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風に薫る花のように  作者: 深郷田 恋
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おはよう、日常

初めての作品です。ドキドキしながら制作しておりますが、気軽に読んでいただければ嬉しいです。今後よろしくお願いします。

 おはよう、橘薫子(たちばな かおるこ)。今日も生きよう、何事もなく平穏に生きよう。そう言い聞かせて洗顔をする朝を迎えるのは今年で何年目だ?ふとそんなことを考えたが面倒くさくなってやめた。朝ごはん何にしよう、お弁当何持っていこう。そういうことを考える方が幸せで良い。

 別に私は自分が不幸せだとは思っていない。大学を卒業して就職できたし、基本定時で上がれるし、家は駅近だし、日本のご飯は美味しいし、今期のアニメは当たりばかり。うん、端的に言って良い、大丈夫。

 あの子って暗いよね、(イン)キャだよ。何より"名前負けしてるよね"。などの聞こえる陰口にはもう慣れた。あなたたちの方が、陰で悪口言うんだから陰キャだろって常套句で脳内論破をしたらもう安心。もっとも私は感情を表に出すタイプではないけれど。

 『他人にどう思われたっていいよ。自分の揺るがない意思があれば薫子ちゃんは大丈夫』そんな無責任な励ましをしてくれた最初で(今のところ)最後の彼氏の言葉が蘇る。あぁ、まただ。私はいつまで経っても過去に囚われてるなぁ。あれ、でもなんで励まされたんだっけ?てかどんな顔でどんな声だったっけ?つーか何年前?私の揺るがない意思って何?見つけた?持ってた??え、言葉薄くね???

 なんて考えながら仕事はするもんじゃない。ミスって謝罪アンド残業、端的に言って最悪。大丈夫大丈夫って言い聞かせてる人ほど大丈夫じゃなかったりする、けど気づいてもらえないんだよね、だって大丈夫って言うんだもん。ばーか。薫子のばーか。大丈夫じゃないじゃんばーか。


 プルルルルルル。内線が鳴る。なんでこんな脳内忙しい時に、残業中に。と、内心苛立ちながら受話器を取った。『薫子さん、お疲れ様です!』

わぁぁぁあ!!

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