。



「いくのですっ、とっておき!

 ワールドスラッシュ…リミットブレイカーーーァァァアアア!!!!!」



落ちてくる脅威へと振り下ろされた一撃は、ただそれだけの動作で周囲の空間を歪めた。

轟音と共に走る一閃はその延長線上全てを消し飛ばす。

危険を察知し、横へと飛び退くゼロの目の前を、振り降ろされた斬撃範囲に見合わない巨大な斬撃が走る。

広範囲に広がる斬撃が空間を斬り裂きながら巨大隕石へ向かうと、そのまま真っ二つに斬り裂いた。

斬り裂かれた巨大隕石は崩れ落ち、その爆風により、放たれていた無数の武器もそれを生み出していた暗黒空間も全てを吹き飛ばし、

一瞬にして大魔王の攻撃の全てを無力化させた。



「さすがに予想外の一撃だなっ。

 まさか魔力量を増やすことで、斬撃幅まで伸ばすことが可能だとは…」



驚異的な一撃により粉砕された巨大隕石に、ゼロが目を向けている隙にミクは次の行動へ移る。

一瞬とも言える瞬間にゼロの懐へと潜り込むと左胸部に目掛け剣を横一閃に振るう。

ゼロの右手上部を剣が通り過ぎる。

弾ける距離ではない…間に合わないはず!

そう思った瞬間、握りしめる剣が急激に重くなる。

それはまるで牛1万頭を細い刃に乗せたかのような…

急な出来事に対応できず、ガクッと体勢が崩れたタイミングでゼロの左足蹴りの一撃がミクの腹部へ直撃し、壁へ吹き飛ばされる。



「カハッ…」



吐血しながらも右目を開きゼロを見ると、剣の刃の部分がゼロの左手に張り付くようにして持たれていた。



「磁場形成磁力強化能力《磁界マグネットリバイブ》」



握り締めるその手からは、凄まじいほどの電撃が迸る。



「これが抜き手以外の者には触れることすら許されない伝説の名剣…

 【秘剣ゼウス】か…反発力が異常だなっ。

 貴様が封印を解くまで持ち主が現れなかったのも頷ける」


「その剣…返すのですよっ!」


「あぁ、いいだろう」



そう言うとゼロは剣を握り直すと、槍投げと同じ構えをとる。



「《磁界》…【絶対命中フューチャーストライク】ッッッ!」



光速に等しい程の投擲がミクを襲う。

咄嗟に避けた瞬間、何かの引力に引き寄せられる感覚に襲われ、その元を見ると、避けたはずの剣が軌道を変え、再度自身へと向け飛んでくる。

その剣を避けた瞬間握り締めると、カタカタカタカタと揺れ、手からはじかれ離れていくと、またも自身へと向け飛んでくる。



「これが《磁界》のもう一つの使い方です。

 触れたモノ、触れた箇所にマーキングし異なる磁極を持たせ、磁石の引き合わせのように両者を引き寄せる技だ。

 音速にも近い速度で放たれた剣は、《磁界》の力でその速度を維持したままお前の身体に目掛けて向かい続ける。

 回避手段はない。

 先ほど蹴り上げた貴女の腹部に命中するまで止まることはない…」


「……ならもう…斬り捨てるしかないですね…」



交差する刹那、ミクの手が腰にささる二本の短剣へ手を掛けた瞬間、

ミクへ向けて飛び続けていた長刀が強力な磁力を失うほど粉々に斬り裂かれ、一陣の風と共に宙に舞い消えていった。

世界に二つとない幻の名剣を粉砕したミクの宝剣、それは傍目何の変哲もないただの短剣と包丁…ただし、そこに

’兄と親友からもらった’という付与がかかることで”最強”へと姿を変えるその二振りを天へと掲げる。



「星包ガーネット…そして星剣クローバー!

 これが、ミクの持つ世界最強の剣で100%のスタイルなのですっ」


「…小太刀二刀か。

 確かに、貴女の能力に剣の長さや斬れ味は関係ないでしょうからねっ」


「ミクの能力は、武器に注がれる魔力量に依存するのです。

 ミク次第で、その武器が鈍にも最強にもなりうるのです。

 この二本はミクの宝なのですよっ!

 この世に他に存在しない大切な大切な宝物……

 だからこそ、この二本は他のどんな武器にも負けない最強の武器へとミクが持つことによって変わるのですよっ!!!」



ミクはそう言うと、先程と同じく一歩の踏み込みで一気にゼロとの間合いを詰めた。

しかし、その行動に少なからずゼロは幻滅していた。

ゼロの腹部目掛けて、振り向こうとする二刀の剣の下に両の手が添えられる。

『二刀なら片方は能力の効果を受けたいと思ったか…

残念だが両手同時発動可能な能力だ。《磁界マグネットリバイブ》!』

ゼロの両手に強力な磁場が作られる。

ミクの振るう剣は軌道が下へとずれていく。

しかし、剣は下に軌道を変えたもののその勢いは止まらず、そのままゼロの足を目掛けて向かっていった。



「っ!!!」



その動きに瞬時にゼロが気付くと、素早く宙へと飛び、

交差するミクの両手に足を掛けると、更に遠くへと飛び、ミクとの距離をとった。

避けられたことを気にすることなく構えるミクに対し、冷静に状況を分析するゼロ。



「なるほど、先程の長刀と違って鉄で作られた刃の部分が短い分、

 《磁界マグネットリバイブ》の影響を最小限に抑えたか…」


「それもありますけど、それだけではないのですよ。」


「…っ?」


「くると分かっていれば磁力を加えられても脅威にはならないのですよ。

 もう、どれほどのものかはわかりましたし慣れました。

 例え先程以上の重量負荷が剣に加わったとしても軌道を変えることなく振り抜いてみせますですよ。」



その言葉を聞き、顎に手を当て何かを思考した後、ゼロは言う…



「ふむ、では…少し戦い方を変えようか…」


【※大切なお願い】


少しでも




「面白い!」


「続きが気になる!」


「応援してあげてもいいかな」


「更新がんばって!」




と思ってくださった方、応援を是非お願いします(*- -)(*_ _)ペコリ


応援は簡単、たった2、3秒で終わります!




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どうか皆様の数秒を、私に分けてください!




皆様のそのヒトポチでモチベーションが爆上がりします☆




何卒応援よろしくお願いします!




>すでに☆☆☆☆☆ボタンを押してくださっている読者様


 応援ありがとうございます!感謝してもしきれません<m(__)m>


 今後とも面白い話を作っていきますので、楽しんでいってください!



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