5ー0【プロローグ】
ここから5話の始まりです。
サブタイ
【とある少女の物語】から始まる最重要ストーリーです
少女は語る
「あれは私にとっての運命の出会いだった」…と。
それは子供が見る、王城から迎えに来る白馬の王子様のような…
はたまた、悪の魔王の魔の手から救い出してくれる勇者のような…
たった一度の出会いではあったが、それだけで十分すぎる程に十分だった。
彼と会ったその場所に、毎日のように通い詰める
「また会えるかな?」「いつか会えるかな?」
そんな気持ちがあるだけで、世界はこれ程までに輝いて見えるのかと、
彼女は彼女ながらに驚愕していた。
いつものように、机越しに座るおじさんと目が合い、
リュックに入った物を取り出し、それを渡す。
「いつも飽きずによく来るねっ。
今日も彼は来てないよ。
最近はあまりここには来ないからね…
また好きなのを持っていくと良い」
「…………」
あまり話すことを得意としない少女は、スッと一礼をすると、
建物の奥へと進んでいった。
そこは、傍目から見たら良い意味で【歴史のある】、悪い意味で【古ぼけた】建物だったが、
少女からすれば、広大に広がるお宝の宝庫だった。
昼の全てを使い、そこを探索し、巡り、読み漁り、満面の笑みと共に帰路につく。
そんな毎日を少女は過ごしていた。
今のこの生活が好きだった。
今まで目的も目標も、何もなかった時とは違う。
知識が増え、世界を知り、様々な価値観を得、
少しずつ他者とコミュニケーションを取れるようになった。
こんな日々が楽しくて仕方なかった。
だからこそ、この全てのチャンスをくれた彼に、会いたくて仕方なかった。
そんなある日、偶然的に彼と出会う。
正確には会ってはいない
一方的に、こちらが彼を見かけただけだった。
声を掛けようとした少女はすぐさま木陰に隠れる。
彼の横には抱き着こうとする度にあしらわれる、自身より少し上の少女。
すぐさま少女は理解する…
『彼女もまた、私と同じ想いを抱える一人なのだ』と…
彼女が彼に向ける視線は、まさに自身が彼に向ける視線と同じだったからに他ならない。
猛獣が蔓延る自然の脅威、【森人の床宿】へと進む彼等を、
遠くから見ていることしか少女にはできなかった。
それからしばらくしたある日、家族の末っ子がとある新聞記事を持ってくる。
それは’学園通信’
世界唯一の種族の壁を超えた人々が集まる、能力者あるいはその見込みのある者のみが入学を許された学園が発行する通信記事。
それは学園内に留まらず学園外にも興味がある者が多々いた為、情報が発信されるようになったのだが、そこに彼は映っていた。
いや…これもまた正確ではない。
どちらかと言えば、大々的に取り上げられていたのは、彼の妹についてだった。
元々力があった彼女が、能力に目覚めたことで怒涛の戦果をあげている!という内容だったが、
そこに付け加えるようにして、写真に写り込む男性についてを語られていた。
その内容はあまりにも酷く、心を痛める内容だった(その後、筆者が泣きながら謝罪記事をあげていた)が、
少女にとってそんなことはどうでもよかった。
彼が写る写真、そして少女が見た彼と共にいた少女が’妹’という事実に嬉しさで胸が張り裂けそうだった。
それからの彼女等は、学園通信が発行する度にそれを手に入れ、彼を探すようになった。
良いも悪いも彼の妹が有名すぎるせいもあり、高頻度で彼女がピックアップされる度に彼が写り込んでいたのを、
満面の笑みで見つめていた。
彼女は思う
仮にもしも、どこかのタイミングで、彼とまた巡り会うことができたとしたら、彼は私に気付いてくれるだろうか?
彼は私を覚えていて、思い出してくれるだろうか?
果たして私は”誰”なのか……気付いてほしい………
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