6-4【願いを背負って…】
互いの視線がぶつかり合う。
すぐさま始まるかと思われた戦いは、
大魔王ゼロ・クロイツが視線を外すことで一時止まる。
その視線の先は自身が住まう巨城。
再度ミクを見ると城へ来いと合図をし、姿を消す。
「ふぅ~」と一つ溜息を吐くと、後ろにいる皆の元へとミクは向かう。
「『ミクーーーー!!!』『ミクさーーーーん!!!』」
皆の集まる場所へ進むミクの元へ二人の少女が飛び掛かる
「優唯、莉音…なんですかっ!
ミクより年上のくせに…
よしよしっ、怖かったですよね?もう大丈夫なのですよっ」
二人をギュッと抱き締めるその元へ、人々が集まってくる。
そこには生徒会長アルフレア、そして龍王の姿もあり、こちらへと近付いてくる
「とりあえず斬ってはみましたけど、なんなのですか?
あのでっかい剣に不気味な建物は……
ミクがいない間に都市のイメチェンをしたにしても大胆すぎではないのですか?
ミクの美観には合わないのですよ」
「そんなわけないでしょう!
どの層に向けてイメチェンしたらあーなるのよっ!」
「相変わらずのようだな…支王ミクっ!
とりあえずは急な招集だ、まともな食事や準備ができてないだろ?
部下に様子を見ておくよう伝えてある、奥で用意をするといいっ」
「随分と気前がいいのですねっ!
本当にクエスト前と比べて丸くなったのですよ」
「ミク、それくらいにしてあげてっ!
父上も今回の件…すごく反省してるし、アタシからもこれでもか!ってくらい怒っておいたから…」
居所が悪いのか、渋顔のジト目でこちらを見る龍王を置き去りに、
音奈、アルフレアと共に奥にあるテントへと進む。
「こんなローブだかマントだか……邪魔なのですよっ!!!」
とりあえずの食事を終え、奥へと通されたミクは長期的な移動等を理由に着替えを促される
「逆鱗の衣だっ!
生半可な炎や冷気ならお前の魔力装で防げるだろうが、それを超える攻撃があるかもしれん。
一応の予防対策だっ!
戦いの最中に邪魔になれば脱ぎ捨てれば良いっ!
頼んだ手前だ、最善の用意くらいさせてくれっ!」
「んんんんn~」
「まあまあ、そう言わずに私達の好意を受け取って下さいなっ!
一応統合都市を壊滅させた未知の脅威相手だからね。
心配のし過ぎもないでしょ?」
膨れるミクを音奈が抑え、以前から交流のある紺野茜が軽口にそのマントを付けカフスで止める。
「これで良しっ」
「んっ…もういいですか?
んでは、ちゃっちゃと行って、片付けてくるのですよ!」
「ちょっと待てっ…」
巨城に向け踏み出すミクを龍王が制止する。
その後ろには、ゾロゾロと戦闘に備えていた者、その補助・後方支援をしていた者、そして顔なじみのメンバーが揃う。
「我から言えたことではないのかもしれない…
だが頼む…種族の為、友の為、世界の為…
なんでもかまわん!
奴を…倒してくれ」
「……難しいことはよく分からないのですよ。
ミクに取ってはただ一つ…お兄ちゃんの為!
それだけあれば、十分なのですよ…」
戦いの地へと駆け出すミクの後姿を、皆が皆思い思いに見守る
「……我は勘違いをしていた。
支王ミクが来たとき、この絶望的な状況にも関わらず安心してしまった…
勝てるかもしれないと希望をもってしまった…
まだ戦えるかも……と勇気をもってしまった…
これが…本物の勇者なのか…」
「いいえ、違いますっ!
勇者なんて関係ない…
あれが…支王ミクなんですっ!」
その輝くような瞳で友を見る音奈の姿に、瞳を伏せた後、ゆっくりと走る彼女の背中へ目を向ける。
「……納得だなっ、アレは誰にも真似できん」
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