表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《3章過去編》完全無欠のサイキョウ勇者の攻略法  作者: MeguriJun
2章【第5次種族間大戦】
36/74

5-3【見つめる少女】


十二の月22の日



「ここで、この計算式を使って……」



自由時間、各々が各々に遊びまわる中、

勉強好きの少女四人:アカメ、ウメ、エレン、ユリが教壇の前に座っていた。

授業のカリキュラムはグリムに任せる、の意味を込めて俺は頷いた。

元々学ぶ機会が少なかったせいかもしれないが、学習能力は悪くない、むしろすこぶる良い方の四人。

ほんの数日で歴史から言語、数学計算式に至るまで凄まじい早さで習得していく。


そんな四人が座る席の更に後方で、ボロボロのまま倒れ込む、二人の姿があった



「また来ましたね…あの二人は……」


「ほっておけ。

アンダーの俺に負けたのがよほど悔しかったんだろう。

 狙いはあくまで俺で、お前達に危害を加えてこないなら別に問題ない」



そんな二人の具合をボタンとカスミが見る。

「大丈夫ですか?」「あ……あ~ぁああ、わりいな…嬢ちゃん…」

会話の内容を聞く限りも、子供達に手を出すことはないだろうと腹を括る。

ボタンがタオルを濡らしてくる!と部屋を出ようとした先で、

いつものように、顔を半分出してこちらを見つめる少女が一人。

確か名前を”チエ”と言っただろうか?

扉ですれ違い様、ボタンがぼそりとチエに声を掛ける。

慌てたように、駆けていくボタンの方へ顔を向けるチエ。

そして改めてこちらを見ると、チエは顔を赤くしてその場から駆け出してゆく。

そんな様子を、教壇の上から俺は見る。




※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※




公園のベンチに座る少女

物憂げにふける少女へとゆっくりと近付く。



「チエ…でいいんだったかな?

 君は…………能力者だね?

 ボタンとすれ違う瞬間、能力の痕跡を見た」


「っ!!!!!」



少女はビクリと肩を震わすと、ゆっくりと頭を縦に振る。



「意図して発動させていないところを見ると内包魔力は十分以上、オーバーフローしているな。

 そこいらの有象無象の能力者よりも才能もある。

 そして、あそこまで発現ができているなら、

 能力に覚醒めていない方がどうかしている…そうなるとあとは気持ちの問題だ。

 施設の特性のせいかな?チエ、お前は能力に覚醒していて…

 そして、それを自らは望んでおらず隠している……違うか?」



その言葉に身を震わせる。

俯き気味にトコトコと近付くと服の裾をギュッと握り締めると微かな…消え入りそうな声を漏らす。



「チ…チエは痛いのも苦しいのも嫌いです。

 みんなにこのことを知られて怖がられるのも嫌ですし、みんなを傷つけるのも嫌です。

 戦いなんてできないし、できなくていいです。

 だからチエは…能力なんていらない…です…」


「……今のこの世のご時世では考えられない思考だが、気持ちはわかるつもりだ。

 ちなみにどんな能力だったんだ?」


「…分かりません。

 自分から能力を発動したのは最初の一回だけですから…

 ただ、家はなくなって、衝撃でお父さんとお母さんは吹き飛ばされていて…」



施設で初めて見掛けた時から感じた異質な存在感。

秘めている魔力量が異常に高いことは知っていたが、そこまでとは…

話しを聞く限り、全てを燃やし尽くす炎系、あるいは全てを吹き飛ばす風系。

どちらにせよ、人体強化でそのような状況になるとは考えにくいのを考慮すると、

人族において超レアスキルのうえ高魔力。

喉から手が出る者が続出する、自然系能力の条件。



「ちょっと悪いなっ!」


「っ‘*~|=*?>+P」



チエを引き寄せると、その勢いのまま抱き締める。

一瞬にしてチエの体温が上がる。

途端、ビシャーーーンと空を真二つに裂いたかと思われるほどの甲高い轟音と共に晴れ渡る空より落雷が落ちる。



「っ!!!ミライ君ッ!?チエちゃんっ!!!」



姿が見えず、周囲の様子を見ていたファムが、突然の出来事に慌てた表情で光の落ちたその元へと向かう。

砂煙が周囲の視界を妨げるも、気に留めることなくその能力を理解する。



「なるほどな……」



落雷と二人の間には、頭上に投げた刀が避雷針の代わりとなり受け、

その衝撃で吹き飛ばされた刀がファムの目の前に突き刺さる。



「感情の高ぶりで能力が暴走するタイプ。

 人族においては体内電流のその先、雷使いだろうが……

 瞬間的にこれ程の雷撃を生み出せるとは……!」



ふと抱き寄せたチエに目をやると、茹蛸を更に茹でたのではないかというほど真っ赤な顔をしていた。

バッと勢いよく手から離れると、プルプルと震えながら、もの凄い勢いで走り去ってしまった。



「ミライ君……最低ですね」


「…………」



ファムの辛辣な言葉に、さすがに何も言い返せなかった。



【※大切なお願い】


少しでも




「面白い!」


「続きが気になる!」


「応援してあげてもいいかな」


「更新がんばって!」




と思ってくださった方、応援を是非お願いします(*- -)(*_ _)ペコリ


応援は簡単、たった2、3秒で終わります!




このページの下の方にある、☆☆☆☆☆ボタンをポチッと押すだけです! もちろん無料です!




どうか皆様の数秒を、私に分けてください!




皆様のそのヒトポチでモチベーションが爆上がりします☆




何卒応援よろしくお願いします!




>すでに☆☆☆☆☆ボタンを押してくださっている読者様


 応援ありがとうございます!感謝してもしきれません<m(__)m>


 今後とも面白い話を作っていきますので、楽しんでいってください!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