リュード、パーティに入る
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リュードは追放までの経緯をヒスイに吐露した。
そして今後どうするのか決めあぐねているということを話した。
そんなリュードの話を聞いたうえでヒスイは、
リュードを自分のパーティへ勧誘するのだった。
「俺は追放されたばかりなのにすぐに勧誘されるということか。こうも都合よくいくものなのか?」
リュードは疑問に思ったがヒスイはすぐに答えた。
「リュードさんの身のこなしは拝見しました!
大男の背後を瞬時にとる尋常じゃない身のこなしを見たばかりですから!
あれだけ動けるならもともと引く手数多だと思いますよ」
「そもそも勇者パーティに最も近い冒険者パーティとなるぐらいだしなあ。
言われてみればあたりまえのことなのか。
感覚がマヒしていたのかもしれないな」
リュードは納得したがそれでも疑問が残る。
「俺を勧誘する理由はわかった。竜討伐を目指すということは
やはり竜魔王を倒すのを目指しているということでいいんだよな?」
「はい。私のパーティは竜魔王討伐を最終目標にしています。
それに私の家は多少お金もありますので、
アサシンが必要な武器も融通できると思いますよ」
「つまり俺がアサシンでも構わないということか?
前のパーティではアサシンであることを
理由に追放されてしまったのだが」
「構いませんよ、強いパーティならば勇者に選定してくれるはずですよ。
現に過去の勇者パーティには人種以外の者が勇者に選ばれた例もあります。」
「本当なのか?ラスタたちはやっぱり憶測で話を進めていたということなのか。」
「残念ながらそういうことになりますね。
アサシンの勇者こそいませんでしたが、例えば亡霊の王リッチーだったり、
竜人ドラゴニュートの勇者などがいたはずです。
人間以外でもなれるのですからジョブで差別はしないはずですよ」
「そういうものか。だがもしアサシンでは勇者になれないということになっても
一度相談してくれよ?」
「もちろんですよ。それに勇者パーティになれないというなら
それはそれで構いませんよ。資金源には困っていません。
勇者にならずとも、実力があれば竜魔王を討伐することはできますからね」
「それもそうだよな。なら俺に異存はない。
ヒスイのパーティに加入しよう。これからよろしく頼む」
「ええ!ええ!ありがとうございます!これからよろしくお願いしますね」
「わかった。ところでパーティメンバーは何人いるんだ?
せっかくだし店を出てメンバーと顔合わせをしたい」
「店を出る必要はありませんよ」
「それはどういう意味だ?」
リュードは首を傾げた。
「パーティメンバーは私とあなた、二人しかいませんからね」
流石のリュードも驚き、呆然としてしまった。
自信満々に言っていた。
資金も潤沢にあると言っていた。
てっきり何人もの実力者がいるものだと思い込んでいたのだった。
しかしそれでもリュードは嬉しかった。
自分を必要としてくれる人が新たに現れた。
それも自分の欠点と経緯を明らかにしてなお必要だと言ってくれた。
そのことがうれしかったのだ。
当てもないのにふらふらするよりは、
まずはヒスイと共に冒険者稼業をやり直してみようと思うのだった。
「今まで私しかいなかった、私のためのパーティ
≪ソロ・パーティ≫にようこそ!
今日からは≪デュエット・パーティ≫ね」
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次回は本日の夜に投稿予定です!