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《3章過去編》完全無欠のサイキョウ勇者の攻略法  作者: MeguriJun
1章【幼少期】
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閑話【歌方奏也】

俺は……

あの時見えた光景を、決して忘れることがないのだろう。


元々適正ではない能力に覚醒めた為、発現の際暴走状態に陥り、

制御が効かなかった力は、俺が見ようとする景色の更に先を映し出した。

それはまさに、一コンマの世界で写真の一枚のように、その一瞬だけを垣間見た。

そこには氷の氷壁を前に、膝を付き平伏す少年……



「…クロムハーツ……ディスキャバリー?」



学園の全年含めてもトップ5に名を連ねるであろう少年は、そこに立つもう一人の少年に頭を垂れ屈服していた。

その少年を俺は…知っていた。

能力学園においてある意味で有名なその少年の名……


「支王……ミライ…???」



▽ ▽ ▽



あれから何日か過ぎたある日、俺は学園闘技場でとある対戦を見ていた。

戦いの形式は大きく分けて二つあり、一つは肉体的鍛錬を測る無能力による限定対戦。

そしてもう一つが、今回の通常対戦…いわゆる能力の使用が許された対戦である。

この授業の一環である対戦で、目の前で戦う支王ミライを観戦していた。

周囲はただただ遠距離攻撃を避け続けるミライに対し、

罵声を浴びせる者、飽きて寝ている者、周りとくっちゃべっている者達と様々いた。

かくいう俺も、前回見ていた時はつまらない試合運びに大きなイビキをかいて寝ていた。

そして今も同じような戦いを繰り返るミライに対し、疑念が尽きることはなかった。


本当に彼に、それ程の力があるのか?

俺の見間違いではないか……

そんなことを思いながら戦いを見守り続けていた。


俺の能力の発動は認知されづらい。

何せ”視力をあげる”……言うなればそれだけなのだ。

対象に対して実害もなければ、自身の見た目にもほとんど変化がない。

強いて挙げるなら、よく見る為に瞳孔が少し開く……それくらいだろう。

当たらない攻撃に痺れを切らした相手が、徐々に攻撃範囲を広げてきた辺りで、

俺は支王ミライの力を観察する為に能力を発動する。

どこかにクローが平伏す程の圧倒的な力の片鱗が見れるのではないかと期待した。


しかし、絶体絶命の危機に陥っても確かな剣術と回避能力に優れた様子は視れるもクロムハーツや上位能力者に比べれば、

俺と同じく凡人の”ソレ”と一緒で、過度な期待だったと肩をすくめる。

あれは何かの見間違いだったのだろうと能力を解除しようとした瞬間に、悪寒が走る



『また視線があった』



というよりも『視られた』と表現した方がいいだろう…支王ミライを視る視線と合う。

それはつまり、”支王ミライと視線が合う”ということなのだが、俺は能力の使用で全体を俯瞰的に視ている。

その視線と合うのもおかしいのだが、そもそもに格上を相手に視線をこちらに合わせること自体がどうかしている。

能力が解除されたその瞳で、支王ミライを見る。


ゾクリと背筋が凍った


相手の攻撃を回避するその視線は、真っ直ぐにこちらを向いていた。

慌てて下を向き視線を逸らす。


結局その試合、支王ミライは負けた……負けた?

ハハハッと渇いた笑いが漏れる。

みんな騙されている。

高らかに突き上げられる勝者の腕が滑稽でならなかった。

支王ミクという神童という名の影に身を潜める化物の存在に気づいていない。

支王ミクは確かに異常かもしれない。

しかし、支王ミライも同じく…もしくはそれを超えた異常かもしれないと確信めいたものを感じていた。




俺はその日のうちに彼に近づいた。

日をおいて話しかければ、警戒されると感じた俺は取り急ぎ、彼に話しかけた。



「いやー、噂通りの剣術と回避術っ!

 捌く技術っ……恐れ入った。

 同じ人族として鼻が高いぜっ!!!」



嘘は言っていない。

不審がるミライに有無も言わさず肩に手を回し、ダル絡みする。

怪しまれてはいけない

詮索されるわけにはいかない

考えさせる隙を与えてはいけない

とりあえず、能力を使えない自分に興味をもった面倒くさい男!

その認識を植え付けなければいけなかった。



俺の見立てに間違いはなかった。

実力に関しては未だ謎が多いが、恐るべきは戦略戦術など相手の心理や思考を読み解く知力や、

作戦の立て方が異常なまでに高く上手い。

そして、学園の中で五本の指に数えられるクローと繋がれたことはかなり大きかった。

しかし…

それよりも何よりも…

そんな打算を抜きにして、この二人といると楽しくいられる気がした。


コイツらなら俺を手伝ってくれるかもしれない。

そう思い、相談しようとした折に一つの違和感を感じた。

クローが向ける視線が、どこかおかしい。

彼が向ける視線の先へ目をやると、そこにはミクちゃんの姿があった。

『おやおやこれは♪』と思わずニヤニヤしているが、やはりそれでも様子がおかしい。


そんな様子を幾度か確認して、ようやく気付く…

過去に視たミライとクローの関係を…

これは恐らく、彼女の行動を監視している。

それは奇しくも数週間前、自分がミライに対してしていたように…

そしてそれを遥かに上回る…

監視し、警護し、見守る…まるで保護者のように…

それで気付く

そうか…ミクちゃんもまた、妹と…音奈と同じように……

いや、どころかその特異な体質からそれ以上に周囲から狙われる対象となっているのだろう。

そんな危険と隣り合わせの彼女を守る二人…

そんな奴等に、更なるタスクを増やしてしまうわけにはいかない。


俺は一人の戦いを続けることを決めた


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 今後とも面白い話を作っていきますので、楽しんでいってください!

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