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《3章過去編》完全無欠のサイキョウ勇者の攻略法  作者: MeguriJun
2章【第5次種族間大戦】
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5-7【VS世界】


統合都市学園街アスフォード



「今日の頂上会議…どうなると思う?」

「さぁな、種族間のわだかまり緩和されるか、溝が深まるのか…」



市内はクリスマスということを忘れる程に頂上会議の話題で持ちきりだったが、

それとは裏腹に街はネオンに彩られ、イルミネーションが輝く神秘的な光景が広がっていた。

クリスマスに合わせてた映像がいくつもの巨大スクリーンに映し出されていた。


バチンッ!!!


突然、その華やかしい光景は暗黒色へと姿を変える。

電気系統は全てが消え、スクリーンのその全ては黒色へと変わる。

街の人々がザワつく中、電気が復旧したのか…スクリーンが明るくなり映像が映し出される。

しかしそこには今までの明るく煌めく映像はなく、黒衣を纏い仮面で顔を隠した人物が一人映し出された。



「はじめまして、アスフォードの諸君っ!

 私は新なる魔族の王改め…

 全てを超越する大魔王……とでも名乗らせて頂きましょうか」



アスフォード全域に轟く不気味な声。

拡声されたそれは、続けてアスフォードに住まう人々へと語りかけた。



「私は常々思っていた。

 果たしてこの世界は正しいのか?

 この世界に住まう者達に、生きている価値があるのか?

 争いばかりで先へ進めず、資源を食い物に枯渇させ、星をダメにしていく一方…

 百害あって一利なしの害悪たる存在達…

 だから私は決めたのだっ!

 この世界を0にし1から全てをやり直そうと…

 なので大変申し訳ないが、害悪である君達にはその舞台に不釣り合いの為、退場願おうと思っている」



場が騒然とする。

何を言っているんだと中傷する者もいれば、唖然とする者、その異形と異常に恐怖する者…



「しかし、君達も急なことで心の準備ができていないだろう?

 なので私が大魔王になった記念を兼ねて一つゲームをしようと思う。

 本日これよりアスフォードは壊滅する。

 それを皮切りに一週間の間に一日一箇所、国を滅ぼしてゆこう。

 そしてその都度、次に壊滅させる国を君達に教えてあげよう。

 迎撃する為用意し戦うも良し、恐怖から逃げるも良し、神に祈りを捧げその場で果てるも良し…

 好きなようにするがよいっ!

 そして新たな年を迎えるその前に、この世界の生物を絶滅させ綺麗な大地の元、新たな年を私は迎えようと思う。

 ……あぁ、そういえば少しの希望を持たせては、死にゆく皆に申し訳ないので伝えておくが、

 君達の崇拝する王に期待はしない方が良いぞっ…」



映し出される光景が部屋全体へと変わる。

その映像に、見ていた者達の表情は一気に絶望へと変わる。

先程まで語られた夢物語が現実になることを確信する。

大魔王を中心にその周囲には、地に伏せ倒れる者、空間から伸びる鎖に拘束される者

そして、抗いながらも周囲の光景が歪む程の重力場に、圧され立つことができない龍王の姿があった。



「ぐっ…がっ…!」



そんな龍王の頭を踏みつけ、大魔王は視線をカメラの先へと向ける。



「どうだろうか? 

 私の慈悲は伝わっただろうか?

 よかったではないかっ!

 今まで死んでいった者達の多くは、死ぬ覚悟もできぬまま突然、この時代の…この世界の被害者となった。

 それに比べて君達は死ぬ時を、死に方を選ぶことができる。

 我ながら大魔王としての素質を疑うよ。

 こんなにも優しさに満ち溢れた者が、新しい世界に法や秩序をもたらすことができるのかとねえ!」



機械的な声は高々に笑う

その足元で怒りに震える王がいることを知りながら…

今までの愚行、足蹴にされた屈辱、挑発的な発言と態度

その全てがかの王の逆鱗に触れた



「ポッと出の小童が…いい気になるなよぉぉぉぉおおおーーー!!!!!」



怒号と共に全力をもって立ち上がると、

隠されていた翼を広げ、

凄まじい勢いで窓ガラスを割り、

大空へと飛び立った。



「…あれって龍王じゃないか?」

「あ…間違いない!龍王様だっ!!!」



王宮での異変に気付きオモテに出た城下街の住人がざわつき始める。



「たかが魔族風情が、龍の長たる我を足蹴にし晒し者にするとは……万死に値するっ!!!」



その姿は日常では考えられない異形。

肉体はみるみる巨大化し、皮膚は紅蓮の鱗で守られ、尾が生え牙が生える。

四肢には鋭い爪、二枚翼で空を飛ぶその姿は、

まさにドラゴンというイメージを体現した姿に他ならない。

龍王の完全戦闘形態…

力をセーブした人龍化を解き放ち、本来の姿へ還る。

これを……



「原種回帰による逆龍化…

 それが大戦時代、恐怖の再現とされ恐れられ、

 その異常な熱量から世界の気温さえも変えたとされる、龍王の真の姿ですか…」


「生きがるのも大概にしろよ、小童っ!!!

 我を怒らせたことを、後悔させてやるっ!!!」



次の瞬間、悍ましい火力を誇る黒炎が口内から沸き立つ。



「あ、あれは…龍王様の超火砲撃【ゴットブレス(神の咆撃)】…

 逃げろぉーーー!!!

 辺り一帯全て焼失するぞっ!!!」



街の人々が混乱するのを尻目に龍王はその口を開く。



「塵も残らず死ねっ!!!

