2-4【エピローグ】
「ミクちゃん?大丈夫っ?」
そんな泣き出しそうな声に反応し、目を覚ます。
周りには希と担任の教師、あと数人のクラスメイトが心配そうにこちらを見ていた。
起き上がろうとした時、先程起きた出来事を思い出し慌てて自身の身体へ目をやる。
ところが、折れていた骨は綺麗に治っており、両手足共になんの支障もなく動く状態にあった。
自らの腕に視線を移す。
不思議そうに、手を何度か握り締め、足を動かして確かめる。
「ミクは一体…どうしてたのですか?」
「ここで倒れているのを私が見つけて、すぐに先生達を呼んだんだよ。
ごめんね、私が無理を言ったばっかりに…」
夢でも見ていたのかと、頬を抓りつつ、
そこにいないある人物の所在を問う。
「先生…案内してくれていた、北威先生は?」
「ん?ああ、君達が手洗い場に向かった直後から、姿が見えなくてね…
今みんなで探しているところなんだ…」
返ってきた予想通りの返答を聞き、静かに俯く。
樹々が揺れ、光が差し込む
その陽射しを受け、一度強く瞳を閉じ、改めて瞳を開くとそっと空へと視線を向ける。
夢ではなかった…
確信と共に浮かぶ一つの謎。
誰が助けてくれたのか…
ミクは、しばらく呆然と考えていたのだと思う。
そんな少女の様子を、周囲は不思議そうに見守る中、ただ一人だけは複雑な表情でその少女を見ていた。
その先彼方より、その様子を伺う者が二人
「しかし、ミライ様にしては強引でしたよ。
奏也君が勘繰ってきてましたよ。
私の責任ゆえ、現地へは私が向かいましたのに…
誤魔化すのに苦労しました…」
「悪かったなっ、一刻を争っていたからな…
だが、ここまで露骨にミクを狙って来たということは、
近々大きな動きがあるかもしれない…」
続けて「そして…」とミライは続ける
「これで一つ、大きな疑念が生まれたなっ…」
「疑念……ですか?」
「今回のミクの動きは明らかにイレギュラーだった。
本当だったら、お前の警護を掻い潜り、ミクを襲う事なんてできなかったはずなんだ。
そもそも単独行動を取らなかった場合、校外学習で相当数の人数がいた学生全員を襲ったのだろうか?
龍王管轄下にあるアステラ学園の生徒を表立って襲えば、報復は免れないはず…デメリットが大きすぎる。
そう考えると、ミクの単独行動を視野に入れた計画だったんじゃないか!と思ってならない。」
「さ…さすがに考え過ぎでは?
午前の段階でも私を見つけ、単独行動を起こしている訳ですし…」
「だといいがな…
とりあえず面倒だが、気を引き締めて取り掛かっていこう」
ここまで長くありがとうございます。
ある意味、ここからが本編開始なような感じです。
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