 ゴット…ブレスゥゥウウウーーーーー!!!!!」



ゴォーーーンッ!!!!!という爆音にも似た衝撃と共に、

大気さえも焼き尽くす凄まじい火力を帯びた息吹が王宮全域へと放たれた。

焔は唸り、離れた大地が怯え揺らぎ、空間は激しく歪む。

そんな光景を見て、やれやれ…といった素振りで、大魔王はスッと右手を放たれた咆撃へと向けた。



「ハアァ……

 他の王族や家臣諸共…どころか周囲一帯までとは……

 だから王としての器ではないのですよ…アナタは!」



その直後、大魔王へと向かう咆撃はその軌道上にできた巨大な暗黒空間に呑まれ消える。

そして、その横に新たにできた光明空間より同様の息吹が龍王に向け放たれる。



「ッ!??」



自身最強の一撃を放ち、隙だらけだった龍王に自らが放った業火が襲う。

燃え盛る身に纏う炎を振り払おうも、普通の生物なら消し炭すら残らない煉獄の炎は龍鱗、

そして耐性のある龍王にさえも深刻なダメージを与えた。



「がッ…今のは…一体…!?

 二種の空間……バカなっ!!

 それは幻獣王蛇の恩恵っ……

 しかもそんな展開範囲、奴自身にも不可能なはず?

 奴を超える空間使いが存在するはずが…」


「傲慢のツケですね…そして私の能力が空間だけとも言っていない…」



そう言うと、龍王に向けられた右手を振り下ろす。

途端に龍王はまるで翼を失った鳥のように落下し、地面に叩きつけられた。



「ガッ…こ、この能力は明らかに重力操作系能力…先程のブレスの返しといい、

 やはり空間使い…それも<恩恵ギフト>かあるいは以上の…」


「珍しく的を外してますね…貴方方が卑下している、しがない<能力スキル>の一つですよ。

 ただ、一人で何でもできてしまう貴方には一生分からない能力でしょうけどね」


「龍王様っ!」


「近づかないほうが良いですよっ。

 空間が歪むほどの重力波、龍王だからこそその身を保っていられるに過ぎません。

 アナタ達では押しつぶされて肉片に変わるのが関の山ですよ」



龍王へと向かう者達の足が止まる。

顔を歪ませながらも、龍王の睨む視線が彼等から大魔王へと向き直る。



「きっ、貴様っ……わかっているのか?

 貴様の行為は、世界を敵に回すのと同じことなのだぞっ!!!」


「…世界を敵に回すっ?何を今更…

 世界は常に”俺”の敵だったさ」



その言葉を言い残すと、フワリと大魔王の身体が浮き上がると上空へと上昇していく。

魔王の見る景色がアスフォード全域へと達した辺りで上昇が止まるとモニターに映し出された大魔王が口を開く。



「手始めに、君達に素晴らしいプレゼントを用意した……

 頭上を見るがいい」



その瞬間、辺り一面が暗黒へと姿を変える。

龍王へと向いていた視線は自ずと空へと向けられる。



「…えっ?」

「ウソ…だろ…?」

「なんだよっ…あれ…」



そこには学園を…統合都市全てを覆う、巨大な大岩の塊が姿を現し、ゆっくりと落下していた。



「ヤバいっ!みんなぁぁあっ!!

 すぐに都市外へ逃げるんだあぁぁぁああああ!!!」



悲鳴が辺りに響き渡る。

降り注ぐ”それ”は大岩などと表現はしたものの、それとは程遠く、

その巨大さは物理的または能力云々でなんとかできるレベルを明らかに超えていた。

慌てふためき逃げる様子を、上空より見下ろしていた大魔王は両手を広げる



「フハハハハッ!

 さあ、舞台は整った…開戦の狼煙を上げようじゃないかっ!!

 その多くの生を絶滅へと向かわせた天よりの一撃、身を持って味わうがよい!!!」



そしてついに降る大岩の塊は王宮の最上部へと接触をする。



「全てを吹き飛ばせ…【メテオグランデエェェェェエッ(星天落下)】!!!」



巨大隕石落下の直撃は、悲鳴さえも搔き消し、城は原型を留められず押し潰され、その周囲もまた、

その凄まじいまでの衝撃と爆風の余波で店や街頭、大型住居や果てはそれらを繋げる道路まで…

その全てが吹き飛ばされ、跡形も無くなってしまっていた。

ある程度距離を取っていた学園生も爆風により吹き飛ばされ、倒れ込んでいた。

舞い上がる砂煙が落ち着き、辺りを見渡す人々は被害の大きさに喫驚する。



「フハハハッ!さあ、逃げ惑うがいい、全ての種族っ!

 そして恐れおののくがいい。

 これが新たなる世界の王の力だっ!!!」



界歴0299年十二の月、24の18時24分30秒

この時この瞬間、たった一人を相手に種族存亡をかけた、歴史上類を見ない世界大戦【第5次種族間大戦】の幕が上がった



「我が名はゼロ……

 全てを終わらせる大魔王…ゼロ・クロイツであるっ!!!」


【※大切なお願い】


少しでも




「面白い!」


「続きが気になる!」


「応援してあげてもいいかな」


「更新がんばって!」




と思ってくださった方、応援を是非お願いします(*- -)(*_ _)ペコリ


応援は簡単、たった2、3秒で終わります!




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どうか皆様の数秒を、私に分けてください!




皆様のそのヒトポチでモチベーションが爆上がりします☆




何卒応援よろしくお願いします!




>すでに☆☆☆☆☆ボタンを押してくださっている読者様


 応援ありがとうございます!感謝してもしきれません<m(__)m>


 今後とも面白い話を作っていきますので、楽しんでいってください!



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